ナムサン茶旅2016(14)ラショーの変化

7.ラショー

ホテルとチケット

ラショーの郊外にバスは着いた。沢山の客引きが寄ってきたが、Tさんはそれを避け、一度よく観察してから、良さそうなトゥクトゥクを選んだ。この辺は経験だ。例のヨーロッパ人などは茶店に入り、茶を飲んでいる。相当慣れている感じだ。街まではそう遠くはない。我々はまず、バスターミナルを目指した。Tさんが今日の夜行バスでヤンゴンへ帰るためだった。

 

だが旅行代理店が見えたので、そこで降りて、私のエアチケットを買うことにした。店にはミャンマー語と中国語が書かれている。ラショーは国境の街、中国人も多く来るのだろう。試しに従業員に中国語で話しかけると、一人は対応してきた。簡単な言葉はできるようで、それで十分だった。

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チケットはやはりティボーよりこちらの方が安かったし、ティボーでは出てこなかったチケットが運良く買えたので、最終的にゴールデンミャンマーに乗ることになった。このエアラインは確かバンコック線も飛ばしていたが、今はどうなのだろうか。因みに半年前に乗ったエアウイングは運休しているという。それはどういう意味なのか、知りたいがよく分らない。

 

旅行代理店のすぐ近くに新しいショッピングセンターがあり、その横にきれいなホテルがあった。飛行場にも近いので今日はここに泊まろうと思い、聞いてみるとなんとまだ午前なのに満室だと断られた。中国人観光客の団体が泊まるのだろうか。ホテルは向かいにもあるというので行ってみたが、なんと外国人は泊められない宿だった。タクシーの運ちゃんに聞くと、『この辺で外国人が泊まれるホテルは殆どない』と言われてしまい、旧市街に向かうことになる。

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その前にTさんが新しくできたショッピングセンターを見学しようというので、行ってみたが、店はほとんど入っておらず、従って2階へ行くエスカレーターも止まっていた。なんだろうここは?すでに計画が失敗したのか、それともこれからなのか?1階入り口付近になぜかお茶屋があった。茶畑の写真などが飾られていたので興味を持った。入っていくと若い女性が一人で店番をしている。聞いてみたが、お茶のことは全く分からないらしい。なぜここにお茶屋があるのか聞くと、このセンターのオーナーの店だという。恐らくは格好付ける目的ではないかと思う。

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それでも彼女がお茶を淹れてくれ、飲んでみると台湾茶に近いような気がした。袋は台湾製で烏龍茶とか高山茶と書かれている。茶畑はどこにあるのかと聞くと、コーカン地区らしい。そこは外国人立ち入り禁止、というか、中国との間で紛争中の場所だった。ラショーから車で1日掛かるという。ぜひ行ってみたいが、その日はいつか来るだろうか。紛争地区は昨日で懲りているし。

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旧市街へいくためにトゥクトゥクを探すが、ちょうど乗り合いトゥクトゥクが来たので、私の荷物を何とか引き上げ、地元のおばさんと一緒に乗り込んだ。おばさんたちが何か話しながら、楽しそうに笑い合っている。こういう光景はなんだか心が晴れる。ミャンマー語ができるTさんがいないと難しいが、こんな流れで乗るのが好ましい。勿論料金も格安。

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旧市街は半年前にも来たので、なんとなく土地勘あり。取り敢えず近くのホテルに入ってみたが、料金の割に従業員にサービス心がない。Wi-Fiも不安定ということで、断念。仕方なく、半年前に泊まったホテルに投宿した。料金は乾季・雨期で違うと思っていたが、1泊30ドルは変わらなかった。ここは特になにか良いわけではないが、Wi-Fiが何とか部屋でもできることと、お湯が沸くのでお茶が飲めるという利点があった。ベッドの硬さが半年前を思い出させる。

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ラショー散歩

Tさんのバスの時間まで、ラショーの街を歩いた。近くに病院があった。その横では拡張工事が行われていたが、ここはJICAの援助で作られているらしい。この街で日本が支援を行うことの意味、政府はどの程度理解しているのだろうか。いや、むしろミャンマー政府が政治的な意図をもって、支援を求めたのかもしれない。外交はしたたかでなければならないはずだ。

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街にはお茶屋さんもあったが、そこの売り子も、お茶のことはほとんどわかっていなかった。第一、強い日差しの中、直射日光を茶葉にあてている。茶葉の値段もすごく安い。半年前にマンダレーの市場で見たのと同じ光景だ。これはレストランなどにて、無料で提供されるお茶だろうか。産地を聞いても分らなかった。これがミャンマーの真のお茶事情といえるだろう。

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ラショーは中国系の街。漢字も多くみられるし、ナムサンにもあったが、正月飾りやカレンダーをあちこちで売っている。対照的にランチはおしゃれなカフェ、いやベーカリーに入る。何となく気分を変えたかった、ということと、やはり食欲がそれほどなかったことからサンドイッチを注文した。更にはアイスティなどを飲んでみる。冷たくて美味しく感じられる。

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このベーカリー、ケーキ作りをガラス越しに見ることができる。パッケージもおしゃれで、お客も若い女性が多い。後で調べてみると、この街の老舗パン屋だった。きっと代替わりしたか、何かに迫られたかで、方向転換しているのだろう。本店は別のところにあり、普通にパン屋をやっていた。ミャンマー地方都市にも少しずつ変化の兆しが見える。

 

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