ミャンマー紀行2004(23)ミャンマーのフライトは面白い

10.ヤンゴンまで

(1)ミャンマーの女優

待合室で一人注目されている女性がいた。SSに聞くとミャンマー人の女優だと言う。確かにしっかり化粧している。物腰もそれらしい。SSに『一緒に行って写真を撮りたいとお願いをして』いうと『嫌いな女優だからイヤ』といわれてしまう。良く見ていると確かに態度がちょっと偉そうではあった。

 

彼女は飛行機でも一番後ろに座り、マネージャー(または母親?)と一緒に身を隠すようにしていた。ヤンゴンの空港に到着すると係員が傘を差し出し、案内されていた。荷物が出て来るまで携帯でずっと誰かと話していた。TTMの話では外国で映画も撮ったことがあるくらい有名な人。と言いながら名前は2人とも思い出せないと言う。何で??

ミャンマー 212m

 

(2)荷物

私は旅行中飛行機に荷物を預けることは原則しない。以前ヨーロッパで荷物を預けて失くし、大変な思いをしたせいである。どうせデイバック1個である。ところがヘーホーで皆が荷物を預けており、TAMが預けろというので勢いで預けてしまったのだ。うっかりしたと気付いたのは搭乗してから。何とバックにバンコック行きのエアーチケットを入れていたのだ。普段預けないから忘れてしまっていた。一度心配になると落ち着かないものである。

 

マンダレーには直ぐに到着した。雨は降っていなかった。ふと思い出したのは以前読んだある人の旅行記。ここマンダレーの空港で機内から外を見ていたら、空港ターミナルに運ばれていく荷物の中に自分のものがあるのを発見、急いで機外に出て取り戻したと言うもの。私も急いで機外に出た。誰も止めない。荷物が丁度出されていた。一生懸命見ていたが、私のものは無い様だ。安心した。しかし他国では絶対許されない行為だろう。この国の管理は大丈夫だろうか?

 

空港を見渡す。何も無い。いや、雨上がりできれいな虹が出ていた。これだけ広い空間で、何も無い場所で虹を見るのは初めて。何となく感動的。きっとこれからは良い事があるに違いない。

ミャンマー 213m

 

(3)機体

マンダレーを出発する前に我々は席を一番後ろのほうにした。決して女優さんを見たかったからではない。ヤンゴン到着時に早く出られるから。そう、この機体は後ろしか開かないのである。それを知っているミャンマー人は皆後ろに乗る。対照的に外国人は前に乗りたがる。

ミャンマー 211m

 

機内でスチワーデスが何か言った。突然TTMが『ハイ』と手を上げたかと思うと『すみません』と私に言い、前の方に行ってしまう。何で?SSは又お母さんの癖が始まったという顔で『機体の後ろが重たいので5人前に行ってください、とスチワーデスが言いました』と言う。何?何々??お相撲さんが乗っている訳でもあるまいし、後ろが重いから前に行け?一体どんな機体なのだろうか?しかしスチワーデスの要請に応じたのはTTMともう一人の男性だけ。勿論女優さんは座ったまま。我々も行かないといけないのかと思っていると、何と飛行機が動き出す。さっきの要請は何だったのか?謎は深まるばかり。

 

しかしそれにしてもTTMの真っ直ぐな性格。人が困っていると聞けば率先して動く。勿論我々が何で後ろの席に移動したかも承知している、それを全て超越して前の席に動く。きっとそうせずにはいられないのだ。本当に偉い人だと思う。こういう人が居るということがミャンマーの本当の魅力なのではないだろうか?

 

(4)ヤンゴン空港

結局2時間遅れでヤンゴン空港に到着。タラップを降りると人々が何か話し掛けて来る。TTMがその内の一人を捕まえる。どうやら荷物持ちのようだ。ターミナルで荷物を待つ。荷物が運ばれてくると各荷物持ちが一斉に群がる。それは凄まじい勢いだ。しかし誰の荷物か分かるのだろうか?結局TTMが一緒に行き、指図する。悠長に構えていた私も自分のバックが心配になり、見に行く。バックは片隅に見事に放り出されていた。危ない、危ない。

 

何だか慌しく外に押し出される。運転手を探していると向こうで手を振る人がいる。TTMの妹だ。先日実家で会っている。その横にもう一人。一番下の妹だという。TTMは4人姉妹の長女。皆仲が良さそうだ。何故迎えに着たのか?聞くとどんな人と旅行したのか見に来たとのこと。ということは私を見に来たのだ。しかし車の中では皆はしゃぎ、良く話す。私のことなど眼中に無いように。途中で2人は車を降りた。『さようなら』と日本語で言って。

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