《宇治お茶散歩2013》(1) 宇治 変わる茶園の風景

《宇治お茶散歩2013》  2013年10月31日-11月2日

 

今年に入って日本を何回か旅している。日本は意外と面白い、私にとっては知らないことばかり『ワンダーランド』だというのが率直な感想だ。茶畑もたくさんあるし、行くべきところはいくらでもありそうだ。本格的に日本の茶旅を開始したいと思う。

 

先ずは3月に訪れた日本でも最も有名なお茶処、宇治。茶問屋のTさんとはその後も連絡を取り合っており、宇治に泊まりに行くことにした。10月末では紅葉にはまだ早いが、時期を選んでいては進まない。行けると時に行っておこう。

 

10月31日(木)

1. 宇治

お茶事情

朝品川まで行き、新幹線の自由席に乗ると、2時間半で京都に着く。本当にこれは便利で早いと思うのだが、何でこんなに高いのだろうかとも思う。この片道運賃で今や成田‐那覇が飛行機で往復できる時代。何とかならないのだろうか、外国人観光客も悲鳴を上げている。

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京都駅も慣れたもので、すぐにJR宇治線に乗り換える。快速が停まっていたので乗り込むと、20分で宇治駅に着いた。駅にはTさんが待っていてくれ、すぐに河沿いの今晩の宿に投宿した。1階は土産物を売り、2階に宿泊できた。何とも昔ながらの宿。意外と奥行きがあり、部屋はいくつもあった。Tさんがこの部屋が良い、と勝手知ったる様子で案内してくれた。お客さんは居ないようだった。

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宿を出て、Tさんの車で宇治田原へ。途中に山の中に放置された茶畑があり、茶樹が伸びていた。最近は茶栽培を止めてしまう農家も増えているという。茶樹の横には古い柿の木があった。『昔農家は冬の仕事に干し柿を作っていた』とTさん。先日見た蘇州の茶畑を何となく思い出す。

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それから弘法大師の井戸へ行く。ここは旅の僧、弘法大師が『ここを掘れば水が湧く』と示した場所と言われており、今日まで水が枯れたことがないという。横には近所の農家が作った梅干しが置かれ、お金を置いて買っていくことが出来る。この梅干し、食べるとなかなか美味しい。これも農家の冬仕事なのだろうか。

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茶園を通り過ぎる。これから冬に向かって養分を養う時期だろう。普通は茶樹の下に枯葉が大量に落ち、それが養分になるのだが、どうやら最近は事情が異なるらしい。日本茶は全体の需要は統計上伸びているのだが、伸びているのは茶飲料。茶葉を急須で淹れるお茶は残念ながらどんどん買われなくなっている。

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茶飲料といえども茶葉は必要だ。勿論高級な部分ではない。そして国産茶葉使用と表示するためには国産でなければならない。必然的に従来使われていなかった茶葉が使われるようになるというもの。どう考えればよいのだろうか?

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