広州茶葉市場ツアー2014(2)芳村茶葉市場へ

財布を忘れ

さすがに諦めかけてホテルへ戻る。だがI夫人、どうしても諦めきれずにまた不動産屋へ入る。如何にも胡散臭そうに我々を見た角刈りのおやじ、I夫人は委細構わず、空いて居る椅子に座り込み、『月極めないの?』と聞く。I夫人の度胸にはいつも敬服するが、通訳する方は嫌になってしまう。当然『そんなものあるか!』と言われて退散。

 

更にはローカルホテルを見つけたので、部屋を見学しながら『月極め割引』を狙ってみた。しかし部屋もそれほど豪勢でもなく、しかも割引も殆どなく1か月も居れば息がつまりそうなので断念、この地域での部屋探しの難しさを思い知った。

 

そしてホテルに帰り、部屋に落ち着いた瞬間、I夫人は『財布がない』と言い出す。どこかに忘れてしまったようで、今来た道を戻る。薬局、不動産屋などを回るが、どこも無いという。急須屋では同情されたが、やはりなかった。ホテルで見学した部屋にまで行ってみたが、どうしても見つからない。

 

さすがのI夫人も諦めモードとなり、下を向いてホテルへ帰ることに。だがもう一軒、あの角刈りオヤジの不動産屋が目に入り、恐る恐る行ってみる。もう入るのも嫌だったが、案の定、『何しに戻って来たんだ』という顔をされる。そしてすごすご退散しようとすると『忘れた物、あるんじゃねえの?』と言うではないか。さっきI夫人が座っていたテーブルにちゃんと財布が乗っていた。人は見かけによらない、というより、儲けにならない客が置いていったものなど興味がない、と言う雰囲気で、お礼を言うとすぐに退散した。

 

茶葉市場

午後は芳村の茶葉市場へ行くことにしていた。外に出るととても暑い。ホテルの前は歩行者天国になっており、少し歩いた場所に車が走っていた。ホテルの反対側には道路があり、そこにはタクシーがたむろしているが、運転手は皆外国人目当てのぼったくりと分かっているので、近寄らない。最近は中国でもこの手のタクシーは減ったのだが、20年も前からあるホテルには未だにこの手合いがいる。

 

昼下がり、車は少ない。ましてやタクシーは少ない。時々通っても乗車しており、捕まえることはできなかった。ちょうど悪い時間帯なのだろう。別の場所に移動しても事態は変わらなかった。地下鉄も通っているが、駅まで遠いし、また芳村の駅から市場までもそこそこ遠いので、断念する。

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じゃあ、仕方ないから昼ごはんでも食べようということになり、いつもの陶陶居へ入り込む。午後2時でも混んでいるが、2階にちゃんとテーブルが1つ空いている。そこがIさん達の凄い所だ?プーアール茶を飲みながら点心を軽くつまむ。いい雰囲気だが、店員の愛想は相変わらずない。

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もう一度出直して道へ出ると、今度はタクシーが直ぐに捕まった。やはり時間帯だったようだ。タクシーは軽快に走り出したが、途中で渋滞に遭う。すると運転手が少し遠回りになるが、速い方で行こう、と言い、道を変えた。ところがこれがかなりの遠回り。後ろに乗っていたI夫人が『何でこんなに遠回りするの?』と言い出すが、運転手は知らんぷりして運転を続ける。

 

確かに大きく回り込んでいつもと逆方向から茶葉市場に入った。メーターを見ると通常の道より10元ほど高い。I夫人は憤然と『これしか払わない』と言って金を渡して降りてしまう。『彼は故意に遠回りしたのだから当然だ』と言うのだが、私には速さと料金の整合性は良く分からない。運転手も最初は怒ったようだが、I夫人の権幕に負けて去って行く。(I夫人は特別な存在感があるので良いが、普通の人がこれをやると喧嘩になり、最悪暴力行為に発展しかねないので、良い子は真似をしないように)

 

ここの茶葉市場は中国最大と言われるだけあり、非常に規模が大きい。茶城のビルもあり、その周辺には平屋の建物も沢山あり、道の反対側にも連なっている。正面に陸羽の像があり、茶葉市場の雰囲気を醸し出しているのが、如何にも中国的。

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まずはIさん行きつけのお茶屋へ入る。潮州の単叢屋さん、と看板にあるが、プーアール茶なども商っている。奥さんが潮州の出身で地元の単叢を商っているが、ここで単叢を飲んだことはない。今日もプーアール茶が出てきた。Iさんも持参した20年前の茶を出して応戦する。20年前のプーアール茶、本物はやはり価値があるようで、『もし沢山持っているなら全部買い取るよ』と言い出す。そんなの沢山あるわけないよ、というと、じゃあ自分で大事に飲んでね、となる。

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下関の沱茶屋さんもきれいになっている。下関には昨年11月に訪問したが、その売込みは凄いし、ニーズもそれなりにある、ということらしい。この市場では結構高い値段をつけて売っている物も見られる。実は他の店に卸しているようで、この本拠地は定価をつけ、他の店は各人が値段設定をしているように見える。

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茶器屋さんにも行く。さすが専門店だけあり、ものすごい数の茶道具が所狭しと並んでいる。その数だけでも圧倒され、私などは疲れてしまうのだが、I夫人は果敢に分け入り、良い物を探し当ててくる。これも長年の経験とセンス、ということで、私はお茶を飲みながらダラダラしている。お茶を淹れてくれたのがここの娘で大学生。専攻は英語、将来は外資系企業で働き、あわよくば海外での生活を夢見ている。お茶屋を継ぐ気はない、というのだが、どうだろうか。

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I夫人の茶器探して付いていくと、今年のトレンドがわかり、その中から日本人、特に女性が好みそうな品々が出てくるので面白い。一人用の茶濾しつき茶淹れと茶杯を買う。これはなかなかすぐれもので、海外旅行に持参してもいかと思う。お湯をかけると色が変わる置物もついでに購入し、バンコックのMさん向け土産とする。

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