《奇想天外マレーシアの旅》(10)キャメロンハイランド ボーティガーデン

ボーティガーデン

ようやくボーティガーデンに近づいた。茶畑の脇に小屋が並んでいた。そしてそのすぐ横にはヒンズー寺院があった。以前スリランカの茶畑に行った時も、同じ光景があった。そこではイギリス統治時代に南インドから連れて来られたタミル人が多く働いていた。タミル人はヒンズー教徒、それで寺院があった。ここもスリランカと同じ歴史があるのだろうか?

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ガーデンの建物ははるか上に見えた。結構きつい坂を上る必要がある。まさに茶畑の合間を歩いて上がる感じ。車で来ている人々もここは足で上がらなければならない。既に午後も遅く、観光客がおりてきている。

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実にモダンな建物が建っていた。11年前の記憶ではここには木の小屋があり、庭から茶畑を見ながらお茶が飲めたはずだったが、今はガラスで仕切られた屋内から眺めるようになっている。館内にはキャメロンハイランドとお茶の歴史が展示されている。ここにお茶が植えられたのは1920年代末のようだ。

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工場の方に回ってみたが、既に工場見学ツアーは終了しており、閑散としていた。ちょうどオジサンがいたので話し掛けてみると、彼が工場の責任者だった。工場は自由に見てよいというオジサンにいくつか質問。その結果、ボーティーはマレーシアの茶葉生産量の半分以上を1社で賄っていること、以前は輸出中心だった紅茶も今では国内向けとなっており、マレーシア全体が茶葉の輸入国となっていること、そしてワーカーはタミル人ではなく、ヒンズー教のネパール人とイスラム教のバングラディシュ人が中心であることを教えてくれた。なるほど。工場は至ってシンプルで、如何にも紅茶工場の造り。

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喫茶コーナーは明るい雰囲気で、マレー系の地元民が楽しそうにお茶を飲んでいた。これは11年前にはなかった光景。やはり紅茶が国内向けになったという話は本当だと思われた。ボーティーはかなり細かく茶葉を刻むが、それはそれで美味しいし、値段もそれほど高くはないので、良い。

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茶畑を見ながらお茶を飲む、避暑地の観光としてはインドのダージリンなどを思い出させる。国内所得の向上により、マレー人の観光客が増えており、彼らが紅茶需要を押し上げているのだ。

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4時半にはガーデン営業が終了。1時間ほどの滞在で、ホテルへ戻ることになる。ただ来た時はまだワクワク感もあったのだが、帰りは単に歩くだけで、結構つらい。おまけに雨も降りだした。こんな雨模様なのになぜか傘も忘れてきている。上り坂が余計きつくなる。こんなことなら最終のバスに乗っておくのだった、と後悔したが後の祭り。

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道ではかなりの車が私を追い抜いて行った。皆帰っていくのだ。すると1台の車が停まり、運転手が『乗って行かないか』という合図をした。助手席には女性が乗っていたが、早々に後部座席に移った。頭にベールを被るマレー系だった。感謝して乗り込む。

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彼らはKLから日帰りの旅に来ていた家族だった。『雨の中を一人で歩いていたので声を掛けた』といい、私が日本人だと名乗ると驚いた様子だった。外国人だから乗せたのではなく、困っていそうだから乗せた、ということが嬉しかった。そして彼らは私が想像していたような典型的な一家だった。ご主人は技術者で日本に研修に行ったこともあった。近年所得が向上し、生活に余裕が出来、国内旅行を楽しんでいた。紅茶もよく飲むという。

 

大きな通りまで出たので感謝して下りる。既に道は渋滞となっていた。日曜日の夕方、これから皆KLを目指して帰っていくのだろう。夜は何も食べずに早や目に就寝。

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