昼も過ぎていたのでどこかで食事をしたかったが適当なところが無く、老街の外へ出て探すと食堂があった。入っていくとちょうど昼営業が終わり片付け中だったが、食べさせてくれた。そこに残っていたおかずとスープ、ご飯で20元。何となく昔の国営食堂を思い出したが、国営はそんなに親切ではなかったが、ここの人は実に気さくだった。少し冷えた飯を掻き込む。それもまたよし。

車を呼んで宿へ戻る前に博物館へ行った。ここで上虞の歴史を学ぶ。上虞が古代から地理的に重要な場所であったことを理解する。最澄がここで灌頂を受けたことなども展示されており、また茶を持ち帰ったとも書かれている。また呉覚農についてもかなり詳しい展示があり、さすが地元、という感じだった。この博物館の周辺もまた、観光開発された場所のようだったが、かなり暑くなっていて歩くのもしんどく、取り敢えず曹娥廟だけちょっと見てすぐに退散した。



宿へ帰ると快適な部屋が待っているのは何とも有難い。おまけにNHKも見られたので久しぶりに大画面で相撲を堪能した。それから湯船に長く浸かり、旅の疲れを癒した。夕暮れ時には夕日がきれいに見え、もう外へ出る気が無くなった(外へ出ても食堂があるのか分からなかった)。少し長い旅にはこういう日があっても良い。


夕飯はルームサービスを頼んだ。本当はクラブサンドイッチが食べたかったのだがなかったので、パスタとサラダにしてみた。注文も全て微信で行い、配送時間も指定出来たので楽々だった。パスタは普通の味だったが、中国に入って長い間中国料理しか食べていなかったので、何となく新鮮で美味しく感じられた。夜も広過ぎるベッドで安らかに眠った。特に夢は見なかった。

5月18日(日)杭州の茶葉博物館へ
朝はホテルの朝食を優雅に頂いた。お客も少ないのでかなりゆったりと料理を選び、広々とした席でゆっくり食べたのは実によかった。ただこういう五つ星ホテルにはオーダーすると目玉焼きを焼いてくれるシェフがいるものだが、ここにはおらず、既に焼かれた卵が置かれていたのはちょっと残念だった。まあ食事代がバカ安だった(宿代に30元足しただけ)ので、十分満足した。


部屋に戻ってソファーに転がり、ゆっくりと時間まで時の流れを噛みしめた。宿を離れ、昨日の紹興東駅まで戻る。この駅はホームが2階建てになっており、かなり簡易な作りだと分かる。乗客も多くはない。そして僅か30分乗ると杭州東駅まで来てしまう。さっきの駅とは違って、ここは大きなターミナルステーションで、出口から出るとすぐに迷う。

何とか地下鉄乗り場を見付けて乗り込む。上虞の人が言っていた通り、杭州は人が多過ぎ、不動産も高過ぎなので、上虞に家を買う人が多いというのは何となく納得できる。6つ目の龍翔橋駅で下車すると、何故かコスプレした若者が大量にいて驚く。近所でコスプレ大会でもあるのだろうか。

少し雨が降っていたが駅から近い宿をとっていてよかった。今日の宿名は何とマルコポーロホテル。ロビーにもマルコの像が置かれており、ちょっと驚く。かなり古い宿だが、コンパクトで使い勝手は良さそうでバスタブもある。さっきまで居た宿とは比べられないが、料金は半額(朝食なし)だった。但し少し虫が出たので一泊で退散した。

