その飲茶屋はいい感じに建っていた。意外と奥行きがあり、老人を中心にした家族連れ客も多い。やはり週末の朝は家族・親族で飲茶か。何となく昔の香港を思い出す。何とか席を確保して周囲を見ていると、老板娘がやってきた。彼女は一瞬広東語を話したが、すぐに英語に切り替え、こちらが華語を使えると分かると、華語になった。店のオーナーは広東系だが、彼女の一家は福建省安渓の出だという。


私が安渓には何度も行ったというと喜んでくれ、珍しいお茶も出してくれた。「ここは基本的に広東語の世界なので、私もずっとアウエー状態で生きている」と小声で話したのは印象に残った。点心はかなり美味しく作られており、お茶ともマッチしていた。とてもいい朝食を食べることが出来て感謝。


それからチェックアウトギリギリまで宿の部屋で休む。この宿、眺めがよいし、フロントが最上階にあって、そのスペースも何となくスタイリッシュ。宿から駅までは歩いて10分程度だが、途中に歴史的建造物あり、モスクありで、なかなか楽しめる。到着した駅舎がまた歴史的なので、言うことはない。


列車は10数分遅れたが、無事到着。40分ちょっとでタイピン駅へ滑り込んだ。ここも今年1月に来ているので慣れている。と思ったら、何とチケットカウンターが開いていない。係員に聞いてみると何と「この駅では今は自販機でしか切符は売っていない」というではないか。え、1月は買えたのに、イポー駅でも問題なく買えると言っていたのに。実はタイピンへのチケットは郭さんがネットで予約してくれたので、難なく乗れたのだと初めて知る。

ここでまた私のクレカ問題が再発した。JCBカードは持っていたが使えない。銀聯カードも使えない。どうするのかと思っていると、その背の高い係員が、マレー人のお客さんに声を掛け始めた。何人か目で応じる人がいて、その人のクレカで国境までの切符を買ってもらい、現金を渡して購入が完了した。係員に感謝すると「今日も朝から数人、あなたのようなお客がいて、自分のカードも残高不足だったので」と笑っていた。さすがマレーシア。

予約した宿は、歩いて10分ほど。前回の記憶が鮮明で、問題なく辿り着く。この宿の設備は古びており、昨日とはかなり違っている。ただフロントはとても親切で心地よい。部屋でサッカー天皇杯決勝を観戦する。それが終わって、さてご飯を食べようと思ったら、雨が降り出していた。

でも腹は減っている。少し小降りになったところを見計らって傘を持って走り出す。目指すは前回行ったフードコート、食べたいのは海南鶏飯。だが、時刻は午後3時。いくつかの店は既に閉店していた。海南鶏飯はお預けとなり、代わりにモヤシ鶏飯を食べる。これはこれで美味い。更にフードコート内をウロウロしていると、乾撈麺という文字に反応してしまう。しかしこれは美味かった。焼きそばとスープが絶妙だ。一気に2食を食べて腹が完全に膨らんだ。



また雨が強くなり、ボーっと雨宿りした。ここで働いている人々も手持無沙汰で座り込んでいる。意を決して傘をさして宿へ戻った。そしてまた配信で卓球を見ていた。夕方雨も上がり、また外へ出た。でももう満杯で食べることは出来ない。湖の周囲を少し歩いて腹ごなしを計ったが、無駄だった。本当にこの街は目的無く散歩するに適している。

11月24日(日)タイピンを満喫
朝起きるとすぐにフードコートに向かった。今朝は海南鶏飯の屋台が開いている。これは美味い。そして何より安い。1月より1リンギ値上がりしていたが、それでも僅か5.5リンギ。信じられない値段だ。これを朝食べると一日がハッピーになりそうだ。それから天気の良い中、街をフラフラ歩いた。

