10月11日(金)カントーへ
朝は早く起きた。よく眠れたのはなぜだろうか。1階へ降りていくと、既に出張者のおじさんたちは朝食を食べ終わっており、一人で立派な鯖塩焼き定食を頂く。この食事だけでも何千円かしそうだが、宿代は朝食付きで6500円程度。もし事前に予約していたら、もっと安いらしい。これなら次回からハノイに来る時はここに泊まろう。歳を取ると誰しも、こういうサービスが有難いということだ。
朝の散歩を終えて、Grabで車を呼んで空港に向かった。ハノイから国内線に乗るのは久しぶり。国際線の建物とは少し離れていることを思い出す。今回は預け荷物もないので、スマホをかざしてサクサク入場。荷物検査は厳しいが、時間はかからない。結構時間が余っていたが、何とフライトはディレーした。何もすることが無く、ただ待つのみ。
ベトナム航空の機内は悪くない。乗客はかなり乗っている。機内食もちゃんと出る。2時間はあっと言う間に過ぎて、ふと気が付くと着陸した。カントー、初めて来る場所だ。空港はキレイだが、人はあまりいない。ATMでお金を下ろしてみると、ちゃんとベトナムドンが出てきた。Grabで車を呼べば、すぐにやってきた。快適だ。
空港前の道はかなり広い。カントー市内にほど近く、ベトナムの地方都市が現れる。予約した宿まで15分ぐらいで到着した。ここはカントー在住のIさんが勧めてくれたホテルで、雰囲気が良く、スタッフも親切だ。予約は1泊しかしていなかったが、すぐに2泊追加を願い出た。
ところがこのホテル、全ての部屋のデザインが異なり、部屋ごとに予約を受けている。私の部屋は明日から予約が入っており、使えないという。ふと見ると向かいの部屋がとても良さそうだった。今晩は塞がっているが、明日から2泊はOKとのことで、無事に問題は解決した。いや、宿で一番良い部屋をゲットした。バルコニーもあるし、おしゃれな空間は心地よい。
夕飯は宿のスタッフに聞いた地元料理、ニエムムオンを頂く。店に入ると言葉は通じないが、おばさんが親切に対応してくれて嬉しい。食べ方も教えてくれたが、ソーセージと野菜などをライスペーパーで巻いて食べるらしい。これはなかなかイケる。揚げ春巻きも旨いよ、というので頼んでみる。何だかほんわかした夕食となる。気が付けば店はお客で溢れていた。
食後散歩していると陽はとっぷりと落ちた。教えられた道を入ると、そこは華人街ともいえる食堂街で、ここに来ればくいっぱぐれないという何とも安心感がある。私は既にこの街が気に入っているという自覚がある。更に行くと池があり、その周辺の建物が何ともきれいに池面に映っている。
10月12日(土)カントー散歩
ゆっくりと目覚めた。朝ご飯はないので、フラフラ外へ出た。すぐに道端に人々が座ってコーヒーを飲んでおしゃべりしている場所に出くわす。覗くとバインミーがあるので注文して待つ。『チャー』と叫ぶとどこからかおばさんがやってきて熱いお茶と氷の入ったビールジョッキを持ってきてくれる。こういう雰囲気がたまらなく好きだ。
そこからカントー博物館を目指した。ベトナムの他の博物館同様、植民地時代の解放運動の戦士などが沢山顕彰されている。カントーには華人が多いと聞いているので、その辺の歴史が学べるかと期待していたが、残念ながらそれほど深くは取り上げられていなかった。華人の歴史は歴史ではなく、現在進行形なのだろうか。