《奇想天外マレーシアの旅》(6)マラッカ 集団スリに遭う

10月5日(土)

SIMカード

河沿いホテルの夜景は素晴らしく、ぐっすりと眠れた。マラッカでもうすることはない。朝から散歩に出る。ポルトガル遺構付近では子供たちの踊りが披露されていた。何となく雰囲気がマッチしていてよい。

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今回携帯はタイのSIMをそのまま使っていたが、何とローミング代が高過ぎて、1000バーツ以上使ってしまい、残高不足に陥る。仕方なく、マレーシアのSIMを探しに行く。だが意外とショップはない。コンビニを覗くと、そこで出来そうだった。一応パスポートの提示を求められ、SIMカードが買えた。店員はマレー人で言葉は通じなかったが、携帯に言葉はいらない。セットアップもしてくれて助かった。

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ホテルに戻りチェックアウト。これからキャメロンハイランドへ向かう。取り敢えず下の街、イポーを目指すため、昨日着いた郊外のバスターミナルへ。ホテルオーナーからは近いバス停を紹介されていたが、折角なので、観光スポットの時計台から乗ることに。そこへ着くとちょうどバスが来て慌てて乗り込む。

 

集団スリ

バスはそれほど混んではいなかったが、私の窓際の横には足の悪いオジサンが座る。通路には3-4人のマレー人らしき人々が立っていた。すると後ろの席の男性がくしゃみをして、私のTシャツに何か付いた。彼は『ソーリー、ソーリー』と言いながら、ハンカチで私の背中を拭き始める。私はTシャツだからいいよ、と言いながらほんの数秒振り向いた。

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ちょうどバスがカーブして2人の男性が寄りかかったように思えた。前に振り向くと、2人が私のカバンに手を付いていたが、すぐに元に戻った。ちょっと嫌な感じがした。すると後ろの男性が再度背中を拭き始めた。これはおかしいと感じ、振り向くのをやめた。更には念のためポケットのカメラを取り出し、首から下げてみた。

 

横に立っていたオジサンが『お前の背中はまだ汚れているぞ』という仕草をしたので、決定的におかしいと思い、前を向いたままバックを固めた。その時バスが停まり、一人が下りた。その後隣のおじさんが話し掛けてきたがほぼ無視した。次のバス停で数人が降りた。あの数秒で私のバッグを開けたとは思えない。念のため手でパスポートなどを探ってみたが、特に問題はなかった。ちょっと気にし過ぎたかと反省。

 

それから小1時間、マラッカ市内を遊覧したバスは、ターミナルへ着いた。イポー行バスはまだ来ていなかった。念のため、トイレに入り、荷物を全て点検して驚いた。パスポートの入ったポーチは2段になっていたが、その上の方は見事に現金が抜かれていた。あんな短い間に出るのか、驚愕。

 

完全なプロによる集団スリに遭ってしまった。2年半の旅で1度も危険な目に合ったことがなかった私は狼狽えてしまった。彼らはパスポートなど足が着くものには手をつけなかった。幸いにも米ドルやバーツなどは下の段で取られず、上の段に入っていた人民元だけが抜かれていた。

 

そのある中国系にこの話をした。私は日本人に見えないことが災難に合わない理由だと思っていたが、彼は『お前は中国人に見える。今や現金を持っているのは中国人だぞ。だから狙われたんだ』と。人民元だけが抜かれたというのはその後笑い話となる。『盗人も値上がりする通貨を選んで盗む時代』だと。

 

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