香港・深圳茶旅2023(2)伝統的潮州料理を求めて

宿はハーバー沿いにあり、広い部屋はフルハーバービューという贅沢だった。ただ泊まっている多くが中国人で、ロビーはかなり煩い。まあ今日は到着しただけで儲けもの。だが解決すべきはシムカード、そして電源アダプター(香港の電源が台湾や日本と違うことを忘れていた)。フロントに聞くと『アダプターの貸し出しはありません。イオンに行って買ってください』というではないか。これも中国人観光客対策だろう。でも五つ星ホテルでこのサービスはないだろう。

船の形のイオンの店舗、昔はヤオハン・ジャスコだっただろうか。妙に懐かしい。だがアダプターは見付からない。仕方なくシムを求めて彷徨うことにする。セブンイレブンにあるかもと聞いてみると『あっちに行けばあるよ』とぶっきらぼうに教えてくれる。この辺は中国人観客だらけで、私もその扱いだ。いや、香港は昔からぶっきらぼうだった。

更に歩いて行くと、スマホ修理店を発見。そこで英語で聞いてみるとおじさんが香港シムの登録までしてくれ、難なく開通した。ついでにアダプターもゲット。昔から香港で頼れるのは、街の小店だなと改めて痛感し、同時に嬉しさがこみ上げてくる。スマホで検索できると急に行動できるようになる。

ホンハム市場の前からバスに乗る。今晩は九龍城へ向かう。旧知のYさん、そしてOさんと食事の予定がある。バスはそんなにかからずに九龍城に着き、少し時間があったので、その辺を歩いてみる。4年の間にタイ料理屋がすごく増えたような気がする。この付近は潮州人が多いと聞いているが、バンコクも潮州人が多い街。そんな繋がりからタイ料理が出来ているのだろうか。

我々は伝統的な潮州料理屋で食事をした。それは私がリクエストしたからだ。台湾には伝統的な潮州料理が無いと言われて、では香港で、となった。だが香港でも昔は沢山あった安い潮州料理は姿を消しており、麺屋などが残るだけ。今回は食前に工夫茶が出て来る店を、といったので、九龍城まで来ることになったわけだ。今や工夫茶が出て来るのはそれなりの店だけらしい。

確かにこの店は伝統的で入り口に食材が並び、客がそれを選んで注文する。工夫茶も言わなくてもちゃんと出て来る。料理もなんか懐かしい感じがする。ただ料金だけは昔の数倍になっていた。まあ、香港話や歴史話などで楽しく盛り上がったので、それで良しとしよう。今の香港に昔を求めるのは無理というものだ。

帰りにYさんに地下鉄駅まで送ってもらった。いつの間にか九龍城近くに駅が出来ていたのだ。やはり香港も進んでいる。駅は勿論きれいで、乗客も結構乗っている。距離は近いが一度乗り換えて到着。折角なので、宿の周囲のハーバー、夜景を撮る。部屋からでも十分に見えるのだが、やはり風が心地よい。

5月6日(土)混乱は続く

朝早く目覚めた。カーテンを開けるとハーバーが靄っていた。7時には朝食に行き、かなり食べた。その後ハーバー通りを散歩する。朝は暑くないので、ランニングする人たちもいる。風が何とも気持ちよい。フェリー乗り場の方へ行くと、幼い男の子が進み出た。ああ、懐かしい、土曜日のドネーションだった。思わずコインを入れてシールを張られた。こんなことは昔よくあったが、今もあるんだ、と妙に感傷的になる。

宿では本日結婚披露宴があるらしく、ロビーは朝から慌ただしい。外へ出ると結婚用に飾られた高級車が停まっており、若者たちが楽しそうに写真を撮っている。私はそのまま外出して、用事を済ませようとしたが、何とまさかのインコンプリートとなってしまった。土曜日でお客が多かったのかもしれないが、解決の見込みがないことが分かるまで、1時間半も要してしまった。スピードが信条の香港の姿はやはり過去のものと言わざるを得ないだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です