《雲南お茶散歩 2006》景洪、昆明(4)

5.景洪
(1) 景洪の夜3
ホテルまで送って貰い、黄さん達と別れた。最後まで若い女性の正体は分からなかった?黄さんには感謝してもし尽くせない。今後何か機会があればまた会いたいと思う。これも茶縁である。部屋で休息した後、昨日同様ネットカフェに行く。今日も満員である。再度中国の将来について考える。

 

それから歩いて北に向かう。最初の夜にミニバスで空港から市内に入った時、若い女性達が降りた『曼听路』に行って見る。タイレストランが多いと聞いたが、確かにいくつかレストランがあった。道の両側、2階建ての2階には如何にも西洋人が好みそうなアジア趣味である。どうも私には合わない。

横道に入るとそこには19年前の雰囲気の村があった。そう、ここが私の知っている景洪である。それでも建物は立派になっている。人々の着ている物も良くなっている。カメラを向けると皆あまりいい顔をしない。19年前の村はもうどこにもない。

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更に北に歩いて行く。目的地はズバリ19年前に留学生として泊った版納賓館。勿論場所の記憶は全くない。この賓館は当時最も良いホテルであったはずだ。庭がとても広くて、部屋はコテージ風になっていたはずだ。(しかし泊った部屋の窓ガラスは一部欠けていた。)

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そんなことを考えながら、夕暮れの道を歩いて行くと突然版納賓館の門が見える。確かに版納賓館の名前がある。門を潜ると木々は生い茂る庭は健在であった。有ったと思った瞬間、門番に呼び止められる。聞くと驚くべきことにホテルの建物は1-2週間前に全て取り壊した後だった。何と言うことだ。残念。19年ぶりの再会がたった1-2週間遅れた為に叶わなかった。日頃思い出すこともなく、今回もまさか来るとは思っていなかったこの地であったが、無性に残念であった。尚この場所には景洪初の五つ星ホテルが建設されると言う。地元とすればその方が良いのだろう。

辺りは暗くなってしまった。ホテルに戻る。ホテルの裏、ネットカフェの並びに四川料理の店があるのを思い出す。何故か四川が食べたくなる。夜も8時を過ぎるとお客も少ない。路上に出したテーブル席に着く。回鍋肉とご飯を頼む。漬物が出て来た。大根に梅を漬けた物だと思われる。これを食べながら回鍋肉を食べる。驚いたことに思い出したことがある。大学生の時にバイトで家庭教師をやっていた。仕事の前に田端の中華料理屋で夕飯を良く食べていた。その店で出してくれていた梅干と回鍋肉、この味と全く同じだったのである。何でこんな所に来てこんな事を思い出すのであろうか??

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ホテルに戻って脚マッサージに行く。久しぶりだ。しかし健康センターと書かれた建物に入ったが、誰もいない。ようやくマネージャーが出てきたので聞くと1時間68元だという。どう見ても高いが面倒なので座る。

暫くすると30台と思われる女性がやってきて足を揉み始める。聞けば黒龍江省牡丹江の出身だという。何でこんな遠くまで来てしまったのだろうか?知り合いが来ていたので、その誘いに乗ったが、流石に遠すぎて後悔している様子。何しろ帰省するのに費用が掛り過ぎ、稼いでも何もならないという。この旧正月は帰省できずに近場のシンセンに遊びに行ったが結局散財してしまい、状況は更に悪くなったという。一体どうなっているんだ??

部屋に戻ってテレビを見る。トリノオリンピックのスピードスケート女子500mを生中継していた。中国選手が活躍していた。30歳台になった王選手には力が入った。日本の30歳台岡崎朋美は非常に安定していたが、安定しているだけではメダルには届かない。前日加藤も負けていた。日本はどうなるのだろうか??寝たのは午前2時になっていた。

2月15日(水)
(2)景洪観光(午前)
景洪3日目。今日の夜昆明に戻るまで時間があるので、市内を散策する。先ずはホテル脇の宝石店。この辺りにはミャンマーヒスイなどを売る店が多い。その一つに入ると店に居たのはミャンマー人。片言の北京語を使っている。ミャンマー好きのこちらは色々とお話がしたくて話しかけるが、先方は商売で来ている。つれない返事を繰り返し、何とか宝石を買わせようとする。何となくつまらない。

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前の皇冠酒店の所に看板が出ている。『孟海茶廠の茶館』。ホテルの庭に茶館があるようだが、朝はやっていない。庭には南国風の木々の中、あずまやが作られており、オープンスペースでお茶が楽しめる。こんな場所で茶会でも開けばいいだろうなあ、爽やかな風が吹き抜ける中、熱いプーアール茶はどんな味がするのだろうか??そこに座って少し休む。孟海茶廠は現在雲南省最大の生産量を誇っているブランドである。昨日孟海を訪れた際に行って見たかったが、行っても入れてもらえないと聞いていたので、断念していた。

 

地図を見ると市内北側に白象湖と言う優美な名前の湖がある。ちょっと興味があったので散歩がてら行く。狭い町なので歩くと直ぐに着いてしまう。しかしその湖は名前とはイメージが違う。恐らく縦長の形が象の鼻に似ているあたりから名前が付いたような気がするが、何だか釣堀のような雰囲気。もう一つあった孔雀湖も孔雀が羽を広げた姿を名付けたようだが、しっくり来ない。

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市内北西には熱帯植物園があった。周りには立派な大木があり、レストランの建物の2階のオープンスペースをちょっと囲って南国風に簾を下ろしたりして風情がある。しかし入り口まで来ると観光客がバスで乗り付けてきており、入るのを止めた。植物園は易武の帰りに十分見たので。

今度は東へ。瀾滄江に架かる大橋の形が良かったので行って見た。西双版納大橋と言う名前である。数年前に造られたこの橋の上はハープのような形をしたモニュメントが付いている。橋の上から川を見るとなかなか広い。川辺で遊ぶ観光客も見られる。中国人の中には海を見たことが無いとか、大河に接したことがない人々は結構いる。

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橋の向こうには畑が広がっているのでそこでのんびりしようと思った。しかし車で通った昨日は直ぐだった畑は歩くとかなりの距離がある。風も非常に強くなってきたので引き上げる。

ホテルに戻ると横に洒落た喫茶店がある。暇なので入って見る。建物の手前にパラソルがある。テーブルも出ており、外でお茶が飲める。座ってメニューを貰う。ボーイも制服を着込んでめかしている。テーブルの上にお勧めが出ている。10元という字が見える。これは何かと聞くと、ランチのビュッフェが10元だというではないか??コーヒー1杯10元でも安いと思うのに、何と中華料理8品からおかずを選び、スープとご飯、デザート、ワイン1杯まで付く。信じられずにこれを食べてみることに。

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味もまずまず良く、これでどうやって採算が合うのか??どうしても分からない。しかも雰囲気はこの辺りとしては最高によい。昨日の夜の回鍋肉とご飯が10元であったことを考えると何とも不思議。兎に角中国の田舎に暮らすととんでもない価格に時々出会う。嬉しい悲鳴である。

(3)景洪観光(午後)
ホテルは半日延長してある。半額を取られる。交渉したが結構厳しい。と言っても85元である。いつもの感覚なら大した金額ではないが、10元のビュッフェを食べた後では何でも高く感じる。折角部屋を確保したのだからと寝る。外は大分暑くなっている。

しかし貧乏性なのか、1時間も寝ると起き上がってしまい、結局暑い中を外へ出る。今度は南側へ。タイ園飯店という景洪で一番良いホテルがあると言う。どんな所であろうか?午後の景洪は暑い。日差しを避けながら何とかたどり着く。ホテルの脇に池がある。池の畔に茶館がある。池に面した小屋風の場所でお茶が楽しめる。ここはホテルとは別で入り口は離れていたので外から眺めた。本当はそこでお茶を飲みたかったのだが、かなり疲れていた。

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ホテル自体はそこそこ立派。部屋代は500元を超えているらしい。そこまで払うなら金版納の170元の方がコストパフォーマンスは良い。きっと新婚旅行などで使われるのだろう。プールもテニスコートも完備していたが、誰一人使っていなかった。

午後4時過ぎでもまだまだ日は高い。ここは北京時間とは相当離れている。飛行機は5時40分。そろそろここを去る時間となった。何となく寂しい。何があったわけでもないが、まだ遣り残したことがある気がする??フロントでタクシーの料金を聞くと5元だという。何と安い??

 

タクシーを捕まえてもらい空港へ。日が少し西に傾く。畑が長閑。あっと言う間に到着してしまう。5元を払おうとすると『とんでもない』と言う顔をする。外に警備員がいたのを見て『あいつ等に聞いてみろ。20元というはずだ。』と言うので聞きいく。聞くと『運転手はいくらと言っているのか?』と逆に聞かれる。『15-20元ぐらい』とさばを読むと『そんなところだ』との答。運転手に『15元らしい』と報告すると『そうか』と言って呆気なく受け取る。田舎は長閑と言うか、何と言うか??

罰が当たったのか?チェックインした後に出発のディレイが伝えられる。ターミナルの外に座れる場所があるので、そこに座って日光浴をする。周りでは団体さんがトランプに励んでいる。本当は畑の真ん中で寝転びたいが(突然飛び立たれては怖い)。少数民族の女性達がお土産用にフルーツなど売っている。

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何故か今度の航空会社は上海航空。雲南の外れで上海航空に乗るのも不思議な気分だが、人気観光地なので当然あり得る。40分遅れて搭乗すると乗務員は美人が多いし、サービスも丁寧で良い。19年前は上海人(漢民族)の愛想の無さとタイ族の笑顔を比べて、ここを桃源郷としていたが、今は上海が理想郷なのかもしれない??

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