ふらっと四国茶旅歴史旅2022(1)海軍の町 呉で

《ふらっと四国茶旅歴史旅2022》 2022年7月4₋15日

昨年愛媛を訪れるつもりだったが、肩痛が悪化して延期してしまったので、今年こそはと満を持して旅を計画した。日本の後発酵茶の歴史を探る旅、7年前に一度四国三県を回っているものの、あの時とは状況がだいぶん異なる。バタバタ茶も追って行かなければならない。

ついでにお知り合いのKさんが経営する広島呉の民宿にも泊まることにしていた。ところが1週間前、『隣の家の解体工事の影響で、壁に穴が開いていることが発覚』という連絡を受け、宿泊を断念する。更には突然の台風も接近しており、かなり先が思いやられる旅となってしまった。

7月4日(月)呉で

広島空港に到着した。先月山口宇部空港を使ったばかりで恐縮だが、今回は呉に泊まるつもりでフライトを予約してしまった。ところが泊まれなくなり、さりとて翌日は愛媛、ここはどうしても呉からフェリーで松山へ渡りたい。そこで広島空港から呉に行き、そこで1泊する選択となる。以前この空港を使い、尾道へ行ったことがあるが、バスが便利な印象があった。ところが今回の呉行は1時間待ち。乗客も少ない。因みに尾道行は運休になっている。これもコロナの影響か。

呉まで高速バスで約50分。どちらに向かっているのか、方向が良く分からない。呉駅前で下車すると、宿(港)は駅の反対側、歩道橋で繋がっている。途中に観光案内所があり、聞いてみると、お勧めは大和、海自、入船山の海軍オンパレード。更に食事は海軍カレーです、という。さすが軍港、呉だ。

宿に着くとフロントに人はいるのだが、チェックインは機械に自分で打ち込んでやってくれという。入力がとても面倒で嫌いだ。手書きに変更してもらったが、係員は嫌な顔をした。恐らく彼女が入力しなければならないからだろう。それなら疲れてやってきた入り口で立たせて打たせるのではなく、事前に家で入力させるシステムを導入すべきだと思うのだが。

腹が減ったので、大和ミュージアムの横、ビルの2階で潜水艦カレーを食す。がんすトッピング、1250円。鉄板カレーという名物は売り切れていた。カレー自体口当たりは甘いがどんどん辛くなるという(だから潜水艦)とても不思議な味だった。ここにいるのは団体さんか、オタク系の人々。戦艦やらの展示、ちょっと場違い感あり。

そこから見学開始。まずは海上自衛隊呉資料館(てつのくじら館)へ。入場無料は旭川の北鎮記念館と同じだ。機雷の掃海や潜水艦の展示が中心。横に設置されている潜水艦『あきしお』の船内を見学することもできる。潜水艦についてはこれまで考えたこともなかったので、ちょっと参考になる。こんな狭い空間で長く生活するのは、閉所恐怖症の私にはとてもできないと分かる。

大き過ぎて写真を撮るには難しい大和ミュージアム。その横には小さな『しんかい』があって微笑ましい。館内には戦艦大和の1/10模型がデーンと置かれており、また回天乗務員の遺書(肉声)を聞くことが出来て驚く。呉市の歴史についてもかなり詳しい展示がある。赤松則良が造船所建設を説くなど、見るべきものがある。軍港、造船の町として呉を学ぶ。

小雨の中を呉市美術館まで歩く。その庭園内に東郷平八郎大佐が鎮守府参謀長として呉に赴任した時に住んだ離れが移築されている。そしてその先が入船山記念館。海軍工廠塔時計に出迎えられ、高嶌大砲火薬庫と郷土館で呉の歴史を見る。更に正面には1905年建造の呉鎮守府司令長官官舎がある。加藤友三郎、鈴木貫太郎、野村吉太郎などがここに住んだ。いい感じの洋館で後ろには和室がある。歴史民俗資料館では船員が見た航海日常が展示されており、お茶がかなり消費されていた。やはり海上でお茶は脚気などに良いのだろうか。

雨も上がったので、そこから30分ぐらい歩いて、旧澤原家住宅へ行ってみる。坂を上ると旧家の趣がある家が登場する。この家の向こうに『この世界の片隅で』という映画(私は見ていない)で有名になった三つ蔵があった。かなりユニークな形状で、歴史的にも価値があると思われる。

夕方になり駅前食堂へ入ってみた。自分でおかずを取る方式で、卵焼きとイカ煮込み(チンをお願いする)、それにご飯といい味を出している熱い味噌汁で730円。昭和感ありあり。腹ごなしの散歩は、呉港の夕暮れ。明日台風が来るとは思えない夕日と夕凪に魅了されてしばし留まる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です