青春18きっぷで行く京都・福井・金沢・長岡2021(1)東京から京都へ

《青春18きっぷで行く京都・福井・金沢・長岡2021》  2021年12月13-19日

青春18きっぷ、という言葉には若い頃から憧れていたが、実は学生時分はそれほど旅が好きでもなく、この切符で旅に出ようと思うことはなかった。そして還暦を過ぎた、コロナ禍で海外へ出られない今こそ、ラストチャンスと思い?各駅停車の旅を楽しむことにしてみた。

12月13日(月)京都へ

これまで静岡辺りまで新幹線を使わずに在来線で行くことはよくあった。だが基本的には小田急線で小田原まで行って、そこからJRというのが、料金も安く、時間的にも早い。今回はほぼ始発で京都まで行ってみようと試みる。まずは新宿へ行き、ついに18きっぷを提示した。だが、湘南新宿ラインで行けるところまで行こうと思っていた目論見は見事に外れた。新宿からの始発は6時40分、仕方なく品川に回り、東海道線に飛び乗る。

幼い頃、辻堂に住んでいたこともあり、横浜、大船などを走ると、その頃のことをたくさん思い出した。昔の東海道線は混んでおり、小さな体は押しつぶされそうだった。亡くなった伯父さんに連れられて、江ノ島の花火の夜、東京へ行ったことなど、なぜか今でも覚えている。

このまま小田原まで行こうかと思っていると、電車は国府津駅に入る。すると向いに御殿場線が停まっていたので、いきなりそちらに乗り換えた。いつもなら時間と料金から、こんな選択はしないのだが、今回料金は気にならない(時間的には20分ほど長い)ので思い切る。これが青春だろうか。

御殿場線、途中で小田急線とクロスする。学生など乗客は意外と多い。山北など、神奈川の茶産地も通り過ぎていく。御殿場が近づくと、富士山がどんどん大きくなり驚く。沼津に近づくにつれて、乗客がまた増えてくる。毎日乗っている人が多いのか、乗り込んですぐに日よけを下ろしたりする。沼津まで1時間10分ほどの旅だった。

沼津から豊橋行の電車に乗り込む。乗り換えなしで3時間進めるのは、荷物を持つ者としては有難い。この路線は時々利用しているので、駅名にも風景にも馴染みがあり、何となく落ち着く。車内に盲導犬が乗っており、実に大人しくお座りしている。静岡、掛川と過ぎていくと、何となく腹が減る。

浜松で降りてしまった。前回浜松に来た時、うなぎを食べたが餃子は食べなかったので、ランチは浜松にしようと思ったのだ。駅に餃子屋があることも分かっており、途中下車しても料金は変わらないのは気楽だった。ところが餃子屋は閉まっていた。何と11時開店、あと5分だとわかり、並ぶ。チャーハンと餃子10個セットを掻き込み、また電車へ戻る。餃子の味は覚えていない。

天気が良いので浜名湖がきれいに見える。新所原駅では天竜浜名湖線の小さな駅が見える。ここから森町まで一両列車に乗ったのも良い思い出だ。終点豊橋で乗り換えるのだが、大垣行へのこの乗り換え時間が異常に短い。乗客も分かっており、皆ダッシュする。息が上がる中、座席にへたり込む。名古屋は素通りして1時間半ほど乗ると大垣まで来る。

昔の18きっぷは東京駅から出る大垣行夜行電車に揺られていったのだろうか。いや、それだと効率が悪かったのだろうか。今やそんなことも分からなくなっている。大垣から米原まで行き、また乗り換えて京都まで2時間。意外に早く着いてしまった感あり。

京都駅からバスに乗り、割引券のある宿に投宿。このチェーンホテル、気に入って使っていたのだが、何だかフロントのサービスがかなり怪しい。とっても腹が減ったので、紹介されていた食堂を目指す。近いと思っていたら、実はかなり遠い場所にあり、歩いて1時間の散歩となってしまった。まあ、一日中電車に乗っていたのだから、歩いた方が体にはよい。

ここでジャンボチキンカツを食べて腹がはち切れんばかりとなる。暗くなっていたが、当然帰りも歩きと思っていると、なぜかポツリと雨が落ちてくる。近くの嵐電の駅まで行って電車で帰る。しかし嵐電の駅は、これが駅なのかと思うほど分かり難く、暗い夜道では探すのが難しい。四条大宮からまたとぼとぼ歩く。宿へ帰って大浴場で疲れを癒す。在来線の旅は良いが、やはり寝床だけはバックパッカー宿とはいかなそうだ。

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