熊本佐賀福岡茶旅2021(5)糸島へ

伊万里駅前にも太一郎の銅像があった。この像は私も数年前に見た、肥前さが幕末維新博事業で製作されたものが、ここに寄贈されたらしい。佐賀というところは歴史的に実に面白いところであるが、それほど知られていなのは残念だ。今回の大河ドラマでは大隈重信も活躍するだろうから、もっと広く知られてほしい。

森永太一郎の碑がある苑にも行った。森永公園という場所もあった。こうして回ってみると伊万里は森永一色?のようだ。それは太一郎がつらい過去を持ちながらも故郷のために様々な行動をとったからかもしれない。それはキリスト教的精神だったのだろうか。

最後に唐津に向かい、和菓子屋さんに行った。ここはOさんの紅茶などを使っているお店で、お茶とお菓子を頂いた。今やお茶とお菓子のペアリングは普通に言われているが、太一郎は洋菓子を作りながら、それに合うドリンクにも心を砕いていたはずだ。そして森永紅茶は生まれた、と勝手に考えている。

東唐津という駅まで送ってもらい、Oさんと別れ、一人周船寺という駅を目指す。先ず筑前前原まで行き、そこで乗り換え、ダラダラと進む。このルートは昨年唐津から博多へ出た時に既に通っている。約1時間で周船寺に着く。先日熊本で出会ったSさんが迎えてくれた。

まずは元々訪ねる予定だった宮崎安貞の家と墓に行ってみる。駅から歩くと20分ぐらいかかる場所だったが、車で連れて行ってもらい助かる。江戸の三大農学者といわれる宮崎安貞が後半生を過ごし、『農業全書』を著わした場所である。お墓の場所は森の中にあり、何とも森厳な雰囲気が出ている。

そこからほど近い場所にある平原弥生古墳に行く。ここは魏志倭人伝より約100年早い時代の古墳だ。日本で発見された最大の鏡も出土しており、天皇家の故郷だと唱える人もいるという。魏志倭人伝でいう伊都国は糸島ということか。古代史ファンには興味深い場所だろう。

更にSさんの家の方へ行くと、怡土城跡がある。奈良時代の山城と言われており、あの吉備真備も造営に関わり、中国・朝鮮への防衛のために築かれたらしいが、詳細は分かっていない。今は私有地ということで一般の立ち入りはできないが、Sさんの案内で、中へ入っていく。

私がここに来たのは、その奈良時代、ここに茶が植えられたとの話があったからだ。薬として入れられたものかもしれないが、あってもおかしくはない。静かな森林、神社などがあり、荘厳な雰囲気が漂う。古代を考えるにはふさわしい場所だった。そして知られていない遺跡から、新たな発見があるような気がしてならい。今回の旅では、博多以前、大陸から渡る船はまずここに入り、この地が中心だったことを想起させる内容だった。

Sさんの好意で、姪浜まで車で送ってもらった。糸島は博多からも近い場所だと実感する。そこから電車で中洲川端まで乗り、本日の宿に入る。ちょうど午後8時、殆どの店が閉店となり、夕飯を食べる場所を失った。仕方なく、チェーン店のテイクアウトで凌ぐ。コロナ恐るべし。

6月5日(土)福岡で治療

翌朝宿の朝ご飯を食べた。かなり本格的な和風ビュッフェで感激した。思わずマネージャーに聞いてみると、福岡でも人気のお店がここに出店しており、朝ご飯を提供しているというから、ちょっと驚く。ステイホームの時代、間違いなくこのような宿が支持されていくだろう。

それにしても昨日から寝る時の首の痛みが半端ない。これはダメだと思い、今日会う予定だったYさんに連絡しておいた。彼は現在マッサージを生業としており、昨年一度施術を受けていた。宿からバス一本で行けそうだったが、コロナで時刻表がずれていて、いつ来るか分からない。歩いて行ったら道に迷った。首痛による集中力の欠如だろうか。

かなり入念に施術してもらい、何となくすっきりした。ちょうど昼時になったのでY夫人とランチに出掛けた。近くのとんかつ屋?でちゃんぽん?を食べた。お店は大繁盛で、外に待っている人達がいた。ここのちゃんぽんが美味しいと評判になったそうで、多くの人の注文がちゃんぽんだった。

その後コーヒーショップでお茶を飲みながら、ケーキも食べてしまった。とりとめもない話をして、時間がどんどん過ぎてしまった。コロナ禍とは思えないほど、お客さんがいたのには驚いた。ウイズコロナの時代に入ったのだろう。とにかく楽しい時間を過ごしている間は、首の痛みはない。帰りは地下鉄の駅まで歩いて行ったが、痛みは出ない。

6月6日(日)福岡治療2

一旦よくなったと思った痛み。やはり夜中に出てしまい、もう一度Yさんのお世話になりに行く。しかし2日続けてやってもよくなるものではないらしい。やはり年齢的なものなのか。今日はバスに乗って帰る。これからの活動がどうなってしまうのか、心配ではある。取り敢えず痛みは和らいでいるので、荷物を持って空港に向かうが、東京へ帰る気持ちはかなり重かった。

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