静岡茶旅2020(1)静岡市内で

《静岡茶旅2020》  2020年11月16日-21日

10月以降、CoToトラベル解禁もあり、国内旅が少し行きやすくなっていた。だが冬が迫り、何となく雲行きが怪しくなってくる。出来るだけ、行けるうちに行っておこうと考え、旅を詰め込み始めた。中でも静岡だけは、来年の連載や調べ物の関係もあり、どうしても訪ねる必要に迫られて、行くことになった。果たして無事に行けるのだろうか。

11月16日(月)静岡へ

9時25分バスタ新宿発静岡行きのバスに乗った。乗った一番の理由は安い(新幹線の半額程度)からだったが、もう一つは『乗客が殆どいない』という噂だったからだ。ところが座席指定をしてみると、数席しか空いていないので、これは間違ったと思ったが、既にチケット購入済みで乗るしかなかった。ところが実際に乗車してみると乗客は10名に満たず、途中の高速道路バス停でも乗ってくる人はいなかったので、あとはゆったりと席を移動して、好天の富士山などを眺めながら、バスの旅を楽しんだ。

だがこのバス、まっすぐ静岡駅へは向かわず、清水付近で一般道に入り、いくつものバス停で停車した。元々高速道路でも渋滞区間があり、いつ着くかと心配していたが、最終的には10分遅れで到着したから、安堵する。すぐに予約してある駅前のホテルに荷物を預けて、静岡の街へ飛び出した。

直ぐに駿府城に突き当たり、更に歩くと茶町に出る。その道を北上していくと、少しばかり茶の名残がある街並みとなる。最盛期には茶問屋が軒を並べ、大いににぎわいを見せたお茶の街だが、今や静かに佇んでいる感じだ。取り敢えず約束していた茶業会議所まで駅前から30分弱歩いた。月刊茶に連載していた過去があり、懐かしくて、そして何か資料はないかと訪ねてみたわけだ。

編集者のOさんが在籍しており、資料探しの前に、先ずはお茶を一杯となり、そこから各地の茶話に発展していく。それは思いの外、楽しい時間であり、今後の旅へのヒントをくれる貴重な機会ともなった。結局ここで午後を過ごしてしまい、茶の歴史調査は特になく、Oさんの車で駅まで送ってもらう。これもまた楽しく、如何にも茶旅らしい。

ホテルに戻りチェックインする。この宿は新しいようで、きれい。そして部屋も広い。テレビを点けると大相撲中継があり、それを見ていると腹が鳴る。そうだ、ランチを食べていないことに今更気が付く。取り敢えず駅地下に潜ってみると、きれいな日本茶カフェが出来ていた。静岡各地のお茶が売られているようだったので、入って見ようかと思ったが、空腹には勝てず、スルーしてしまった。

静岡県は実に太っ腹だった。泊まったホテルで、GoToトラベルクーポン以外に、静岡商品券がもらえて、それが使えるお店に入り、美味しいお刺身を頂戴した。そんなに高くないホテル代なのに、と思っていると、どこからか『その宿は静鉄だから』という声が聞こえてきて、面白い。

11月17日(火)紅茶王を訪ねる

このホテルは朝食付きだったが、新しいホテルらしく食堂はない。1回に入店しているプロントで食べるのだ。混雑する時間を避けて早めに行ってみると、既に出張族で席が埋まっている。何とか滑り込んでプロントの和定食?を頂く。そういえば、ここで昨晩ウエルカムドリンクも無料でもらった。ちょっとしたことだが、なんだかとても得した気分になっている。

午前は散策に出た。昨日は通り過ぎた駿府城をゆっくり歩いてみた。城内?に徳川家康の像があり、家康が手づから植えたというミカンの木があった。その後ろは発掘調査が行われているようで、将来は復元されるのだろうか。周囲のお堀もきちんと残っている。高校が近いのか、学生が登校中の雰囲気で歩いて行く。

また茶町に舞い戻った。結局昨日はそこまで行ったが、何もしなかったのでちょうどよい散歩コースとして利用する。静岡に茶をもたらしたといわれる聖一国師の像があるというので行ってみたが、最近建てられたモダンな造りで驚いた。その裏側は茶市場のようだが、閉まっている。

それから当て所なくフラフラしていると立派なビルの中に中央図書館の分館があることがわかった。しかもそこは歴史情報センターとなっていたので、お茶関連の資料でもないかと寄ってみる。係りの方が親切に色々と案内してくれ、静岡県各地区の茶業史などを眺めて過ごす。やはり静岡の茶歴史はずば抜けて多い。だから困るとも言える。こんなに沢山あれば、整理できなくても当然だろう。

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