高知茶旅2020(4)しまんと紅茶、そして鹿児島へ

10月23日(金)四万十川の茶工場へ

翌日はまたいい天気になった。今日は一昨日久しぶりに再会したSさんが車を出してくれ、四万十川上流に向かう。実は今回、ご紹介をもらい、高知紅茶の現在を知るために、四万十紅茶を訪ねようと思ったのだが、そこにはバスも電車も公共交通機関は走っておらず、一度は行くのを諦めていた。そこに突如Sさんを思い出し、連絡したところ快諾を得て、一転して訪問できることとなったのだ。

車は昨日訪ねた道に沿って行く。途中のゴルフ場のところで、茶畑があったのを確認した。だがゴルフ場といえば農薬をふんだんに撒いているはずで、そこに茶畑とはどうなのだろうか。今日はそこから更にかなり遠くまで行く感じとなる。あまり車も走っていない道を約2時間掛けて四万十川を上っていく。

ようやく目的地まで来たが、肝心の建物が見付からない。電話してみると、何と細い道を上ったところに、元々学校だった校舎を活用したオフィスが作られていた。当初はここで働くY夫人の連絡先を紹介してもらい、電話を入れていたが、当日は実際に四万十紅茶を作っているご主人のYさんから説明をしてもらった。この小学校は過疎化で廃校になってしまったが、彼はここの卒業生でもある。

ただYさんが見てきた茶業はずっと緑茶であり、最近になって紅茶を作り始めたとのことで、昔のことは分からないし、森永という名も聞いたことはないとのことだった。それでも小学校の同級生のお父さんが紅茶を作っていたとは聞いたことがあるので、よく調べてみれば、その歴史も分かるかもしれない。四万十川のほとりに建つ茶工場と斜面にある茶畑も見学させてもらった。ここから見る景色は素晴らしい。

昼ごはんにしまんと名物のアユを探しに行く。ちょうどシーズンは終わってしまったようで、道の駅でもひっそりと売られていた。焼き立てなら美味しかったろうが、冷めていて少し残念。ここで定食を食べてかなり満腹だったのに、スイーツまで買い込んで、しまんとほうじ茶と共に頂く。今日は何とも天気が良く、気分は頗る良い。帰り道も香港時代の話などで盛り上がる。Sさんにも茶旅の楽しさが少しは伝わっただろうか。

夕方高知に戻る。出来れば昨日調べてもらっていた平尾喜寿のお墓を探しに行こうかとも思ったが、やはり疲れが出てしまい、お土産を買いに行くに止めた。夕飯も宿の近所の定食屋で済ませる。ここの定食、実にボリュームがあり、小鉢など付いていてお値打ちであった。

10月24日(土)アンパンマンで鹿児島へ

今朝は朝の列車で鹿児島へ向けて出発した。実は佐賀のOさんから、鹿児島の枕崎へ日東紅茶の歴史を探しに行こうとのお誘いがあり、どうしても行きたかった。だが高知から鹿児島へはどうやって行くのが良いかと迷い、検索などしてみた結果、飛行機なら関空か羽田経由になるので無駄が大きく、料金はかかるが、楽なのは電車だと分かった。

午前8時の南風6号岡山行を予約していたのだが、ホームに行って見てびっくりした。何と車両全体にアンパンマンのキャラクターが描かれている、アンパンマン列車だったのだ。そうか、高知はやなせたかしさんの出身地だった。そして今日は土曜日、幼い子供たちとその親が大勢乗り込んできて、さながら幼稚園の遠足のようになってしまった。向こうも『なんでおじさんが一人で乗っているんだよ』と不思議に思っていたかもしれない。

アンパンマン列車はあのテーマソングと共に定刻に出発した。最初はのどかな平地を走っていたが、途中景色の良い渓谷なども走り、気持ちよかった。多くの小さなお友達はこの辺までで降りて行った。本来ならこの辺で降りて一泊したいところだったが、今回は先を急ぐ旅なので仕方がなく、車窓から眺めた。高知から徳島、香川と抜け、列車はいつの間にやら、瀬戸内海を渡っていた。

岡山駅まで2時間半かかった。ここで新幹線に乗り換えだ。20分の間にトイレに行き、駅弁を買い込み、鹿児島中央駅行の新幹線に滑り込む。途中で予約した今日の宿の場所を探してみたが、そこで愕然となる。何と予約日を間違え、1か月先になっているではないか。慌ててキャンセル(無料)して、予約を取り直したら2000円も高くなっていた。これはかなり凹む。これからの旅は老との戦いになる。山陽道から九州に入り、何となく知った地名を眺めている内に寝入ってしまった。気が付けば乗客はほとんどが降りておらず、3時間ちょっとで鹿児島中央駅に到着した。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です