中国地方西部茶旅2020(1)萩へ

《中国西部茶旅2020》  2020年7月19日-22日

長崎から佐賀、福岡と進み、本来はここで一度東京へ戻る予定だったが、島根在住のUさんから連絡があり、2-3日時間があるというので、小倉から山口方面へ向かうことになった。茶旅はまだまだ続いていく。

7月19日(日)萩へ

小倉に2泊して、なんだかスッキリした。Uさんと明日萩で待ち合わせとなったので、今日は移動日、萩に到着すればよい。だが私は萩に行ったことがなく、歴史的にはどう考えても興味深い場所なので、朝一の電車に乗って急いで小倉を離れた。これまで食べ過ぎたので、宿の朝食は食べなかった。

先ずは山陽本線下関行きに乗る。僅か15分で本州へ渡る。そこからすぐに新山口行に乗り換えて30分、厚狭まで行く。厚狭を『あさ』と読むらしい。古来「あづさ」と呼ばれ、中世以降「梓弓」に関係の深い地名から「あさ」に変化したとか。何となく日本語ではないような気もするが、どうだろうか。

ここからJR美弥線の2両編成に乗り換える。それまで海辺を走っていた列車は山の中に突っ込んでいく感じになり、ところどころに田園風景が広がる。当然乗客は少なく快適。1時間ほど乗ると、長門市駅で山陰本線の1両列車に乗り換えて、最後は海を見ながら、東萩まで行く。合計約3時間。

途中駅で聞いてみると、山口県内はSuicaがほぼ使えないとのことで、切符を買い直した。山口県はJR西日本に再三要請しているというが、進展は見られないとか。安倍首相のおひざ元でこんなことがあり得るのだろうか。そうか、安倍さんは電車に乗らないから分からないんだ、きっと?!デジタル化推進とは何だろう?

朝10時過ぎに東萩駅に着いたが、さてどうしようか。予約した宿は駅のすぐ横にあったので、先ずは荷物を預けようと出向いてみると、何とフロント業務は午後までやらないと書かれており、スタッフは誰もいなかった。ただコインロッカーがあり、『宿泊客は無料で使える』となっていたので、そこへ荷物を押し込んだ。

そして駅の観光案内所で地図を貰う。係りの女性に『どちらから?』と聞かれ、ドキッとしながら『東京から』と答えると、ニコニコして『世田谷に松陰神社がありますね』というので、驚いた。何だか気分が愉快になって、足も軽くなる。そのまま歩いて、萩城跡へ向かったが、途中で一軒の食堂が見えた。このコロナ禍にも拘らず、行列ができており、思わずのぞき込むと『モーニングうどん』と書かれているではないか。気になってしまい、つい中に入った。

肉うどん360円は確かに安い。そしてネギは小鉢に取り分けられていて、いくらでも食べてよいという。何とも気前が良い。汁の味も甘みが程よく、美味しい。今日は日曜日、朝から家族でモーニングうどんを食べているのは、何とも微笑ましい。お店の人も余所者にも優しく、気に入ってしまった。

元気一杯で萩城跡まで歩く。突然楫取素彦生誕の地という看板に出くわした。さすが萩。幕末、明治に名の知れた人物を多く輩出している。楫取はNHK大河ドラマ『花燃ゆ』にも登場した、吉田松陰の親友。松陰の妹寿が嫁いだが病死、そしてもう一人の妹で大河の主人公だった文(久坂玄瑞未亡人)を後妻としている。

因みに楫取は、1864年長崎に勝海舟を訪ね、長州藩の窮地を救ってくるよう頼んだりもしている。この時坂本龍馬とも再会している。明治に入ると群馬県令となり、養蚕、生糸貿易を熱心に奨励し、文夫人はニューヨークで成功した新井領一郎に松陰形見の短刀を託している。楫取素彦、もっと注目されるべき人物だと思う。

城の手前には菊ヶ浜と呼ばれる海水浴場もあったが、さすがに水遊びは禁止のようで、人もほぼいなかった。萩城は関ケ原の後、毛利輝元が築城し、居城となった。幕末の動乱で不便となり、山口に移るまで長州藩の中心地。今は解体され、石垣などは残っているが、見るべきものはあまりない。

城の近く、毛利輝元の墓がある、天寿院も訪ねてみた。ここは廃寺となり、墓だけが残っている。管理維持費として参拝者は20円払うようにと書かれていたが、毛利家はそんなに貧しいのだろうか。いや歴史観光を売り物にするのであれが、市がこの程度の維持費を負担するべきではないだろうか。外国人が20円の看板を見たら、相当の違和感を覚えるであろう。

そこから萩城下町が始まっていたので歩いてみる。武家屋敷が並んでおり雰囲気はある。立派な像を見つけたが、何と田中義一だった。陸軍大将で、昭和の初め総理大臣にもなっているが、生家は藩主の駕籠かきだったとある。萩博物館を訪ねると、何とコロナで事前予約制となっており、見学できなかった。仕方なく、ショップで資料本でも探そうと思ったが、ここも検温などがうるさく、結局何も見ずに出てきた。

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