九州北部茶旅2020(1)6年ぶりの長崎へ

《九州北部茶旅2020》  2020年7月12日-18日

3月下旬以降3か月のステイハウスで、色々な本を読んだ。勿論お茶の歴史が中心だが、日本国内にはお茶の歴史にまつわる旅ができる場所がいくらでもあると感じ、ちょっとワクワクした。そこでコロナリスクをできるだけ排除しながら、日本茶旅を敢行しようと考え始め、まずは連載の関係で写真を撮りに行きたかった長崎、ついでに佐賀、唐津、北九州まで行ってしまった。

7月12日(日)長崎まで

この時期に飛行機に乗るのはどうだろかと危惧したが、きっと乗客も少ないだろうと思い切って乗ってみた。今年は貯めていたマイレージを使う機会もないので、それで予約を取る。世間ではGo Toトラベルとかいう珍妙な企画が出てきており、感染防止を第一と言いながら、観光客の外出を奨励しようとしていた。だが準備が間に合わず、この時期にはまだ始まらなかった。そしてその後始まったものの、東京在住者は対象外という、完全なダブルスタンダードとなっていた(東京に住んでいるだけでこのような不利益を被るのなら、きっと訴訟の対象になるだろう)。

九州は直前にかなりの雨が降り、また被害も出ており、『50年に一度の豪雨』が三年続けてきている、と嘆かれていた。確かに集中豪雨、大規模地震などが九州各地を襲っており、茶畑の被害も相当出ているようだった。正直こんな時期(コロナと合わせて)に九州に行くのは、少し後ろめたい感じがした。

羽田空港はやはりまだ乗客は戻っていないようだった。飛行機に乗るのも、敢えてなのかバスで機体へ向かった。バスの乗車も人数を制限しているようでゆったりしていた。搭乗率は半分ぐらいで意外と多かった。ANAで予約したが、フライトはソラシドエアーだった。乗客の減少により、コードシェア便も増えているのだろうか。国内線の場合、特にサービスもないので、安全に運んでくれればどこの航空会社でもよい。

国内線はスマホを使えば、チェックインも不要で簡単に乗れるので何とも楽だ。そして長崎までわずか1時間半程度で着いてしまい、機内サービスもほぼないので、国際線に慣れている自分としては、目をつぶっているとあっという間に着いてしまう感覚になる。やはり近いのは楽でよいが、なんとなく物足りない気になるのも、海外旅に飢えているからだろうか。

長崎空港は久しぶりだ。6年ぶりだろうか。長崎に初めて来たのは1991年だから30年近くも前か。次が2014年で今回は3回目だと思う。これだけ歴史がある街にこれまであまり来ていないのはなぜだろうか。自分でも不思議になる。空港からリムジンバスに乗り、大波止を目指す。6年前は知り合いが車で全て案内してくれたので、道も何も分かっていない。バスの車内に貼られている地元携帯のCMが川口春奈(大河ドラマの帰蝶さん)というのも地元感があってよい。

長崎を突然歩き回る

大波止の近くまで来ると、予約したホテルが見えたので、バスを降りた。全国チェーンのホテルだが、いつもより30%は安い。観光客は少なく、仕事で来ている人が多少見られた。チェックインにはまだ早いので兎に角外へ出た。少し歩くとすぐに出島が見えたが、何だかきれい過ぎる出島だった。

そのすぐ近くに長崎新地中華街があったが、ランチ時でもお客は殆ど歩いていなかった。店も閉まっているところがいくつもあり、ちょっと寂しい。ここでご飯を食べようと思ったが、急に長崎ちゃんぽんが食べたくなり、折角なのでちゃんぽん発祥の店まで歩いていくことにした。

雨を心配していたが降っておらず、むしろ歩きやすい気候だったので、かなり距離があったが、進んでいく。四海楼は海辺に建つ立派な建物だった。隣は旧香港上海銀行長崎支店だ。5階建ての建物をエレベーターに乗って行くと、そこだけかなりのお客がおり、席待ちとなって驚く。ここは港が眺められる風景スポットにもなっている。

長崎ちゃんぽん、これまで長崎で食べたことがあっただろうか。私のちゃんぽん体験の殆どはリンガハットだっただろう。立派なちゃんぽんと餃子が出てきたが、観光客料金を取られたな。まあ、下の階にちゃんぽん博物館があり、ここの創業者やちゃんぽんの歴史を見ることもできるので、勉強にはなった。やはり福建福清出身の華人が作ったものだった。

ここまで歩いてきたので、大浦天主堂まで登ってみる。その先にはあのグラバー園があった。そこでふと思い出したことがある。日本で最初に民間人として茶を輸出したと言われているのは幕末長崎の大浦お慶だが、その取引相手は誰だったのか。資料にはオルトというイギリス人の名が出ているが、それがどんな人なのかはよく分からない。スマホで検索してみると、何とグラバー住宅の更に上にオルト住宅という文字が見えたので、天主堂をスルーしてそのまま歩きで登っていく。

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