九州茶旅2019(4)大阪民博で客家の勉強を

そして搭乗時間となり、お別れ。ピーチの関空行き最終便は意外と混んでいた。搭乗に手間取り出発は少し遅れた。それでも1時間後には到着する。ピーチが着いたターミナルから、電車の駅までシャトルバスで移動して、何とか11時の電車に間に合った。この電車に乗らないと、終電まであと僅かだった。

 

ラピートは、特急料金がかかったが、既に深夜なので早く着くに越したことはなく、料金を払った。乗車ギリギリだが、窓口で買ったら割引があるというので並ぶ。難波まで行っても、天下茶屋で降りても、料金が同じというのは腑に落ちなかったが、とにかく急いで乗り込んだ。ガラガラなので指定席も意味がない。いや、むしろ座席を探す方が手間だった。

 

時刻検索で見ると、今晩予約した宿は難波まで行くより、天下茶屋で堺筋線に乗り換えて長堀橋駅へ行く方が早かった。ただ最終電車なので乗り過ごすことはできない。堺筋線に乗ろうとしたら、酔っ払いの若者がホームで吐いている。何だかそれを見て『日本だな』と思ってしまう。

 

大阪のホテルは2-3年前まで非常に高騰しており、予約も取り難かったが、その後新しいホテルが雨後の筍のようにできており、9月に来た時久しぶりに泊まると、地方都市より安くてサービスがよい所まで逆転してきていた。今晩の宿も地下鉄駅の真上で、真新しく、深夜なのに若い女性が勤務しており、対応がとても柔らかい。今回は寝るだけなので部屋は簡素だが、簡単な朝食も付いて1泊4000円代とは、素晴らしい。

 

12月3日(火)
民族博物館へ

昨晩遅く寝たので、ゆっくりと起きる。午前9時前に軽く朝食を食べようと食堂に行くと、いたのはほぼ外国人。中国語やタイ語が聞こえてくる。意外と食べ物もあった。掃除のおばちゃんが私に向って『サンキュー』と言ったので、日本人だと告げると、とても恥ずかしそうに去っていく。

 

10時にチェックアウトして、荷物を持って地下鉄に乗り、懐かしい梅田駅前のビルに行く。ここはいつも講座を開催してもらう場所であり、さすがに迷わず来ることが出来た。今日は民族博物館で客家のお勉強の会に参加する。その主催者で台湾擂茶を商っているMさんと合流してランチを食べることにしたのだが、指定された場所はこのビルの地下の洋食屋だった。

 

集合時間は何と10時50分。なぜこんなに早いんだろうか。いくら民博が遠いとしても早過ぎる。行ってみると既にMさんだけでなく、講座主催者でお世話になっているM女史など4人が集まっており、店の前で並んでいる。そして10分前には他に数人並ぶではないか。『予約はできないし、11時過ぎに来ると席がないんです』、ちょっと驚き。

 

11時に店に入ると既に注文してあったので、すぐに定食が出てきた。Mさんはステーキしか食べないと言うが、私はさっき朝ご飯を食べたばかりなので、ハンバーグなどにしてみた。確かにボリュームもあって、美味しい。ふと周囲を見ると、既に席は埋まっており、外には列が出来ていた。

 

それから重い腹を抱えて、荷物も引いて、梅田から千里中央に向かう。千里中央と言えば、35年前、大阪外大との定期線で2回、訪れた場所だが、それ以来来たことはなかった。妙に懐かしい。そこから更にモノレールに乗り継ぐと、万博公園駅に着く。駅からあの太陽の塔が見えるだけでワクワクした。

 

大阪万博から50年が経つ。国立民族博物館は、その公園の敷地内に建てられていた。今日は民博で客家研究をしておられる先生のお話を聞く予定だが、その前に、膨大な展示の一部を見ることにして、荷物をコインロッカーに預け(館内のロッカーは無料)、館内を回り始める。ついでに本などの資料も探してみる。

 

2時になると参加者10数人が集まり、K先生の先導で、館内のアジア、特に中国、華人関連の展示の説明を受けながら見学する。お茶に関する展示は殆どないのだが、華人や客家に関する説明は勉強になる部分があった。またここは、博物館だが、博士課程の大学院生もおり、研究員は教授や準教授の肩書も持っているというのがユニークだ。

 

そして会議室で、参加者が先生に質問する時間がやってきた。皆さんそれぞれの角度で、疑問をぶつけ、先生がそれに答えていくという、ある意味で非常に効率的な形式で行われた。最後に私は『台湾擂茶は客家の伝統文化か』と『広東客家が台湾に茶業を持ち込んだ可能性はあるか』という2つの質問をしてみた。擂茶を商うMさんからすると、ドキッとする回答だったが、真実は真実、商売は商売だろう。客家についても益々興味が沸く内容だった。

 

既に夕暮れが近づいていた。私はこれから東京へ戻らなければならないので、新大阪まで出て、新幹線に乗るべく、皆さんと別れた。駅で駅弁を買って乗り込み、それを食べてからウトウトした。そして来年の計画を考える。やはり少し東南アジアにシフトして、茶商だけではなく、華人や客家について勉強しようと思った。

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