台湾茶縁の旅2014(10)台北 観音山でナガシのライブを聞く

3月22日(土)

日本が溢れている台北

そろそろ台湾生活も少し疲れが見えてきた。毎日飛ばし過ぎたか。今日はゆっくり目覚める。昼前に地下道を通り、台北駅の向こうへ出る。この地下道、日本のアニメが目に付く。オタク系の店がいくつかあるようだ。そういえば中山方面にはAKBのメンバーの写真が順番に張られていた。ここはどこなんだ、と一瞬迷う。

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駅前のごちゃごちゃした通り、おじいさんが竹とんぼを飛ばして、子供を喜ばせている。竹とんぼ売り、今や日本にもいないだろうな。台湾には本当に日本が溢れている。台湾人は嫌でも日本を意識せざるを得ない。生活の一部に入り込んでいる。当人たちはどう考えているのだろうか。まあそんなこと考えないか。

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いつもの店で肉羹スープを食べる。何とも言えないドロッとした感触、アツアツの肉団子。これは本当に美味い。魯肉飯定食にして食べると美味さ倍増。夜はやっていな店なので今食べるしかない。そして何とあまりの美味さに酔いしれ、小銭入れを忘れて店を出てしまう。

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それから歩いた。総統府の前は学生デモの影響か、かなり警戒が厳重でバリケードもあった。台湾大学院学部の建物も立派だった。日本時代の建物がうまく使われているなと感じる。結局小1時間かけて、昨日も行った遊山茶訪を再訪した。

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遊山茶訪を再訪

今日はゆっくりと室内を見た。窓は北向き、台湾もやはり南国、夏の南向きは暑すぎたのだろう。日本人はしないが、台湾人はここに座りたいだろうと、腰掛を作ってクッションなどを置いている。庭には桜の木が植わっている。今でも毎年桜の鑑賞会が出来るらしい。歴史展示室の柱は太い。天井の梁もしっかりしている。地震が来ても今までちゃんと持ちこたえている。70年前の建物とは思えない木造。奥には縁側があり、小さな庭にはマンゴの木がある。奥の部屋は10人程度でお茶会が出来るスペースになっている。

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楊経理がお茶を淹れてくれた。彼女もかなり拘りがありそうだ。高山茶、紅茶、実に丁寧に淹れている。小さな焙煎機を室内に入れ、ちょっとした焙煎もしている。何だか楽しい空間だった。ずっとここで転寝していた気分になる。

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茶訪の余韻を楽しむために、教えられた青田街へ行く。すぐ近くだった。今日は土曜日で沢山の台湾人が歩いていた。この辺は日本家屋がいくつか残っており、散策には向いている。特に青田76号という場所が有名らしいが、ここは入場料を取る。そして人が一杯いたのでパスして進む。

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ここを北に上がっていくと永康街だ。実に多くの人が散歩しており、もう歩くのはいいかと思う。確かHさんが『温泉へ行く』と言っていたので便乗しようかと思ったが、電話してみると仕事が終わっておらず、今日は無理とわかる。取り敢えずGHへ行ってみることにした。

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観音山へ

Hさんは働いていたが、もういいか、という感じで出掛ける。一昨日会ったミュージシャンBさんのライブを聞きに行くため、観音山に向かう。Hさんは以前一度来たことがあるというこの山、遠目に見ると観音様が横たわっているようにも見える。

 

車は軽快に高架道路を飛ばす。やはり今日も車が少ない。道は良く分からないが淡水の裏側あたりに出た模様。あっという間に山のふもとへ。そこからクネクネ山を登る。なかなかいい雰囲気の自然が残り、ハイキングコースになっているのか、民宿やレストランもちらほら見える。

 

会場は山の廟があるところのすぐ下。実にそれらしい、いい雰囲気の山荘だった。それにしても相当早く着いてしまったが、中に入ると既にBさんと相棒の阿家(アーガー)、そしてベースのアリ嬢がちょうど練習しているところだった。Bさんと阿家はバッテリーという名前でユニットを組んでおり、今日はここでそのライブがある。

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阿家は日本文化の残る台湾で『ながし』として活動していた。既に7年になるという。以前は郵便配達人をしながら音楽活動をしていたようで、その名でも呼ばれている。Bさんは以前組んでいたバンドが活動休止となり、新たな試みとして彼と一緒に歌い始めた。こんないい場所でライブが出来るなんて、と部外者は思うが、阿家は毎週末ここまで通って歌い続けている。それは並大抵の苦労ではないだろう。

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ようやくライブが始まったのは、日がほぼ傾き、かなりヒンヤリしてきた頃。正直山は風が強く、厚手の服を持っていなかった私には相当に堪えた。このままでは風邪を引きそうだった。が、ライブが始まるとかなりの盛り上がりを見せ、阿家の歌に魅力を感じ、寒さを忘れた。お客さんも満員で、我々は関係者席に座らせてもらった。

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先ずは主役である阿家が歌を歌い、Bさんはちょっと登場して、一端休憩。既にあたりは暗くなり、相当に寒くなってきていた。お客さんは前もって予約しており、各テーブルには料理が出始めた。我々2人は予約もなくやってきたので、個別に食事を注文しようとしたところ、オーナーの計らいもあり、関係者の食事に混ぜて貰ってしまった。Bさんはベジ料理の方へ行くと言って、阿家が我々の面倒を見てくれた。この辺が何とも台湾的で、有難いし、懐かしい。

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後半はバッテリーのライブとなり、オリジナル曲の台湾温泉音頭(ど演歌)からチャゲアスの『Say Yes』まで、実に幅広い楽曲を聞かせてくれた。それにしても寒くて、一時は死ぬかと思った。3月の台湾の山を舐めてはいけないと悟る。そんな中でも台湾のお客さんは大満足だったようで、Bさん達のパワーに脱帽した。

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