広島・岡山・大阪ぶらぶら散歩2019(2)鞆の浦から後楽園へ

9月25日(水)
鞆の浦から岡山へ

日本の地方都市に泊まって一番驚くことの一つが、ネット接続。このホテルもサービスは悪くないが、Wi-Fiは基本的に使えない。わざわざルーターを持ってきてもらって繋ぐのだから、アジアから来た観光客もびっくり。朝ご飯はホテルに付いていたので頂く。それはとてもいいご飯だった。

 

今日は鞆の浦に行ってみる。尾道からなら近いと思ったのだが、フェリーは週末しか出ておらず、直通のバスもないとはこれまた驚いた。まずは福山までJRで20分乗り、駅前からバスに乗って行く。荷物が邪魔なのでコインロッカーに預けようとしたが、100円玉両替機が故障。500円玉は入らない。隣のコーヒーチェーンでも断られ、駅の改札まで行く羽目になる。おかげでバスを一本乗り損ねた。それでも20分後にバスが来る。

 

バスで30分、鞆の浦に着く。海風が吹き、さすが汐待の港、何だかいい所に来てしまった、と感じる。海を見ていると、如何にも異国船という形の遊覧船が出航して、観光客を乗せている。坂本龍馬も登場する、あの紀州藩から莫大な補償金を取った、いろは丸事件にちなんだ船だそうだ。

 

すぐ近くに対潮楼があるので、上って見に行く。福禅寺内に江戸時代に建てられたもので、朝鮮通信使の宿としてもつかわれたとある。建物前面からは瀬戸内が一望でき、絶景スポットして名高い。室内にはなぜか上野彦馬が撮影した幕末の志士たちの写真もある。この鞆の浦、往時の位置づけが少し読み取れる。

 

そこから街歩きに入る。古い商家の家並みがかなり残っている。港にはシンボルとなっている常夜灯がある。この辺はかなり風が強い。そこから丘を登っていく。鞆城跡と書かれており、石垣がある。ここからは鞆の浦がよく見える絶景スポットだった。天気が良く、幼稚園児が散歩に来ていた。

 

その上に歴史民俗資料館があったので入ってみた。ところが展示品の写真撮影禁止と聞いて『えー、それじゃあ』と言ったら、係員の女性は『それでは』と言ってさっさと引っ込んでしまった。まるで資料館を見せる気もないお役所仕事、これには呆れて、本当に見ないで立ち去る。

 

太田家住宅、と書かれた古い家もある。ここは幕末に都を追われた公家が長州に落ち延びる途中に立ち寄ったらしい。いわゆる七卿落ち。汐待するのは商船ばかりではない。また別の丘を登る。平賀源内生祠というもあった。長崎帰りの源内がここに立ち寄り、源内焼を伝えたとある。

 

医王寺まで登ると、これまたいい景色が拝める。天気が良いのでついフラフラしてしまう。いくつもの寺があったが、その中には何となく中華風の門や窓なども見える。異国の影響を受けることもあっただろうか。山中鹿之助の首塚などもあり、歴史感は満載だ。半日ゆっくりと見て回り、またバスで福山に戻った。

 

電車で岡山へ向かうが、まだ時間的には早い。ちょうど駅の横にある福山城が見えたので、そこだけ見てから行くことにした。まずは城の横を通り、歴史博物館へ。取り敢えず広島の歴史を一通り勉強したが、特に1階にあった資料コーナーで座りながら、冊子を眺めて時間を過ごす。

 

それから城へ上る。建物自体は、第2次大戦の空襲でほぼ焼失してしまっており、現在は再建された天守閣が見られる。何ともきれいな作りのお城だ。だがなぜかここでカメラのキャパが一杯となってしまい、写真は撮れなくなる。それを潮に、駅に戻り、電車に乗る。

 

岡山行きは沢山あると思っていたが、昼下がりは1時間に一本しかなく、慌ててロッカーから荷物を出して、まさにダッシュでホームに駆け上がり、出発寸前の電車に乗り込んだ。そこからおよそ1時間で、岡山駅に到着した。駅近くのホテルを予約していたが、なぜか迷ってしまい、イオンの中をぐるぐる。何とか着いたホテルはサービスがとても良い、感じの良い場所だった。

 

まだ日も高いので、取り敢えず岡山後楽園に行くことにした。恐らくは30年ぶりだが、何も覚えていない。駅前まで戻り、路面電車に乗る。タイ人が何人も乗ってくる。電車を降りると地下道を通るのだが、そこがとてもきれい。上ってかなり歩くとようやく後楽園の入口へ。

 

後楽園は天気が良かったせいか、思っていたよりきれい。その広大な敷地に配置された池など、その風景は美しかった。更にはかなりの茶園があったのには驚いた。なぜここに茶樹が植えられているのだろうか。昔はお殿様が飲むためとあったが、誰が茶を摘んで、製茶するのだろうか。

 

1時間以上歩き回り、一度外へ出て、今度は岡山城へ向かう。お殿様の時代は、城から船で来たらしいが、今は立派な橋が架かっており、夕方の風景はきれいだ。城にも入ってみる。宇喜多家の歴史、今やアニメにも描かれているようだ。日本は城ブームでもあり、若い女性も見に来ている。

 

路面電車の中で『野村のかつ丼』の宣伝が流れていたので、行ってみた。ちょっと高級感のある入り口だが、中では食券を買う。デミグラスソースと玉子とじかつ丼のセットを注文した。1000円と庶民的。ホテルまで帰る道すがらも、何となく風情があり、久しぶりの岡山を瞬間的に満喫。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です