広島・岡山・大阪ぶらぶら散歩2019(3)美作番茶、そして大阪へ

9月26日(木)
美作番茶から大阪まで

朝はさわやかに目覚めた。ここ二日間、かなり歩いたので筋肉痛はあったが、疲れがちょうどよく、眠りの質が改善された。日頃如何に歩いていないかが分かる。今日は美作というところへ行く。岡山駅に到着するとすぐに『この駅(目的地)、スイカ使えますか?』と駅員に確認すると『使える訳ないでしょ』と軽くあしらわれた。まあ想定の範囲内だが、そういう場所へ行くのだ。

 

朝8時過ぎに岡山から電車に乗った。JR津山線で津山まで約90分、車窓からの眺めが秋の雰囲気だ。津山駅には一両電車が待っており、20分で林野という駅に着く。途中は田んぼや畑が多く、林も見られた。一両電車はワンマン車で、運転手の横に料金箱がある。確かにスイカなど使えないわけだ。同じ岡山県内だが、2時間10分以上かかった。

 

駅にはKさんが迎えに来てくれていた。この地で美作番茶を作っている若者だ。昨年のティーフェスティバルで、誰かの紹介があり、お茶を少し買った。それを台湾茶業界の重鎮に上げたところ、面白いね、と言われたので、一度産地を訪ねたいと考えていた。ちょうどそこに知り合いのWさんが訪問するというので、橋渡しを頼み、今日が実現した。

 

美作と言えばまず思い浮かぶのは剣豪宮本武蔵だろう。武蔵も飲んだお茶、との広告も見られたが、果たしてそんなに古くからお茶作りがあったのか、それはちょっと疑問だった。そんなことを考えているうちに車で、番茶作りの工場に案内された。何となく茶葉を摘む時期(夏)、大きな茹で釜などの設備、製法などは四国の阿波晩茶などを想起させる。ただ茶葉を煮出した汁を茶葉に掛けるところが、決定的な違いかもしれない。色味がよくなるという。

 

次に店舗に連れて行ってもらい、そこで古い製茶道具や写真などを見せてもらう。勿論この地域でも番茶以外に煎茶などを作っており、戦後は活発な時期もあったという。また写真には昨日訪れた後楽園の茶園が写っており、何とここ美作の人々が茶作りをしていることも分った。古い茶箱にその歴史が感じられる。番茶を飲ませてもらうと、やはりすっきりしていて飲み易い。

 

お昼も過ぎてしまい、次の電車までは時間があるので、ランチを食べに行く。近くに湯郷温泉がある。湯郷と言えば、女子サッカーの湯郷ベルがあるところだ。あの日本代表キャプテン宮間が所属しており、覚えている。温泉もあるなら、ちょっとした観光地とセットでお茶も売り出せそうな感じはする。

 

温泉街に焙じ番茶ソフトクリームやドリンクを出す店があり、繁盛しているとのことで、2号店は何と倉敷にあるそうだ。その後食堂に入りご飯。このあたりの名物、ホルモンうどんは自分で炒める。意外に大きな内臓系が入っており、私は好きなタイプだった。若いKさん、お茶の話しをしていても将来が楽しみだ。

 

また林野駅まで送ってもらい、窓口で大阪までの切符を買う。一番早く行く方法は意外と乗り換えが多かったが、言われたとおりにした。JRで佐用まで行き、そこで智頭急行に乗り換える。それから上郡まで行き、また少し離れたJR駅に戻って、下校の高校生と一緒に相生まで行く。そこで新快速に乗れば大阪まで一本だった。

 

相生で座ることができ、後は寝ているだけと安どしていたら、何と事故で姫路から先に行けないという。姫路駅で聞くと振替輸送があると言い、ちょうど姫路城がみえるところから、また別の電車に乗る。しかし振替は三宮までらしく、またJRに戻り、ようやく大阪に着いた時は疲れ果てていた。更に地下鉄で心斎橋まで行く。

 

大阪のホテルは高い、と思い込んでいたが、今回検索すると5000円ぐらいで普通のホテルが取れるようになっていた。心斎橋を歩くとそんなホテルが沢山出来ていることに気が付く。予約したホテルもロビーは豪華な感じだが、中国人観光客に占拠されていた。ただ部屋の装備はアジア仕様であり、欲しい物は皆あったのでこれで十分。

 

ワールドカップラグビーを見るために、すぐに夕飯を済ませに外へ出た。歩いて2分のところに、トンテキがあり、1000円で美味しく食べられてよかった。ラグビーはイングランドが圧勝した。

 

9月27日(金)
大阪で

今日は1年ぶりに梅田でお話しした。午前午後と2講座あったが、また沢山の人に来て頂き感謝だ。ただその中にあれ、と思う二人がいた。東京でお茶イベントを主催するMさんと、大阪で茶文化を教えているOさんだった。この二人とは3月に四川旅行に一緒に行き、楽しく過ごしていた。

 

講座終了後、主催者のMさんが突然サプライズで二人の婚約を祝い、花束を渡した。実は薄々そうではないか、とは思っていたが、まさかここで二人に会うとは思っていなかったので驚いた。これもまさに茶のご縁だろう。その後、場所を移して食事会があったが、そこでも話題の中心はMさんだった。私はひっそりと新幹線で東京へ戻った。

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