広島・岡山・大阪ぶらぶら散歩2019(1)尾道を歩きまくる

《広島・岡山・大阪散歩2019》  2019年9月24日-27日

ウラジオストクから帰って中二日で、また旅に出た。今度は国内旅行だから気は楽だったが、正直体力的にはかなかしんどい。それでも面白いことも数々あり、やはり旅を止めることは今のところ出来ない。今回は広島尾道から鞆の浦、岡山、美作、大阪と行く。

 

9月24日(火)
尾道へ

今年の3月に島根横断の旅をした際、何となく山陽道も歩きたい衝動にかられた。それで何気なく広島行きのチケットを予約する。広島市には以前に行ったことがあったので、今回の目的地は以前から気になっていた尾道と鞆の浦。尾道のお茶屋さんにちょっと寄ってみたい、それだけだった。

 

羽田空港国内線は便利でよい。荷物も軽いのでカウンターにも行かず、するっと中に入る。修学旅行生が沢山いる。修学旅行って、楽しいのかなと思ってしまう。誰もが旅行に行けるこの時代に、なぜ修学旅行が必要なのか。先生の負担も軽くない。いや旅行会社の生き残り戦略だろうか。

 

飛行機はするっと飛び立ち、あっという間に広島空港に着陸した。この空港、広島市内からも結構遠い。私は広島ではなく、尾道を目指しており、インフォメーションでその行き方を聞くと、バスでJR駅まで出て、そこから電車で行く。なぜか広島空港は風が吹き、9月にしてはかなり涼しいので驚く。

 

バスは30分ぐらいするとやってきた。広島行きもほぼ同じだったので、フライトに合わせて来るのかもしれない。20分ほど行くと、JRの白市駅という如何にもローカルな駅に着いた。ここで尾道への行き方を再度聞くと、若い駅員さんが丁寧に教えてくれるので好感が持てる。

 

車窓から田んぼを眺める。田植えが行われていないところもチラホラみられ、後継者問題が頭を過る。三原で乗り換え、尾道に着いたのは11時過ぎていた。三原で乗り換えると、同じホームに岡山行きが来るよ、というアドバイスは荷物がある者には助かる。駅からすぐのホテルを予約しており、そこに荷物を預けて歩き出す。

 

駅の目の前が川?内海?なので、そこを歩いてみると、何だかとても心地よい。この街は映画東京物語の舞台にもなっており、そんな展示がされている。如何にも映画の舞台になりそうな街並みではある。昔ながらの商店街もあり、ちょっとレトロな雰囲気に浸る。

 

その商店街のアーケードが無くなった先、少し入ったところに目指す今川玉香園茶舗はひっそりとあった。店主のIさんとは3年前広島のお茶会で知り合ったが、その後FBでお互いの近況を見ており、今年2月のボルネオでも、『サバティーガーデン』へ行くように勧めてくれていた。

 

Iさんとお父さんから話しを聞く。このお茶屋さん、記録では明治初期の創業だが、実際には江戸時代から茶業をしていたらしい。尾道でもっとも古い茶舗の一つ。尾道という山陽道の主要都市だから、海運を使った人の往来もあり、茶の流れもあったのだろう。長崎から中国系商人がこの街に陶器を売りに来た、などという話が普通に出てくる。

 

茶葉も地元の物もあったようだが、京都や九州からも取り寄せていた。現在でも静岡、宇治、鹿児島茶をブレンドして、地元民に合う味にしたものがよく売れるという。Iさんは世界の茶産地を回っており、スリランカの紅茶や阿里山烏龍茶なども取り扱っている。イベント活動にも力を入れており、地域の文化の中心に位置している、と感じられるお店だった。

 

少し話しているともうお昼を過ぎており、近所の小さなお好み焼き屋さんに連れて行ってもらった。席は3つしかなく、目の前の鉄板でおばさんが丁寧に焼いてくれるのを見ながら、話を続ける。ソースは自分で好みの量をかけてね、と言われる。食べるとまさに『普通に美味しい』。

 

午後は一人で尾道を歩き回った。初めに尾道水道の渡し船に乗ってみたが、帰りに別の船着き場から乗ろうとしたら無理だと分かり、10分で往復する。このゆっくりと動く船からの眺めは悪くない。それから歩いてお寺巡りが始まる。まずは千光寺を目指して登る。道が整備されていて歩きやすい。

 

石段の途中に志賀直哉旧居と見えるので曲がる。今日は火曜日でどこも閉まっているが、取り敢えず外観を見る。千光寺からは尾道の街がきれいに一望できた。鎖を伝って登る奇岩があった。その下には鎌倉時代創建の天寧寺の三重塔が見られる。更にずっと歩いて行くと西園寺という寺があった。ここになると奈良時代の創建らしい。尾道の街の古さがよく出ている。

 

それからもいくつかの寺を訪ね歩いた。姿三四郎の像があった。人形浄瑠璃の文楽の墓がなぜかここにある。図書館も休館日で尾道の歴史全般を知る機会はなかったが、実に興味深い街であることは確かだ。最後に夕日が沈むのを水辺で眺めた。何だか動きたくないような気分が続く。夜はIさんに新鮮な海の幸をご馳走になりながら、更にお茶の話や旅の話をした。そして駅前のホテルまで約20分、ふらふら歩いて帰った。

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