マレーシア老舗茶荘探訪 その後2019(1)王室への道は遠い

《マレーシア老舗茶荘を訪ね歩く(2)2019》  2019年8月31日-9月5日

 

8月31日(土)
メダンから戻って

メダンから乗ったエアアジアはあっという間にKLに戻ってきた。正直インドネシアよりKLの方がホッとする。ホッとすると腹が減ってしまい、空港内の食堂に足が向く。カフェテリアには各種の食べ物がズラッと並んでいたが、私はすぐに海南チキンライスの店に前に立つ。わざわざここで食べなくても、とは思うのだが、食べたい物を食べたい時に食べるのが幸せ、ということだろう。

 

バスを探してKLセントラルまで戻る。今日は前回とは違う宿を予約していた。いつも満室で人気だったので、泊ってみることにしたのだ。このホテルはかなりきれいでその割には安い。私が予約した一番安い部屋は窓がない。だがこの窓がない部屋、というのが、よく眠れるので偶に泊まるとよいのだ。電球が切れていたが、すぐに直しに来てくれたのでサービスも良い。

 

まずは洗濯に取り掛かる。明日はどうしようかとその間に考える。だが皆さん明日は忙しいという。私は全く気が付かなかったのだが、何とマレーシアでは昨日(8月31日)は独立記念日、そして今日はイスラムの新年、それで明日は月曜日ながら振替休日になっていたのだ。3連休の真ん中に戻っていてしまった不幸。これも長旅では仕方がないこと。

 

取り敢えずゆっくり休む。夜は近所をウロウロして、中国系の店で定食を食べてみたが、味も美味しくなく、サービスも悪く、料金も安くないという悲劇に遭う。隣の海鮮の方が良いかと思ったが、一人で海鮮は面倒なので、この選択になった。やはり一人旅は食事には不向きかな。

 

9月2日(月)
KL散歩

窓のない部屋でゆっくり寝た。今日は本当にやることがないので、また無料バスに乗って当てのない旅に出た。レッドからブルーのバスに乗り換えて、市内中心部を通る。シャングリラホテルなど、90年代に泊まったホテルは何とも懐かしい。何となく肉骨茶が食べたくなり、その専門店を検索して降りる。

 

だがなぜか歩く方向を間違えてしまい、一向に辿り着けない。そのうち思いっきり腹が減ったので、やむなくモール地下のフードコートで焼きそばを食べて終わる。なんでそうなったのだろうか。それからまたフラフラ歩くと、KLツインタワーが見えてきた。ここは20年以上前にKLに来た頃完成したビルで、日本と韓国が半分ずつ請け負っていたと記憶している。前にあるきれいな公園から写真を撮ってみる。観光客がとても多い。

 

疲れてきたのでバスに乗り宿へ帰る。何だか体力が無くなってきている感じがする。さすがに2か月の長旅での消耗はかなりあり、疲れるのだ。それでも窓のない部屋に居ると昼間は寂しくなる。ちょっと検索すると宿の近くに王室博物館があるではないか。歩いて行けそうなので歩き出す。

 

ところが、川を渡ったあたりで地図がかなり怪しくなる。大きな道路があるのに、示す方向は、人が一人歩けるだけの細い道。突然山歩きかと思う。仕方なく歩いて行くと、何とか通り抜けて廟がある所に出た。しかしそこも博物館の裏側なので、ぐるっと回らなければ入れなかった。

 

一体どうしてこんな構造になっているのだろうか。それはこの広い道がほぼ自動車専用道であり、この博物館には原則車でないと来ないからだ(しかもバスも通っていない)と、正門の前に立ってようやくわかる。入場料を払って中に入るときれいな庭があり当然ながら敷地も相当に広い。

 

靴を脱いで室内に入ると、そこは王様が日常生活を送る場所。決して宝石などが並ぶのではなく、洗濯機があったり、歯医者の設備があったりする。こういう王族の日常が見られる博物館は珍しいのではないだろうか。ふつうは王様の偉業などについての展示が多いはずなのだが。更に行くと、別の建物で特別展として、王様の写真が飾られ、歴史が書かれ、玉座が置かれ、剣などが展示されているスペースがあった。こちらが普通の展示に見える。

 

帰りは無謀にも自動道を何とか渡って帰ろうとする。が、どこへ行っても徒歩では閉ざされてしまい、一般道に出られない。バスもない。仕方なくそのチャレンジを中止して、また山道?をトボトボ帰る。こんなところにさりげなく王様の権威が出ているのだろうか。貴重な体験だった。

 

夜は昨日閉まっていた(祝日だから?)中国系の屋台で食べてみた。ここの人は昨日と違ってとても親切で、テキパキしていた。チキンライスも美味しく感じられ、おまけに料金も安い。こういう店が普通にあると、私のような旅人には本当にありがたい。でもマレーシアの美食を味わおうとすれば、もう少し出掛けて行かなければならないのだ。

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