マレーシア老舗茶荘探訪 その後2019(2)再びクランへ

9月3日(火)
再びクランへ

リベンジの日がやってきた。先日訪ねたクランだが、結局目的を果たせず、むなしく撤退した。だがその際に今日の約束を取り付けたので、もう一度出向く。しかも訪ねる場所は前回と同じ、自宅だ。場所の位置関係はもう分っているので、特に悩むこともなく、列車に乗り込む。

 

やはり1時間かかってクラン駅に到着し、少し待つと無料バスがやってきた。全く前回と同じ運びだ。だが降りるところが違う。前回はスマホ地図に間違った住所を入力してかなり歩く羽目になったので、今回は一番近いバス停で降りるため、地図を注視して、その場所を探った。残念ながら、前よりは近いとはいえ、歩いて2㎞ぐらいの場所にしか停まらなかった。まあやむを得ない。

 

そこからフラフラ歩いて見知った住宅地に入った。今回はパスポートの提示を求められなかった。そして門の前に着き、ベルを鳴らすと人が出てきた。有り難い。楊さん、楊瑞香の3代目だ。招き入れられ、お茶を振る舞われた。茶荘は20年以上前に畳んでしまい、現在は紅茶粉の工場が離れた場所に残っているという。

 

2代目のお父さんが出ていて話に加わる。楊瑞香は元々シンガポールで始まり、後にクランにも支店を出し、今はある意味ではどちらも無くなってしまったブランドだ。クランは福建系が多い街であり、楊家も安渓人であった。そんな話をしているとお父さんが『肉骨茶を食べに行こう』と誘ってくれる。肉骨茶はクランが発祥地、ここまで2度も来たら、やはり食べたいと思い、連れて行ってもらった。

 

車はクラン駅の近くまで戻って止まった。駅から歩いてすぐのところに創業80年の老舗肉骨茶屋があった。まだ11時台だというのにお父さんは急いでやってきた。『売り切れたら閉まる』からだという。店にはお客がパラパラ座っている。オーナーは忙しそうに働いている。やはり福建人だという。

 

突然こちらに向かって『どの肉食べる?』と聞いてくる。まさか肉の部位が指定できるのか。出てきた肉骨茶、スープが何とも濃厚で、素晴らしい。肉も厚みがあり、柔らかい。何だか肉骨茶を食べている感想ではない。だが、この店が始まった当初は、とてもこんな良い材料で、作られていたわけではあるまい。そこには華人の努力が詰まっているように思えた。

 

お父さんが、『是非連れて行きたいところがある』と言って、また自宅の方に戻っていく。実は自宅に上がった時、不思議な物を見た。日本の仏壇のようなもの。『僕は創価学会会員』と言われて、ビックリした。ここクランにも相当数の会員がおり、会館まで建てられているという。日本人の私のその活動を知って欲しいと会館にやってきた。

 

かなり大きな会館だった。これを会員の寄付で建てたというからすごい。今も月に1度、皆が集まるという。向かい側にはかなりの敷地を持つ池田平和公園まである。クランでこの規模だから、マレーシア全体では、相当の勢力になっているはずだ。日本の宗教法人、アジアでの勢いはすごい。

 

駅まで車で送ってもらった。次の列車まで30分ほどあったので、駅周辺を歩いてみた。まずは楊瑞香の店舗があったという場所へ。しかし今は完全にインド人商店街になっている。更に歩いて行くと古い教会が見える。駅の方へ戻るとヒンズー寺院もある。さすが港町クランだ、と思ったところで、列車が来た。

 

実はクランは昔の州都だが、現在セランゴール州州都は、シャーアラムだという。KLに向かうとすぐにこの駅があるので、ちょっと降りてみた。美しいスルタン・サラディン・アブドゥル・アジズ・モスク、通称ブルーモスクがあると聞き、是非見てみたいと思ったわけだ。

 

ところが駅を出た所で、スマホ地図を使おうとしたところ、何とも動かない。約1か月使って、遂に容量が無くなったらしい。駅前には何と店の一つもなかった。少し歩きだしては見たものの、方向も分らず、シムカードのトップアップが出来そうなところは全くない。これでは完全にお手上げだ。シャーアルム見学は次回として、次の列車でKLに帰った。

 

宿に戻る途中、シムカードの処理をした。10リンギで2GBとか言っていたけど、翌日使うとまたすぐに無くなってしまった。新しいものを探したほうが良かったのだが、何しろ後2日内だから我慢した。夕飯は疲れていたので簡単に済ませようと思い、目玉焼きの乗った焼きそばを食べる。

 

腹ごなしに駅のモールを歩くと、美味しそうなパン屋があった。デザート代わりに1つ買うことにしたが、美味しそうなのが2つあったので、それをトレーに乗せて会計に向かう。すると横の女性が『3つ買えばサービスがあるのよ』と教えてくれ、何となく3つ目を選んでしまう。割引があると期待したらなんと『あと2つ無料ですので、選んでください』と言われ、唖然とする。しかしここまで来たら仕方がないと、なんとパンを5つも抱えて宿に戻る。どうするんだ、これ。

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