マレーシア老舗茶荘探訪2019(7)クランの老舗茶荘を訪ねるも

8月22日(木)
陳さんと

翌朝は、まず宿の前の店に入り、カヤトーストとコーヒーで朝食をとる。これはマレーシアの定番朝ごはんだと思うが、ここで食べている人はほぼ観光客。そして店員のサービスレベルはかなり低い。早々に退席する。そして宿をチェックアウトして、近くの別のホテルに移った。まだ朝10時前なので、チェックインできるとは思わなかったが、ここのフロントの対応は非常によく、そのうえ部屋が空いていたので、荷物を入れることが出来た。

 

そこからまた元の宿に戻る。今日は知り合いの陳さんと会うことになっており、陳さんにはチェックアウトしたホテルの場所を教えていたからだ。車で迎えに来てくれ、どこへ行きたいかと、私の希望を聞いてくれる。私が、イポーの梁瑞生さんから教えられた茶荘の名を告げると、家の近くだと言って、まずはそこに向かった。

 

九鼎香茶荘は、ケポンという場所にあった。ここはプーアルなど黒茶類がかなり置かれており、老舗という感じはなかった。聞いてみると、1990年代に店を開いたという。ただ以前、茶葉が足りない時代にキャメロンハイランドで茶摘みをしていた人はいた、ということで、昔からお茶に関わっていると思われているようだった。マレーシアのお茶は紅茶だけだと思っていたが、この茶葉で烏龍茶なども作っていたらしい。

 

残念ながら早々に退散して、陳さんのオフィスへ向かう。彼は既にリタイアしているが、勿論今でも彼の会社である。若者が出てきて話をしてくれたが、なんと彼の息子だった。後継者として修業中。しかし話の内容は、日本大好き。特に仮面ライダーなどに興味があるというので、今度うちの息子を紹介して、一緒に秋葉原へでも行ってもらおうかと思った。

 

そうこうしているうちにお昼になる。当初は陳さんと二人で麺でも食べて軽く済ませようと話していたが、最近滅多に顔を見せない陳さんが来たということで、スタッフと一緒に食事をすることになる。潮州料理屋で美味い飯にありつく。だが不思議なのは、潮州料理屋なのに、店主は広東語を使い、客も広東語で答えていること。

 

しかもボスの陳さんは福建人なのに、皆で広東語を使いあっている(ほぼ全員が福建語もできるはずなのだが)。そして中華料理なのに、箸は出てこない。皆フォークとスプーンで食べている。何だか頭がさく裂しそう。でも逆にマレーシアの言語、華人の生活習慣などにとても興味を持ってしまった。来年はマレーシアにも長く滞在して、こういった些細な謎を解き明かしたいものだ。

 

昼ご飯の後も、陳さんのオフィスに行き、美味しそうなお茶をたくさん飲んで、ダラダラと雑談していた。さすがに眠くなったので、車で送ってもらい、新しい宿へ帰った。陳さんは今や悠々自適、この前まで中国を1か月旅し、今週末からは家族でバリ島に行くらしい。まさに悠悠で、羨ましい。

 

夕方までゆっくりと休む。このKLセントラル駅前、手軽で美味い店をなかなか見つけられずにいた。今晩は軽く、と思っていたのに、突然インド系の店に乱入して、魚、鶏肉など3品もメインを頼み、大盛りの飯も付いてきて、食べるのが大変だった。それでも完食してしまうのは、かなり問題だ。どこかストレスでもあるのだろうか。

 

8月23日(金)
クランへ行くも

今日は建源茶荘に教えてもらった、クランの老舗茶荘を訪ねてみることにする。地図で見ると、列車でクラン駅まで行き、そこからバスに乗るらしい。特に連絡もせず、突然訪ねるのだが大丈夫だろうか。行きつけるのか、ちょっと心配だ。KLセントラルから、クラン港まで列車が出ている。これで約1時間、ダラダラと乗って行く。朝8時台でも特にラッシュはない路線のようだ。どの列車に乗ればクラン港に着くのか迷うが、駅員に聞いて事なきを得る。

 

早めにクラン駅に着いたが、駅舎は工事中。バスはどこに来るのか分からない。2-3人が立っていたので、そこにいると10分ほどでバスがやってきたので乗り込む。料金をどのように払うのか聞くと『これは無料バスだ』というではないか。素晴らしい。それから20分ほど乗って、かなり郊外のバス停で降りる。

 

しかしどう見ても目的地ではない。私はスマホ地図に入れる住所を間違えてしまい、かなり歩く羽目になる。だがその目的地に着いても、どう見ても高級住宅地(パスポートを見せてようやく敷地内に入る)であり、茶荘があるようには思えなかった。そしてその番号の家へ行ってみたが、やはりただの住宅で、看板すらない。この一帯は華人のお金持ちが住んでいるようではある。途方に暮れる。

 

そこで初めて電話してみた。女性が出たが『何で自宅に来たの』と向こうも戸惑っている。遠くにある工場にいるらしい。彼女も困って、息子に電話しろ、と番号を教えてくれる。掛けると、いま遠くにいるので迎えに行くこともできない、と言われたが、その声はかなり好意的。後日にして欲しいと言われ、1週間後に再設定した。それにしてもこんな遠くまで来て、誰もいない、というのは茶旅でも珍しい。

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