沖縄を旅する2019(5)お茶会

7月7日(日)
お茶会

長いようで短かった沖縄滞在も今日が最終日。荷物を持って宿を出なければならないが、やはり雨が降っている。沖縄は梅雨明け宣言が出てから、完全に梅雨に逆戻りしたようだ。窓から外を何度も見てみるが、チェックアウトのタイミングは図れない。どうしようか。

 

10時前雨がかなり小降りとなった。この機会を逃してはならない、と外へ出た。チェックアウトと言っても、支払いは昨日済ませたので、鍵は部屋に置いておくだけで、挨拶もしない。何だかな、昭和の下宿は最後まで素っ気ない。傘をささない程度の雨の中、とぼとぼ歩いてバスターミナルへ向かう。

 

まだ時間的には早かったので、図書館で過ごしたいと思ったが、この大きな荷物をどうするべきか。取り敢えず図書館で聞いてみると、何と預かってくれるという。小さな荷物はコインロッカー(無料)に入れておけばよい。こういう行政サービス、何とも有り難く、助かる。図書館で2時間ほど、昨日の反省をしながら本を読む。

 

 

今日は与那原まで向かうのだが、昨日乗ったバスと全く同じバスに乗り込む。既に一度経験しているので気持ちは非常に楽になっており、緊張感はなかった。それがいけなかったのだろう、ふと考え事をしているうちに、目的地に到着したと思い、慌てて荷物を持ってバスを降りてしまった。ところがそこは『与那原』ではなく、何と『与那覇』という場所。与那まで一緒だったので、つい間違えてしまった。こんなこともあるのだろうか。

 

さて、どうしたものか。与那原まで迎えに出てくれているUさんに連絡を入れると、近いのですぐ来てくれた。地元の人は間違うことなどないのだろうが、なぜこんなに似た地名なのだろうか。きっと何か意味があるに違いない。そんなことを考えているとUさんの車にピックアップされ、茶房一葉に向かった。

 

茶房一葉、こちらも1年半前に紹介されて訪れた場所だ。ただ突然お店に行ったのでUさんが大変驚いていたのは、とても印象に残っている。それからFBなどで近況を相互に見て、コメントなどももらい、交流していたことが、今回の会に繋がった。これも茶縁であろう。このお店は、とても居心地の良い空間であり、またここに戻れたことは何とも幸せだ。

 

今日は10人程度のお茶会が開催され、台湾茶について、雑談しながらご質問を受けるというスタイルで行われる。皆さんが来る前に、Uさんが美味しいお昼ごはんを用意してくれており、有り難く頂戴した。やはり喫茶店を経営するような人は、なんでもうまく作れるということだ。お菓子なども手作りするそうだ。

 

取り敢えず2時間、お話しした。急に質問と言っても難しいと思うので、勝手に話題を見つけて話してしまった。これが皆さんにとって良かったのかどうかは全く分からないが、私個人は結構楽しく過ごしていた。何の筋書きもない話、それは私の茶旅そのものであり、これが本来私のやりたい講座の形ではないかとも思った。特に厳しい質問が出るでもなく、和やかに終了。

 

参加者はかなり遠くから来られた方もおり、満足されたかは心配だが、仕方がない。お茶会後も残られた人の中に、何と栃木の隣町の出身で、あの女優、山口智子とも同級生だった(うちの弟が山口智子と中学の同級であることを、先日息子たちに話したばかりだった)ので、とても驚いた。沖縄には県外から移ってきた人も多い。そのような人々は、本当にお茶の歴史がどうなっているのかを見て、お茶を通じて沖縄の歴史を考えていくのもよいのでは、と思ってしまった。

 

今晩は夜便でバンコックへ行く。最後はUさんが車で空港まで送ってくれた。那覇市内を通らない、日曜日の夜は空港まで30分ちょっとついてしまう。それでも雨が降ってきたので、何とも有り難い。そして何より、今回の一連の主催者として、動いていただき、とても感謝している。

 

未だ出発まで2時間以上あるのに、既にピーチには長蛇の列ができていた。ただよく見ると、ほぼ同時刻に台北行きもあり、そちらが先にチェックインをスタートしたところだった。台北行きとバンコック行き、作業速度に明らかな差があった。台湾人はちゃんと準備しているが、タイ人はそこに行ってから書類を探し、荷物が重量オーバーしているからだ。沖縄ですでに、タイを感じる瞬間だった。いずれにしても日本人より外国人が圧倒的に多い。

 

出国審査を終えると、ホッとして少し腹が減る。ところが何と、ご飯を食べるところはほぼ閉まっていた。商売熱心じゃないな、日本は。深夜便の乗客が入ってきたところで店を閉めるなんて、と言っても仕方がない。日頃の食べ過ぎを是正する良い機会だ。だが、飛行機が飛んでも腹が減っていて眠れない。機内食を買おうとしたが、何と搭載していなかった。この時間に食べ物を購入する人がいないのだろう。ひもじくバンコックに向かった。

 

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