沖縄を旅する2019(2)ちんすこう屋さんで

7月4日(木)
ちんすこう屋さんへ

翌朝は曇っていた。知り合いのIさんと朝食を食べるために、旭橋の駅をまたぎ、前回私が泊めてもらったIさん所有アパート付近のベーカリーに行く。旭橋には昨年工事中だったバスターミナルがきれいに完成しており、その上に県立図書館が移転してきていたのは嬉しかった。昨年は歩いて30分ぐらいかけて行った図書館が、すぐの場所にやってきたのだ。

 

このベーカリー、やはりパンが美味しい。中国人観光客の家族なども食べに来ており、朝から満員だ。Iさんにも色々と変化があったようだ。昨年やっていた民泊は条例施行により取りやめとなり、普通のアパートになったらしい。私はまた泊まりたかったのに。相変らず朝から元気だったが、昨年1月一緒に訪ねた台湾人の死の話では、暗くなってしまったが、仕方がない。

 

実は1件、ワードファイルを印刷して郵送する必要があったので、Iさんと別れたその足でファミリーマートに行ってみた。勿論機械はあるのだが、何とPDFでないと印刷できないらしい。困っているとIさんがワードをPDFに変換してくれたので、何とか印刷のこぎつけ、そのままコンビニで切手と封筒を買い、コンビニ内のポストに入れた。21世紀もかなり経つというのに、今で原本主義とは、日本の会社も困ったものだ。

 

それから駅の横、バスターミナルの上にできた県立図書館を覗きに行く。当たり前だがきれい。5階にある沖縄関連本のフロアーに入ると、見たい本がたくさんあることに気が付き、急遽、ここで勉強することにした。土曜日のセミナーでも必要な内容が補足でき、とても有意義だった。それにしても殆ど人がおらず、なんとも贅沢に見える空間だった。これからも時間がある限り、ここで過ごそう。

 

昼ご飯は図書館のすぐ近くにあり、鶏料理屋に入る。ここも前回来たところだったので、勝手は分かっているつもりだったが、修学旅行生などが入ってきて混乱する。ここのタルタルソースと卵、意外とうまい。ボリュームがかなりあるので、食べ切ると腹がかなり膨れる。

 

今日は午後2時におもろまちまで行くことになっていた。雨が降っていれば当然ゆいレールで行くのだが、ちょうど雨は止んでおり、まだ時間もあったので、国際通りを歩いてみた。そこで思い出したのが公設市場。確か無くなってしまったというニュースを見たので行ってみたが、すぐ近くに移転しており、既にそちらでの営業が始まっていた。中国人観光客らが、料理してもらって食べようと真剣に魚を選んでいた。

 

あまり暑くないのでフラフラ歩いていると、いつしかやちむん通りに入る。陶芸の店やおしゃれなカフェがいくつもあるが、雨模様のせいか、お客は殆ど歩いていない。そこを越えていくと、おもろまちに到着した。そこにAさんが迎えに来てくれ、車で彼女のお店に行った。

 

そこは元祖ちんすこうの本店。首里駅からも歩くと15分ぐらいかかるというので、迎えに来てくれたのだ。ちんすこうは以前庶民の食べ物ではなく、王族の物だったから、お店がここにあるのも頷ける。工場はだいぶん前に移転しており、今は店舗が残っていた。観光客が来るような場所でもない。

 

ここでちんすこうについて色々と聞いた。土曜日のセミナー、実は『ちんすこうのルーツを訪ねる旅』の話もする予定なので、もう一度確認しておこうと思ったわけだ。ちんすこうは元々焼き菓子か蒸し菓子か、と言った問いにも、『ちいるんこう』という蒸し菓子があることも分かり、不明な点が多々あることを再認識した。

 

また沖縄茶の歴史についても、昨年お会いしたのち、色々な方に聞いてくれており、その辺の話も聞いた。勿論本に書かれていることは重要なのだが、書かれていない、生の声、情報も本当に必要だと痛感する今日この頃である。かなり昔のことだから思い違いなどもあるとは思うが、聞いたことを一つ一つ検証することが大切な作業となる。

 

お茶も沖縄産煎茶などを入れて頂く。お菓子はちんすこう、ちんるこうなどの他、特製の物までたくさん出して頂き、色々と味わった。本来はお茶とお菓子、この良い組み合わせを見つけて推奨するのがお茶の商売だろうが、私にはその力量はない。お菓子屋さんからの提案は重要ではないだろうか。

 

帰りもまたゆいレール駅まで送ってもらった。県庁前に差し掛かった時、那覇市歴史博物館がパレットに入っていることに気が付き、急に降りて向かった。那覇の博物館なら何か参考になる展示があるかもしれないと思ったからだ。ところが何と今日は休館日だった。これまで様々な博物館に行ったが、木曜日が休館というのは初めてで驚いた。どんな事情からそうなったのだろうか。

 

ちょっと気落ちしながらエスカレーターを降り、地下の食品売り場に向かった。ここで飲み物と、サーターアンダギーなどのお菓子を買い込んだ。レジ袋は有料だった。先進的だな。夜は雨だったので、持っていたお菓子などを少し食べただけで、部屋から出なかった。決して快適ではないと思っている場所でも、雨が凌げればよい、という感覚になる。

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