沖縄を旅する2019(1)昭和の下宿へ

《沖縄を旅する2019》  2019年7月3-7日

昨年1月、沖縄のお茶について本格的な?調査を実施し、様々なことが分かって来た。更にほぼ同時に『琉球人と茶』という本が刊行されるなど、沖縄のお茶への関心が少しずつ高まっていると感じている。今回はついに沖縄で、沖縄の人に、沖縄の茶の歴史(ついでにちんすこうも)を話す、という大胆な企画にチャレンジすることになった。これはかなりの緊張を伴うもので、果たして反応はどうか、とても気になる所である。

 

7月3日(水)
那覇へ

今回那覇に入ったのは、東京からバンコックまで行く安いチケットを探していたところ、LCCピーチの沖縄経由があったからだった。折角なら、沖縄にも滞在して、何かしようと思い、この便を予約した。成田から那覇まではピーチが飛ぶようになったのは、何とも有り難いことだ。

 

成田空港に行ってみると、第1ターミナルの脇の方に、ピーチのカウンターがあった。何とも小さな空間だが、こういう狭さが安さに繋がっているとも感じられるので、対顧客上は悪くない。そしてチェックインは原則機械で行い、預け荷物が必要な人は隣に並び直して行う。思ったよりずっと効率よく進むので問題はなかった。ピーチの良さは『効率と顧客目線』こんなところにある。

 

搭乗はバスで向かい、タラップを上がる。それから3時間、機内で殆ど何もせず、目をつぶっていた。特に疲れていたわけでもないが、これからの長旅を考えると寝るのが一番かと思われた。ふと気が付くともう着陸態勢だった。乗客は7割ぐらいの搭乗率で、隣も空いており、快適に過ごした。

 

那覇空港に降りると、すぐにゆいレールに乗る。スイカなどが使えないので切符を買う。そのオールドデザインの切符を機械にかざして入る。那覇に来るのは昨年1月以来。あの時はとても寒くて腰をやられたが、今回はちょうど梅雨明けの時期で、夕方は快適な気温だった。旭橋で降りて、予約した宿に向かう。

 

今回の宿、完全に昭和だった。実は半月以上前に国際通りにほど近い新しめの宿を予約していたが、何と昨晩遅くに確認したら、男女混合ドミトリーのベッド1つが予約されていて慌てた。さすがに4泊もドミトリーはおじさんにはきつ過ぎる。よく見ると、前日の23時59分までは無料でキャンセルできるとあった。時間を見ると23時55分、猛スピードでキャンセルに成功した。

 

だが、泊まるところが見つからない。既に沖縄は夏の旅行シーズンに突入しており、特に週末は部屋が取れなかった。今から明日の宿をとる、こと自体が至難の業になっていた。そんな中、一軒だけ4泊取れる宿があった。料金はさほど高くない。しかし一体なぜこの宿はこの時期に空いているのか。怖いもの見たさで予約してみた。

 

旭橋から10分もかからない場所にあったその宿に、昭和の下宿屋、XX荘を思い出した。受付に行っても、部屋番号を言われただけで鍵すら渡されず、お金もいつ払うのか分からなかった。3階の部屋は畳部屋。なかなか見られない骨董品のような場所だった。かなり広いのは2人用の部屋を予約してしまったかららしい。だから思ったより高かったわけだ。エアコンは100円玉を入れないと使えない。小型テレビの映りは悪い。トイレと風呂は共同で、廊下はきしむ。部屋は蒸し蒸しと暑く、学生時代の下宿を思い出した。

 

取り敢えず日も暮れていたので、夕飯を食べに出る。確か前回来た時に近くに手頃な食堂があったはずだったが、いくら探しても見つからない。ちょうどあった別の店に入り、なぜか茄子のみそ炒め定食を頼む。これは意外と美味しく、あっという間に平らげた。これは沖縄料理なのだろうか。因みにこの店の名物はとんかつらしい。

 

部屋の窓を開けておくとスコールが来た時部屋が濡れてしまうが、窓を閉めて出掛けて帰ってくると暑い。エアコンは使わないと決めて、この辺を工夫しながら過ごす。シャワーとトイレ、洗面が一緒なので他人の迷惑にならないようにと思ったが、どうやら3階にはお客はもう一人しかおらず、バッティングすることもなかった。アジアのゲストハウスも段々きれいになっている中、何とも懐かしい雰囲気だ。エアコンはないが扇風機はあるので、夜はそれほど暑くはない。夜中にかなりの雨が降り、その音で少し眠れない。

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