ハノイで飲む濃い目のお茶2012(1)ハノイ フォーと言えば牛肉か

《ハノイでお茶を 2012》   2012年3月17日-22日

2004年、家族旅行でハノイに行った。旧正月の寒い日で、また鳥インフルエンザの発生もあり、休暇気分になれなかった。店も大半が閉まっており、お茶を飲むことも殆どなかった。ある日、誰かが「茶樹の原産は雲南か、それともベトナムか」と言い出した。なんだそれ?最近ベトナム北部の茶樹が中国の茶樹より古いという話が出たのだという。よく分からないが、香港滞在中にハノイに行って見ようという気になる。

1. 出発まで

ハノイには家族旅行で行った際に会ったズンさんというベトナム人がいた。彼に連絡すると一生懸命にハノイのお茶を調べてくれた。これで茶畑に行けるし、通訳も確保した。幸先が良い。またもう一つの課題、それは「ベトナムの生産効率は中国より劣るのか」。これに関しては大学時代の後輩のご主人がハノイ駐在となっており、彼にお願いして、昔中国に駐在した経験があるハノイ駐在員にお話を聞くことにした。

ベトナム行きは近い割には航空券が意外と高い。ネットで検索すると香港航空が一番安いとある。今回はこの航空会社にチャレンジしてみよう。日本ではちょっと色々とあったが、気を取り直して、ハノイを満喫しよう、そう思える出だしであった。

3月17日(土)

2. ハノイまで

香港航空の出発を空港で待っていたが、残念ながら少し遅れるとの情報が入った。やはり機体をギリギリで遣り繰りしているのだろうか。仕方なく、空港内を散策。最近は寿司コーナーなどもあり、レストランは充実している。まあ、機内食も出るだろうから、食事は取らずに眺める。

出発ゲートに戻ったが、何となく雰囲気がおかしい。先程まで居た人々がいないような気がする。念のため、係員に聞くと、何とゲート変更があったという。アナウンスはしたようだが、完全に聞き漏らす。変更ゲートを聞くと、耳慣れない三桁の番号。そんなゲートあるのか、と半信半疑で探す。ようやく見付けたゲートは何と通常ゲートより一階下にあった。これはちゃんと聞いておかないととても来られるものではない。そしてすぐに搭乗が始まり、バスで移動。もう少し気が付かなかったら、乗り遅れていたかもしれない。危ない、危ない。

機内は満員、格安航空会社の雰囲気がする。嫌な予感があったが、やはり食事はホットドック1つ。何も出ない格安航空会社より良いが、嫌返って食事が無いと分かっている方が備えが出来て良い。空腹を抱えて2時間弱のフライトに耐える。

3. ハノイ   (1)    一日目夜

空港で

8年ぶりのノイバイ空港は特に変わった様子はなかった。前回来た2004年に新空港開港直後だった気がする。イミグレはスムーズで問題はない。先ずは両替所に行き、両替する。午後8時過ぎ、ズンさんから指示があった両替所以外は全て閉まっていた。有難い。続いて携帯のシムカード購入。こちらも10ドルで簡単に購入できた。ベトナムも便利になった。

外へ出ると、タクシーの声が掛かる。白タクは嫌だったのでタクシーの列を探すが、制服を着た女性が凄い勢いで「こちらへどうぞ」とばかりに手を広げる。その勢いに押されて乗り込む。大丈夫だろうか。こういう時、結構不安に陥ったりする。空港を出ると外は真っ暗、あまり変わりがないように見える。ある程度行くと以前も見たキャノンの工場が見え、方向性は確認できる。

どこをどう通ったのか分からないが、かなり細い道に入った。時間は9時半を過ぎ、外は小雨。とうとう予約されたホテルに着き、タクシーはほぼ正規料金を取り、去っていった。さて、疲れたし、空腹を感じながら、チェックイン。ところが・・・。

予約はベッド1つ

ボーイが私の荷物を持ち狭い階段を上がり始めた。このホテル、6階建てだがエレベーターはない。どこまで上がるのか、と思うとボーイはスルスルと6階まで上がってしまう。私は息も絶え絶えに??後を追う。ようやく追いつき、部屋に入ると、そこにはベッドが3つあり、何と真ん中に西洋人の女性が寝ていた。驚いていると、そこを通り過ぎて、更に奥に。そこにもベッドが3つあり、ボーイが1つを指す。

私には何がどうなっているのか理解できなかったが、分かったことは、私の予約は個室ではなく、ベッド1つだということ。驚いてズンさんに電話を入れると彼も驚いてボーイと話し出す。どうやら話がついたようでボーイが荷物を持って降りていく。安心して着いて行ったが、何と1階まで降りてきてしまい、また息が切れる。先程チェックインした時の女性に話すと、「部屋はない、取り敢えず今晩はあるベッドに寝てくれ」とすげなく答える。このような対応には腹が立つ。文句を言うと彼女も四の五の言うが、最後は「他のホテルを探す」を言い、電話を掛ける。

2-3軒に掛けてどこか見付かったのか、不機嫌そうにボーイを顎で呼び、何か伝える。そして私に向かって、ボーイについて行けと軽くいい、申し訳ないの一言もない。何故なのだろうか。ボーイは外へ出ると私の大きめのバックをバイクの前に挟み、後ろへ乗れと言う。小雨は降るが何とバイクは走り出す。そして3分ほどで、ホテルの前へ。

系列ホテルかと思ったが、全く違うホテルにチェックイン。ここのフロントは実に愛想がよく、またエレベーターもあり、個室も広かった。ネットも繋がり快適。これで20ドルなら満足。実は部屋がここしか空いていなく、前のホテルが差額の5ドルを負担して、私が泊まっていることが翌日分かったのだが。

フォーは牛肉だけ

時間は既に夜10時。ようやく部屋に落ち着いたが、兎に角腹が減る。どうしようか、先ずはロビーに行き、フロントの女性に「この辺で食事が出来る場所」を聞く。すると彼女はすぐに紙を取り出し、説明を始める。地図に手書きで書きこまれた場所と食べ物、これはその後も実に役に立った。大きなホテルではこのようなサービスはない。旧市街地の安宿ならではの素晴らしいサービスであった。

先ずはベトナムと言えば、フォー、ということで、探す。地図にあった場所は見付からず、その辺の屋台でチキンフォーを頼む。すると店のお婆さんが「チキンなんてあるわけないでしょう」という顔をした。そして牛肉を指す。後で聞くとハノイではフォーと言えばビーフなのだそうだ。チキンは戦争でチキンが手に入らない時に中部や南部でチキンを使ったとのこと。これは知らなかった。

牛肉入りのフォー、ボーフォーは実にウマかった。勿論空腹であったことも一因だが、何よりスープが良い。セロリと香菜も効いている。夜10時でもお客は歩道にせり出した椅子に座って皆食べている。これがハノイの食文化か。8年前にはない体験だった。1杯、5万ドンは勿論かなり値上がりしている。

続いて歩いていると男たちがビールを飲んでいる店があった。何となく入ると店内に何故か漢字で「禅茶一味」と書かれた額が掛かっている。華人の店なのだろうか。ハノイのベトナム人は中国人が嫌い、とよく聞いていたので、意外。だが店の誰も中国語は話せず、返って英語は通じた。ただこういう店は、外国人料金なので高くて不味い。ここではチャーハンを頼んだが、やはりそうだった。残念。



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