広東・厦門茶旅2019(7)厦門は休日ムード

厦門で

厦門には昨年11月、そして先月もやってきたので、かなり事情は分かっていた。厦門北駅は相当街から遠く不便なので、今日もわざわざ本数の少ない厦門駅行を選んで乗った。降りたら、後は歩いて、チェーンホテルにチェックインするだけだ。しかしこのホテル、前回も予約より当日の方が同じ部屋が安い。そしてそれを伝えると、ちゃんと安い方にしてくれる。これなら予約しない方がよいのでは、と思ってしまう。

 

バスに乗って王さんの工作室に向かう。先月も訪ねていたので、場所は分かっており、宿からバス一本で行けるので、かなり楽だった。彼は元々雑誌の記者だったのだが、お茶好きが高じて、何と本格的なお茶屋になろうとしていたので、驚いた。王さんは少しお茶を淹れてくれただけで、お茶の包装に余念がない。

 

私はここに置かれているお茶関連の本が見たくて来たのだから、特に問題ない。ここには相当昔出された本のコピーなどもあり、本当に貴重な資料が揃っているので、有り難い。今回は譲ってもらえる本があればと思いやってきたのだが、基本的に欲しいものは大体手に入れることができ、大満足。今後の調査に役立ちそうだ。

 

それから梅記の王さんのところへ行く。今日は海峡茶市場の方にいるというのでバスから地下鉄に乗り換えて向かう。確か2年前、ここを訪れた時は、未だ地下鉄工事中だったのを思い出す。確実に時は過ぎているが、王さんたちのプーアル茶の店は健在だった。ここで20年物の白茶を頂く。これはかなりうまかった。そして夕飯もご馳走になる。

 

宿に帰ってテレビを点けると、今回は卓球をやっている。深圳で行われているチャイナオープン。日本と中国の選手が大挙して出場している。ちょうど馬龍と丹羽の試合を生中継。その後は、何と伊藤美誠を特集している。中国にとっても、最大のライバルが日本だ、ということをかなり意識している証拠だ。

 

6月1日(土)
散策

今日中国は児童節の祝日。そして土曜日でもあり、パパたちは大忙しだ。私が会いたいと思っていた人々も、何かと忙しく、今日、明日は無理のようだったので、自らちょっと歩いてみることにした。昼前にいつもの店に行き、いつもの鴨肉20元の定食を食べる。このコスパはどうしても外せない。

 

そこからフラフラ歩いて、開元路へ向かう。ここは昨年も歩いてはいたが、先日香港で堯陽茶行の王さんが『1930年代に茶行を開いていたビルが開元路にまだ残っているよ』と言っていたので、確かめに来たのだ。ヒントは市場の横のビル、ということで、長いトンネルのような市場を抜けると、その四つ角に確かに古いビルがあった。勿論今は違う店が入っているのだが、ビルの横の壁を見てみると『王』という苗字が見えている。恐らくここだろう。他の大茶商のビルがほぼ消えている中で、ここは貴重な存在ではないのだろうか。

 

それから鎮邦路、中山路、水仙路と歩いていく。何度歩いてももう歴史的な物は発見できないのだが、この何とも迷路のような脇道に入るのもまた楽しい。大通りではひと際、小さい子供を連れたファミリーが多いと感じたのは、気のせいだろうか。何だかみんな楽しそうに見えるのだが、実情はどうだろうか。

 

地下鉄に乗って宿に帰る。この宿は地下鉄駅から近いという利点もある。駅を出るとショッピングモールがあり、そこでフルーツ盛り合わせをチョイスしてテイクアウトした。もう流石に食べ過ぎなので、セーブする。夜は今晩も卓球を見て過ごす。伊藤美誠と丁寧の試合は白熱している。昔『石川佳純の卓球はうまいが、体重が軽すぎるから勝てない』と言った中国の解説者が居たが、伊藤はどう見えているだろうか。

 

6月2日(日)
空港で

香港に始まった今回の旅も最終日となる。宿で朝食をとり、タクシーを呼んでもらって空港に向かった。これも何となくルーティーン化してきている。空港も2時間前にしか、チェックインカウンターが開かないことにも慣れていた。今日はぎりぎり2時間前に到着すると、既に乗客は中に入っており、長い列ができていた。

 

私の番が来ると、係員が『台湾から出国するチケットを見せて』というではないか。そんなこと、これまで一度も言われたことがない。実はすでに東京へ戻る便は予約済みであったが、何とGmailが見られるシムカードはほぼ使い切っており、画面が表示できない。係員は『空港のWi-Fiを使って』というのだが、それでは見られないと告げると、『提示できないなら、この場で購入してくれないと乗せられない』というではないか。

 

これには心底驚いてしまった。そしていつもは厦門航空だが今回乗るのが華信航空だったとようやく気が付いた。華信は中華航空の子会社となっており、元を正せば『台湾からの出国チケットルール』を昔から後生大事に守っているのは、中華だけなのだ。少なくとも中国においてチケットが提示出来ない今回のようなケースには特例があってもよいと思う。

 

だがこの件では常に乗客ともめているので、スタッフは誰一人として同情を示したりはしない。すべてこちらが悪いと言い張る。何かがおかしいこの制度、少なくとも90日ノービザの日本人に関しては、台湾政府に改善を求めたい。最後に奇跡的にGmailが開き、何事もなかったかのように搭乗ゲートへ向かった。

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