福建茶旅2019(7)厦門にて

4月12日(金)
厦門へ

もう疲れはピークに達していた。朝はゆっくり起きて、ゆっくりご飯を食べた。そしてゆっくりと福州駅へ地下鉄で向かった。厦門北駅行きの列車は沢山あるのだが、私は敢えて厦門駅行の列車を予約する。厦門北駅は街から遠く、BRTの切符を買うのも大変で、しかも車両が狭いのでとても面倒だという印象を持っていた。しかも今回予約したチェーンホテルは厦門駅近くにあり、歩いて行けそうなので、こちらを選択する。

 

切符の予約はできるのだが、窓口でパスポートを提示して切符を受け取るのにどれだけ時間がかかるのかが心配で、相当早くホテルを出た。だが最近中国人は殆どが身分証とスマホ予約で窓口に来ることはなく、列はそれほど長くはない。それでも窓口に来る人は訳アリだから、時間的にはかかる。特に今回は、支払いを支払宝などで行おうとして慣れておらず、時間がかかっていたおじさんが数人いた。そういう人に窓口の女性は容赦なく、怒鳴り散らすからすごい。

 

何とか列車に乗り込み、居眠りすると、あっという間に厦門北駅を通過していた。だがここから速度がかなり落ちる。街中を走るからだろうか。厦門駅まではかなり長く感じられる。駅で降りて、ホテルへの道を探すが、駅周辺が複雑、かつ大きな道が邪魔をして、なかなかたどり着けない。駅から徒歩10分の距離だが、20分以上かかってようやくホテルに着く。大型ショッピングモールはあるものの、何となく懐かしい雰囲気の場所だった。

 

先日福州のフロントではちょっと嫌な思いをしたので、どうなるかと思っていたが、ここの人は親切で、このチェーンホテルの型通りだった。しかも本日のホテル料金を見ると、予約した時より安いのでそれを指摘すると、ちゃんと差額を返してくれた。部屋は狭くて専用デスクも無く、快適とも言えないが、そのようなサービスを受けると悪くは言えない。

 

食べ過ぎだったので、昼を抜こうと思っていたが、ホテルに着くと腹が減る。すぐ横に新疆料理屋があったので、なぜか入ってしまい、ラグメンを注文する。さすがに福建系の料理が続いたので、飽きてしまった感があり、ウイグル人が作るラグメンを欲していた。久しぶりのせいか、麺にコシがあり、味付けもうまく感じられる。その後は疲労回復のため、部屋で休息した。夕飯はあまり減っていなかったので、麺線糊という麺を軽く食べて寝た。

 

4月13日(土)
厦門で

翌朝はホテルで朝食を食べてから出掛けた。昨年お会いした張源美関係者の張さんから『父が書いた本の新版が出たのであげるよ』とメッセージが来ていたので、それをもらいに行ったのだ。待ち合わせ場所に行くと、『ちょっと見ていくか』と誘われ、訪ねた場所は張さんの知り合いが開設した私設博物館。中国中の奇岩が集められており、張さんが台湾人のお客さんを案内している最中だった。こんなところもあるのかと驚き、30分も石を眺めて過ごす。

 

午後はこれまた昨年会った王さんの工作室を訪ねた。王さんはこれまで福建茶の歴史をかなり掘り起こして、関係者にもインタビューしており、記事もたくさん書いていたので、色々な話を聞きたかったが、お茶好きが高じて、今やお茶屋になっており、注文、発送作業から、パッケージの打ち合わせまで忙しそうだった。私として何となく目的を果たせずに去る。

 

4月14日(日)
台湾へ

翌日はいよいよ台北へ戻る。ホテルから空港までは疲れたのでタクシーに乗ったが、日曜日のせいか、あっという間に着いてしまう。出発2時間半前だったが、チェックインは2時間前からだと言い、既に長蛇の列ができていた。この列がそのままチェックインカウンターに流れ込み、かなり長い時間待たされるのはかなわない。

 

そしてようやくカウンターでチェックインとなったのだが、『台湾から出るチケットを提示してください』と言われて慌てる。まさかそんなこと聞かれるとは思っておらず、既に中国移動香港のシムカードはリミットを過ぎていて、Gmail内に保管されているチケットを見せることができない。『見せないとどうなるのか』と聞くと、『この場でチケットを買ってもらう』というではないか。

 

驚いていると突然Gmailが開き、帰国チケットを見せて事なきを得た。だがその係員の態度にはかなりの違和感があり、『何度も台湾に入国しているが、他の航空会社では聞かれていない。入国時に確認を求められたこともない』と説明しても、『当局のルールです』と突っぱねてきたので、本当にびっくりした。しかし思い返してみれば、この華信航空、中華航空の子会社であり、中華だけがこの嫌がらせのような扱いをずっと続けていると聞いた記憶が蘇る。もうこういう会社には乗らないぞ、と思うのだが、最近安い料金が目を惹いている。フライトは順調であっという間に桃園空港に降り立った。やはりイミグレで帰国便を聞かれることなどなかった。

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