台湾茶縁の旅2014(1)香港 定年退職の日に

《台湾茶縁の旅2014》  2014年3月17日-24日

 

会社を辞めた3年前、最初に目指したのは台湾だった。やはり何といってもお茶があるから、茶旅には最適。そこで色々な旅をしてコラムの執筆も行った。だがその後はアジアの他の国へ出向くことが多く、完全にご無沙汰してしまった。1つの理由はバンコック‐台北の航空券が意外と高かったこと。台北経由で日本に帰ればよいと安易に考えていたが、それは適わなかった。経由地は北京など中国に集中した。

 

そして3年ぶりにチャンスが訪れた。きっかけは香港のお茶友達、Sさんからのメール。『今度北埔へ初めて行きますが、どこへ行ったらよいですか』という質問を受けたが、何と私は北埔という地名を知らなかった。Sさんからは『台湾茶について書いているような人が北埔を知らないなんて(とんでもない)、是非一緒に行きましょう』と言われ、ちょっと興味を持ち、その気になる。

 

ただスケジュールが立て込んでいた。ちょうど言われた日程はプノンペンに行っている時期。それでも目玉のプロジェクトは3月15日だったので、16日にプノンペンから台北に直接向かえば何とかなると高を括って『行きます』と返事をした。ところがプノンペン‐台北に航空券は意外なほど高く、一度バンコックに戻り、翌朝台北へ行くことになってしまった。しかもフライトはキャセイの香港経由。果たしてどうなるんだろうか。

 

3月17日(月)

1.香港

空港で

実はキャセイの航空券が最近安い。その話は意外だったが、LCCの台頭や中国経済の減速など、様々な要素からそうなってきたのだろう。とにかくキャセイは機内が寒い、ということで敬遠していたが、安いとなると無視も出来ない。

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バンコックの空港でメールをチェックしたところ、何と前の勤務先の香港駐在時代、大変世話になった女性職員から『今日で定年退職する』とのメッセージが届いていた。そうか、彼女と知り合ってから27年、一緒に働き始めたのは23年前。そんなに経ったんだ。こんな日に香港経由で台湾に行くのは偶然ではないだろう。

 

フライトは順調だった。乗客の多くは中国人。香港経由で大陸へ戻るらしい。CAも普通話を使って対応している。昔は一目見れば香港人か大陸中国人か見分けがついたが、今や服装などでは分からない。キャセイと言えば取り敢えず英語、だったが、客の変化に対応している。当然私に対しても普通話対応。

 

香港ではトランジットのため、荷物チェックを受けるのだが、そこはかなり混んでいた。さっきのフライトの乗客も沢山並んでいる。もう少し職員を増やしてほしい。キャセイの乗継は2時間程度しか余裕がないが、チェックだけで小1時間かかるのは困る。ようやく出発ゲート近くに来た時は搭乗50分前。

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急いで彼女の携帯に電話を入れてみたが、繋がることはなかった。ちょうど昼時、みんなで最後のランチにでも行っているのだろう。まあ、最後の日を同じ空間に居られることが幸せ、と思って飛行機に乗った。後日彼女からメールが来た。『今度香港に来るときに飲茶しましょう』、そのお誘いはいつ果たせるのだろうか。

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