天津・大連・北京周遊茶旅2018(9)北京へ

12月23日(日)
VIP待遇

今朝は6時に起きて、7時前にはホテルを出た。まだ周囲は暗く、人通りも殆どない。地下鉄駅がある地下に潜るまでの数分間は本当に寒かった。地下鉄にもあまり乗客はいない。日曜日だからだろうか。先日空港から乗った路線を引き返す。30分で空港に着いてしまうのは、何とも便利で有り難い。

 

空港に着くと正面にVIPカウンターがデカデカと見えた。こんな空港は初めてだ。そしてなぜか私の持っていたカードでもこの待遇がウケられ、チェックインはあっという間、いつもは手間取る荷物検査もVIP待遇ですぐに抜けてしまった。大連はこんな所のサービスにも力を入れているのだろうか。まあ、兎に角有り難い。

 

時間が余ってしまったので、本屋に入る。昨日のこともあるので期待はしていなかったが、驚いたことには日本関連の中国語本が多い。特に第二次大戦など歴史関連が見られるのは、中国人も日本の歴史を知ろうという意識の表れなのだろうか。歴史問題、確かに官製の歴史で海外に出ると色々と困るかもしれない。いやここに並んでいる本も官製か。フライトは順調で寝落ちている間に北京に到着。

 

大連空港だけでなく、今日の私は北京でもVIP待遇を受けている。慣れ親しんだ北京空港をサクサクと外へ出ると、そこには迎えが待っていた。そして車は快晴の北京市内、東三環路の5つ星ホテル、グランドミレニアムへ滑り込む。普段はもう泊まることなどない高級ホテルだが、これも全て先日の香港のご縁でなされたものだった。

 

部屋は広く快適。テレビを点けるとNHKが写り、少しだけ全国高校駅伝を見ることが出来た。そして香港オフィスから指令を受けた北京オフィスの人が連絡をくれ、ランチを一緒に食べる。このホテルのレストラン、飲茶が旨いことで有名で、10年ほど前にも当時ここに住んでいた先輩からご馳走になったことがあった。何故うまいのか、それはオーナーが香港の実業家だったからだと先日初めて知った。今日は魚料理と叉焼が絶品だった。

 

お茶にも凝っている。以前来た時も北京では珍しいぐらいに凝っているな、特に緑茶ではなく、岩茶などが多いなとは思っていたが、これもまたこの企業集団が茶業も行っていたからだったのだ。そう思って見てみると、ロビーのカフェもアフタヌーンティが充実しており、ケーキもうまそうだ。クリスマスケーキまで揃っている。日本なら明日はケーキの日だが、北京ではどの程度だろうか。ロビーのクリスマスツリーもデカい。

 

このホテル、周辺にはサービスアパートを含む住宅と商業施設を同時に開発していた。ホテルの後ろ側にはショッピングモールがあり、茶荘も出店している。そこに案内され、お茶を飲む。かなりゆったりとして空間があり、落ち着いて茶を飲むには十分だ。奥には茶を飲むためのレンタルスペースも用意されている。茶葉は各種あるが、北京では従来花茶系が好まれていたが、今は紅茶類のニーズも高い。

 

そしてサービスアパートには最近プライベートな空間を別途オープンした。会員制の茶空間、ゆったりと部屋で茶を淹れて飲み、商談などにも使えるスペースを提供している。確かにこの辺はオフィス街であるが、会社でし難い話などをここでするというニーズはあるように思う。店長はお茶好きで、楽しくお茶話をした。

 

部屋に帰ると休む間もなく、建国門に出掛ける。既に10年以上前に作った脚マッサージの会員カードがまだ使えるのか確かめに行く。店はちょっと変わっていたが、カードは健在とのことで、早々足を揉んでもらう。思えば料金も高くなったものだ。技術が進歩するより物価上昇が急すぎた。夜寝る前の水分の取り方など、色々とご指導いただき、有り難い。

 

急いで地下鉄に乗り、夜の食事に向かう。昔一緒に働いた中国人と久しぶりに会う。日曜日なので彼の家に近い場所にしてもらった。ところが地下鉄の距離感を間違えてしまい、遅刻する。分かっているつもりでも、既に多くは過去の記憶、これからは一回一回確認して進まなければならない。

 

中国系金融機関に務める彼は、以前はとても羽振りが良かったが、今はかなり厳しい状況にあるという。経済低迷の影響で案件のリスクは高くなり、うかつには手を出せない。案件をやらなければ成績は伸びず、給与もいくらか減っているらしい。そしてこれまで日本に全く興味を持たなかった彼が、今年3回も日本に行っているのには本当に驚いた。

 

目的は不動産の購入。東京だけではなく、福岡にも足を延ばしたという。値上がり期待ではなく、人民元の下落に備えた逃避らしい。これまでの稼ぐ姿勢から、資産を守る態勢になってきている。奥さんは買い物が出来て大いに喜んでいるというから、いよいよ中国も大きな変化が起こるのだろうか。

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