厦門で歴史茶旅2018(4)漳平水仙、そして集美へ

今日重要な二人に会うことができ、今回の目的はほぼ達成され、気持ちはぐっと楽になる。というか、疲れているのにその興奮が収まらない。夜は以前魏さんから紹介されただけで、会うことがなかった、もう一人の張さんに会いに行った。彼の店は軌道で10駅ほど離れており、意外と遠かった。

 

スマホを使って何とか辿り着いた店に張さんはいなかった。夕飯を食べに出てしまったらしい。私も腹が減ったので一人で付近の店を探す。だが食堂はあまりなく、仕方なく、初めて沙県小吃に入って見た。ここはチェーン食堂で、中国ならどこでも見かける店だが、なぜか一度も試していない。だが何と東京にまで店が広がったと聞き、どんなところか見てみたのだ。

 

そこは店を改装してきれいになっていたが、メニューは完全な定食屋。何でもある感じで、纏まりはない。定番の西紅柿炒鶏蛋を頼んでみたが、量がやたらに多く、味はちょっと薄く、油は多い。ご飯が山盛りに盛られ、冷めたスープが付く。これで15元、何だか肉体労働者の食事で、食べ切れずに店を出た。

 

店に戻ると張さんがお客の若者と茶を飲んでいた。この店は漳平水仙を扱うことで有名らしい。張さんは漳平の出身で、その歴史も探求しており、話を聞く。最近日本でも話題になっているお茶だが、思ったよりも幅が広い。その歴史は100年を越え、地元には紙で包む時に押される印判が残り、型を取る道具も残されていた。

 

味は以前飲んだ物よりは美味しく感じられる。これは張さんの淹れ方か、茶葉が良好なのか。話題になっているということは少なくとも品質は向上しているのだろう。週末は漳平で水仙祭りがあり、張さんも明日から故郷へ帰るらしい。というか、今後は活動拠点を漳平に移し、用事がある時だけ厦門に来るというから、今日が最後の日だったのかもしれない。やはりご縁はあるものだ。

 

11月23日(金)
集美へ

もう厦門に用事はなかったが非常事態が起きていた。今日台北に帰るつもりだったが、昨日の段階で、金門経由の便はすべて満席、このルートは週末台湾旅行に向かう中国人に占拠されていた。いや、実は明日台湾で重要な統一地方選挙が開催されるので、台湾人が帰国するのかもしれない。いずれにしても満席、そして直行フライトは何と日本円で4-5万円もしている。とても帰れない。

 

日曜日に帰るフライトを予約し、さてホテルも延泊しようかと考えたが、何と部屋はあるが、料金は当初の2倍だという。元々今回の期間中、厦門では大規模ない医療関連イベントが開催され、ホテルが取れない状況だった。知り合いが何とか抑えてくれていたが、優遇レートは最初の1泊だけ、次の日は200元上乗せになっており、私はこのことすら知らなかった。そのことをきちんと説明してくれなかったと抗議したが、私は何も見ずに書類にサインしていたので、ホテルはそれを盾に、私が悪いという。

 

まあそんなホテルに泊まることは愉快ではないので、早々他を探したが、どこも軒並み高い。どうせ高いのならばと、18年前に泊まった思い出のある鷺江賓館を予約した。チェックインは12時以降なので、それまで天気も良いので時間潰しの旅に出た。軌道の駅へ行き、どこへ行こうかと見ていると、集美というのがあったので、そこを目指す。

 

軌道で40分ぐらい乗っただろうか。そこは随分と遠かった。しかも乗る線を間違えてしまい、大橋を渡ってから、思っていた方向と違う方へどんどん進んだので、慌てて降りた。だがそこは住宅以外全く何もないところ。タクシーすら走っていない。近くのバス乗り場から集美大学に行けるというので探したが、バス停すら見付からない。

 

かなり歩いてようやくタクシーを拾い、大学の門まで行った。ここがいつも車からきれいな校舎が見える大学だ、写真でも撮ろうと入って行ったが、とても広いキャンパスでまた歩いく羽目になる。ここはシンガポール華僑の陳さんが建てた学校でちょうど100周年を迎えるらしい。南国風のキャンパスと中国風の校舎、その取り合わせが面白い。バスケットとバレーのコートが20面ぐらいあって、その広さは尋常ではない。

 

結局あの川沿いのきれいな景色の場所へ出られず、写真も撮れず。正門から出てバスに乗り、宿へ帰る。何とバスは1時間近くかけて走る。これで2元。すごい。腹が減ったので、先日連れて行ってもらった店を再訪し、鴨肉などのセットランチを食べる。これで20元は価値がある。

 

それからホテルをチェックアウトして、またバスに乗り、鷺江賓館へ。外から見るとちょっときれいにお掃除した程度に見えたが、中は全面改修後で、18年前の面影はない。とてもきれいなロビーで驚く。今日の料金は18年前の3倍だが、まあ高くはないのかもしれない。私自身は会社を辞めてから中国で泊った最も高いホテルだろう。

 

窓のない部屋だがおしゃれに加工されている。古いホテルの部屋という印象だったから、かなりの変化に戸惑う。フロントの愛想が凄く良い。冷蔵庫のドリンクは無料だが、4本のうち2本はビール。ビール、替えて欲しいな。あの18年前、21世紀の最初の日を過ごした場所、1月1日に小三通の船が初めて台湾からやってくるというので大勢の人が港に溢れていた光景、もう完全に歴史だな。

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