福建茶旅2018(5)改修中の万福寺と新しい梅記

4月19日(木)
全面改修中の万福寺

翌朝は特に予定もなかったので、ホテルで朝食をゆっくり食べた。福清の街でも歩いてみようかとロビーまできたところ、N師と同行者がソファーで談笑していたので挨拶すると、『今から万福寺に行くけど、行かないの?』と聞かれ、折角だからと同行することにした。既に2年前に訪ねてはいたが、N師は福清の万福寺再建に尽力されたと聞いていたので、ちょっと興味があったのだ。

 

いつの間にか昨日のメンバーも何人か集まり、促進会の副会長以下が迎えに来てくれ、2台の車で万福寺を目指した。万福寺は福清の郊外にあり、30分ぐらいかかる。街道から小道に入り、小さな村を抜けたところに、あるはずだった。だがそこで目にしたのは、改修中の寺だった。

 

部分的に補修しているのではない。ほぼ全面的に壊して、新たに作っていると言った方がよいかもしれない。2年前の姿は見られなくなっており、唖然とした。しかし私などより数年ぶりに来たというN師はどうだろうか。30年前、砂埃の舞うこの地に通い、様々な困難を乗り越えて再建したものが目の前から消えているのだ。その心境は推し量れない。いつの間にか林会長も厦門から駆け付け、この光景をじっと見ていた。

 

辛うじて本殿は残されており、その横に臨時の建屋があった。そこに今の住職が立っていた。彼は30年前、研修?でここに来て、その再建を見ていたらしい。その後海外に渡り、今回を機に戻ってくるということだった。彼もまた何となく申し訳なさそうではあるが、既に立場のある人であり、双方ともに大人の対応をしていた。お茶を淹れてもらったが、何となく味気ない。

 

帰りは何となく言葉も少なくなる。市内に戻り、林会長が元気づけのためか、威勢の良い海鮮料理屋へ案内してくれ、またまた福清料理をご馳走になる。イカやカニ、魚などの海鮮がふんだんに登場、そして豚足や内臓系など私の好物もこれでもかと出てくる。麺も実にとろみがあるスープでうまい。更にはタケノコ、スイカなど隠元ゆかりのものも織り込まれる。ちょっと元気が出た。そういえば空心菜は沖縄には伝わったらしい。

 

午後は林会長が茶荘に連れて行ってくれた。非常に豪華な茶館もある。黄檗宗の関連で、煎茶なども作られている。茶の歴史が知りたかったが、それはなかなか難しく、お土産のお茶をもらっただけに終わる。そして最後は会長の自宅に招かれ、今度はコーヒーを頂く。枇杷が出てきた。これも日本に伝えられたという。奥さんとは東京でお会いしたことがあったが、この立派な家で会うとまた別人のようでもある。

 

厦門へ行く高鐵を予約してもらった。厦門北駅ではなく、厦門駅へ行く列車もあると聞き、厦門駅の方が市内に近いので、そちらにしてもらったら、午後をゆったりと過ごすことができた。車で福清駅まで送ってもらい、活動終了。最後の仕事は予約したチケットを窓口で受け取ることだが、やはり行列が出来ていた。何とか早めに進んで、無事列車に乗り込んだ。

 

3. 厦門
新しい梅記

厦門北駅を通過した頃、王さんより連絡があった。北駅で下車して新しくできた地下鉄に乗れ、と。だがすでに駅は過ぎていた。彼はまさか私が北駅で降りないとは思っていなかったのだろう。結局厦門駅でBRTを探し、店のある駅まで行って合流した。厦門にもついに地下鉄が出来たことに気が付かなかったのは迂闊だった。本当に中国はいつ来ても変化がある。

 

店にも寄らずに、王さんの車で出掛ける。何と離れた場所に梅記のきれいな新しい店が出来ていた。かなり立派な2階建て。商売は順調なようだ。夜も8時を過ぎていた。腹が減り、その店の向かいのレストランへ行く。1年半前に一緒に安渓に行った女性スタッフと三人で夕飯を頂く。

 

店を案内してもらうと、敷地はかなり広い。和室を含めて個室が充実している。ハイクラスな顧客向けに作られている空間。かなりモダンな造りになっているが、そこに梅記の歴史紹介など、伝統、文化などを織り交ぜて、雰囲気を出している。お茶も鉄観音(かなり古い物もある)は勿論、色々な茶葉を用意して顧客ニーズに応えている。

 

ここでゆっくりとお茶を頂き、王さんが予約してくれた宿へ向かう。厦門賓館、如何にも昔からあるホテルである。何だか高そうだったが、法人契約で意外と安く泊まれる。フロントの女性も非常に親切でフレンドリー。部屋はコンパクトで使い勝手が良い。結構気に入ってしまい、ぐっすりと休む。

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