福建茶旅2018(2)元泰茶業の図書室で勉強する

寒いので鄭さんと別れて、部屋に戻る。夜になり、それでも腹が減ったので、食事に出るが更に寒い。なぜかチャーハンが食べたくなり、探して食べる。福建のチャーハンと言えば、日本のチャーハンの源流かと勝手に思っているが、今日のチャーハンは如何にもの中国炒飯。まあそううまくはいかないが、悪くもない。

 

部屋に戻ると、午前中に会った李さんから微信が来ている。もう一時茶荘に来ないかという誘いだった。実は午前に訪問した際、台湾で作られた烏龍茶と包種茶に関する本を持参していた。著者は台湾では有名な林馥泉、彼は元々福建人だが、第二次大戦後に福建から台湾に渡った人で、福州でも茶業関係者には知られた存在だという。

 

その著書は1956年に書かれているが、福建では手に入らないらしい。実は李さんは確認したいことがあり、その本が見たいということだったのだ。まさかそれほど貴重な本だとは思っていなかったので、驚く。お蔭で更に李さんから教えを乞う機会を得られたのは幸いだった。

 

ただ昼間人に連れられて行ったお店に夜もう一度行こうとしたら、完全に道に迷ってしまった。これは昨今よくある傾向だが、本当に記憶力が低下しており、恥ずかしい。スマホの地図を駆使して何とか行き着き、夜遅くまでお茶を飲みながら話す。

 

4月16日(月)
元泰茶荘へ

翌朝は魏さんがまだ出張から戻っていないのに、元泰茶業へ行く。昨年までは喫茶部としてお店があり、基本はそこで会っていたが、既にその店は閉鎖され、元泰茶業は今年から新しいスタートを切っていた。オフィスのあるビルの25階へ行くと、以前とは雰囲気はがらりと変わり、展示物が増えている。空いた空間ではお茶を飲んでいる人々がいる。

 

更には図書室が一室に作られ、これまで収集されたお茶関係の本が相当沢山並んでいるのには驚いた。午前中はここで気になる本を取り出して読んで過ごす。包種茶ばかりでなく紅茶などにも興味深い指摘がある。また福建省各茶産地についても、もう少し回って勉強したくなる。ちょっと眺めているだけで、すぐに時間は経ってしまう。

 

昼ごはんの時間になると鄭さんが声を掛けてくれ、元泰の社員の皆さんとランチに出掛ける。辛い物は苦手な福建人が四川料理屋へ行くというのでちょっと驚いたが、そのレストランは大繁盛で席が空くまで少し待った。なぜ人気なのか、その秘密をすぐに分かった。サラダやフルーツ、ライスにスープは各自が好きなものを取るビュッフェ方式になっていて満足感がある。そして何よりも味がさほど辛くなくイケている!中国に来ると、本当に腹一杯食べて満足することがあるが、まさにそれだな。

 

食後、横にあった新華書店に寄ってみる。30年前、時々行った書店だが、その頃はどこにでもあるが冴えない感じだった。ところが今は違う。おしゃれな雰囲気で、座り込んで本を読んでいる学生までいる。荷物はロッカーに預けなければならないが、それも自動ロッカーになっている。残念ながらお目当てのお茶関連の本は見付からなかったが、良い勉強になった。

 

午後も又、図書室に戻り、精力的に福建の茶の歴史を調べていく。勿論すべてを読みつくすなど到底できないので、主要な部分をチェックして、後はカメラに収めておき、後日読むことにした。今後は福建や広東の茶産地を一つずつ回る旅、というのをやってみようかと思う。案外知られていない歴史が掘り出されるかもしれない。

 

夕方元泰を失礼して、少し街を歩く。昨年まであったビルが取り壊され、再開発されている。少し雨がぱらついても、夕方のラッシュ時、バイクと自転車が多過ぎて、交差点は人が渡るのは難しいほどだ。近くに定食屋があったのでフラフラと入ってしまう。量は相変わらず多いが、料金もセットメニューで20元前後。ちょっと前までは10元で簡単な飯にありつけたが、今はよほど探さないとそんなことにはなりそうもない。

 

宿への帰り道。フルーツを売る店が何軒か並んでいる。これも近年中国の大都市にはよくある光景、大資本が全国展開しているのかもしれない。その軒先には枇杷が沢山置かれている。ちょうど旬らしい。そういえばこの枇杷も福建から日本に運ばれたと聞いた記憶があるが、福州の名物だったか。いくつか買って帰り食べてみたが、まだちょっと青かった。

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