ベトナム縦断茶旅2017(12)ムイネーの宿

5. ムイネー
ムイネーの宿

ムイネー郊外にあるハンカフェのオフィス前にバスは停まった。ここまで5時間半かかった。まずは明日のバスの時刻を確認するためにスタッフのところへ行く。その際、ホテルはどこ?と聞かれたので、まだ決めていない、というと、ここの上に部屋があるから泊まれば、と言われ、そのまま荷物を持って、部屋を見に行く。まあ、机もあり、便利でもあるので、ここにした。1泊15ドル。あまりに安易か。

 

実は沢木耕太郎は15年前にムイネーに来て、宿に困り、バイタクに乗って、最終的にかなり立派なリゾートホテルに泊まったとある。私もそこに泊まろうかと思ったが、今でもあるそのホテルは1泊100ドルもした。まあついてから決めるかと思っていたが、この周辺には宿はいくらでもあるのに、なぜ簡単にここにしてしまったのか。取り敢えず腹が減ったので外へ出る。

 

何となく雨が降りそうだったので、斜め向かいの食堂に入り、チャーハンを頼んだ。そこの入り口は小さく、細長い通路を行くと、ビーチに出る。ここのビーチはほぼホテルなどに占拠されており、ニャチャンと違って簡単には拝めない仕組みになっている。特にビーチで泳いでいる人もいない。寂しい。チャーハンも何となく寂しい。ここはリゾート地なんだと認識。

 

取り敢えず、道沿いに歩いて見た。ここにはいくつもの立派なホテルがあった。そして団体バスが停まっていた。白人バックパッカーがザックを背負って歩いている。こちらのための宿も沢山あるようだ。喉が渇いたのでジューススタンドでレモンジュースを買って飲む。

 

宿まで戻ってきたが、反対方向にも歩いて見る。こちらにも立派なリゾートホテルがいくつか見られたが、ひときわ立派な、サイゴン・ムイネー・リゾートというが見えてきた。ここが沢木の泊ったホテルだった。広い敷地、きれいなプール、瀟洒なコテージ、思っていたよりさらに立派で驚いた。これで100ドルなら、泊ってみるべきだったかとも思うが、コテージに一人、朝食も一人というのはかなり寂しいので、止めてよかった。

 

一度宿に戻り、休む。この宿も何もないがそれほど悪くない。トイレは広いし、シャワーも熱い。クーラーも効いており、しかも蚊や虫もこないようで、休むには申し分ない。Wi-Fiもちゃんと機能している。ただバスはそれからも両方向からやってきたが、泊っている人はいない。この辺で15ドルは高いのかもしれない。

 

夕方になってまた外に出た。ちょっと遠出して見ようと思った。チャム塔という場所が地図にあったので、そこを目指して道沿いに歩いていく。だが、日暮れは予想以上に早かった。30分も歩かないうちに暗くなってきて、これ以上進んでも塔は見えないだろうと思ったので引き返した。帰りにバインミーを買った。これは安くてうまかった。地元民向けだ。明日の朝は非常に早いので、すぐに寝入る。

 

11月19日(日)
砂丘へ

朝4時にきちんと起きた。実は昨日宿を決めた時、担当の女性が『ムイネーに来て赤い砂丘に行かない人はいない』と訴えてきて、何となくそのツアーを申し込んでしまった。ベトナムの英語ツアーは安くてよい。僅か10ドルなのは良かったのだが、朝日を見るため、何と集合は4時半だというのだ。まあ、これも流れだと、行くことにしたのだが、何と何と夜半に雨が降っていた。どう考えても行きたくない状況だったが、起きてしまった。

 

宿の前で待っていろと言われたが、果たして迎えは来るのだろうか。真っ暗だし、誰もいないので、不安は募る。おまけに小雨も降っている。だがその不安をよそに、ほぼ4時半に軍用ジープ?が宿にやって来た。そこにはすでに若い女性が一人で乗っていた。何人だろうか。それから別のホテルで白人カップルを拾い、出発かと思いきや、更にかなり遠くまで走っていき、韓国人の若者二人をピックアップ。ただ座る席はなく、後ろの荷物台に押し込められる。

 

メンバーが揃うと、車はムイネーの街を抜け、さらに遠くへ行く。30分ぐらい走ってようやく到着。そこは確かに砂丘だった。向こうの方に小高いところが見え、あそこから朝日を拝むらしい。ただ雨こそ止んでいたが、太陽が出そうには思えない。運転手が『あそこまでは遠いので、乗り物に乗って行け』というのだが、一人20ドルもかかると言われ、拒絶して、歩き始める。

 

小高い場所までは確かに遠い。思ったより多くの観光客が来ていたが、途中で疲れた。360度砂なのだが、それ以上でも以下でもない。写真に収めて、皆が戻る方に戻っていく。ところが、なぜか近いなと感じる。どうやら、違う場所に戻ってしまったらしい。一緒のジープで来た人々の姿も見えない。急に焦る。どこから行けば、元の場所に戻れるのだろうか。言葉も通じないし、運転手の電話番号すら知らない。これは困った。

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