ベトナム縦断茶旅2017(11)長距離バスの旅

11月17日(金)
ボー・ナガル塔

結局よく眠れないまま、朝を迎えた。午前5時半、既に周囲は明るい。すぐに外へ出た。ジョギングする人々がいる。ビーチに行くと、何と地元のおじいちゃん、おばあちゃんが水着を着て泳いでいた。これは凄い。私は暑くないうちに散歩を済ませるつもりなのだが、彼らは混まないうちに海を占拠するつもりなのだろう。

 

ビーチ沿いに北へ向かう。立派な橋が架かっており、そこを越えると魚市場があるはずだった。だがそこは既に寂れており、老人が朝のお茶を飲んでいるだけだった。その向こう側に目指すボー・ナガル塔が見えてくる。まだ6時過ぎだが、既に開いているのがよい。入場料を払い、中に入る。

 

この塔はチャンパの王様が8-13世紀にかけて建てたと言われているが、ジャワの侵攻などもあり、財宝は持ち去られてしまったらしい。坂を上って行くと上にお堂がある。チャンパのお寺だと思っていたが、行ってみると仏教的色彩が強い。線香が立ち込め、仏像が置かれたりしている。この遺跡が残った理由は、地元の仏教信仰と結びついたからだという。何とも不思議な光景だが、これが現実というものだろう。お祈りに来ている人も仏教徒のようだった。

 

ニャチャン川沿いを歩くと、船が並んで停まっていた。実に優雅な風景だった。ただもう漁に出る船の数は少ないのだろう。朝日を浴びながら、ゆっくり橋を渡る。それからダム市場というのがあるというので行ってみる。ここは観光用なのか、朝はそれほど店が開いていない。

 

ゆっくりとホテルに戻っても8時半だった。シャワーを浴びてから朝食を食べる。かなり疲れたこともあり、ここを出て別のホテルを探すのも面倒なので、ここにもう1泊することにして、ダラダラ過ごした。昼ご飯も食べる気がなく、飲み物だけを飲み、ビーチを眺めていた。

 

流石に午後3時になって外へ出た。昨日閉まってしまった教会へ向かう。ここは午後4時までなので、そこを目指したわけだ。入口で『どこから来たのか?』と聞かれたのはなぜだろうか。日本人というとあっさり通してくれたが、中国人だったらダメなのだろうか。教会は小高い丘の上にあり、周囲がよく見えた。中国人観光客も沢山いた。

 

 

その近くにはローカル市場があった。さとうきびのジュースをバイクで買いに来ているのが面白い。それからビーチ近くに戻り、両替をすることにした。中国語で両替と書かれている場所では、中国語は通じたがレートは悪かった。最終的には宝石店に入る。そこにも白人店員がおり、白人相手の商売が多いことを窺わせる。両替レートもよく、今後は銀行ではなく、宝石店を探すことにしようと思う。

 

かなり腹が減ったので、その辺の路地のラーメン屋に入る。中国系のおじさんが作る叉焼麺は安くて旨いが、足を蚊に食われて、痒くて長居できないほどだった。早々に退散する。そして恐怖の夜を迎えたが、ベッドに虫は現れず、余りに朝早起きした関係で完全に熟睡して、ディスコの音もきにならなかった。

 

11月18日(土)
ムイネーへ

翌朝も当然のように早く起き、6時半には朝食を食べに行く。朝のビーチも実にきれいな風景だったので、写真に収めて、すぐにご飯をかき込む。そして荷物を持ってチェックアウト。100ドル札を出して払っていこうとすると、ちょっと待てという。1泊50ドルは特別料金なので、契約書にサインして欲しいというのだ。恐らくはあのおじさんが特別に法人料金でも適用してくれたのだろうが、私は個人だし、もう二度と来ることはないと思うので拒否すると、女性は困ってしまった。ただ私も時間が無いので、強引に出てきてしまった。

 

8時発のバスに乗るため7時半に来い、と言われていたが、7時40分についても余裕があった。早めの集合は鉄則なのだろう。ただバスはちゃんと8時前にやって来て、皆が乗り込んでいく。このバスは長距離、寝台バス、3列、2段だ。私は真ん中ぐらいの下のシートに入った。窓の横だし、悪くない。バスは本当に定刻に出発したので驚いた。

 

ベトナムも時間厳守になったものだ。乗客は白人が多いが、ベトナム人も結構いた。ただ走り出して1時間でガソリンを入れているのはご愛敬か。いや、この間もトイレに行く人がいる。このバスは勿論ニャチャン発ではない。トイレがついていないので1-2時間に一度は停まるようだ。その次はまた1時間後にサービスエリアで停まり、その1時間半後にはランチのために停まった。まあ、急ぐ旅でなければ安心できてよい。

 

ちょっと狭いがただ寝転んでいればよいので座っているより楽だ。ずっと国道1号線を走っていたが、今日の私の目的地、ムイネーに近づくと、海沿いの道を走っているようだ。その内にムイネーの街に着いたが、ここで降りたのはベトナム人だけ。外国人はその先のビーチリゾートで下車することになっている。街は小さく、あまり発展していないが、リゾートは、立派なホテルがいくつも見えてくる。

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