富山から静岡まで茶旅2017(3)古民家宿泊、そして高山

古民家に宿泊

実は1回目と2回目のお茶会にはちょっと間があり、そこを利用して本日の宿泊先にチェックインした。そこは何と田舎の古民家だった。朝日町で保存している家で、宿泊可能ということで、Yさんとお知り合い、Tさんと私の4人が、この広い古民家に泊めてもらうことになったのだ。

 

笹川ふるさと移住交流体験施設『さゝ郷(ごう)ほたる交流館』は一昨年開業。1943年に作られた家を県と町が改修して、宿泊施設として利用している。目的は過疎地となっているこの街への移住者の誘致。田舎暮らし体験などで訪れる人を迎え入れるという。とにかくこの地域、田んぼが美しい。川も流れ、実に静かな田舎のイメージだ。冬は寒いかもしれないが、今の時期は最高の環境。

 

夜も9時を過ぎてセミナーの片づけが終わり、皆さんで遅い夕飯を食べた後、こちらの施設に戻ってきた。施設名にもある通り、この辺にはほたるが多いというので早々真っ暗な戸外に出ると、確かに各所にほのかな光が見える。台湾の田舎では見たことがあるが、日本でこんなにほたるが見られるところがあるとはちょっと驚き。

 

室内に戻り、居間でお茶を飲みながらおしゃべりする。さすがお茶好きのTさんが台湾茶を淹れてくれる。それから広々とした畳の部屋に布団を敷いてどっかりと休む。何だか修学旅行のような気分になる。静かな環境に疲れも手伝い、心地よい眠りに就く。ちょっと田舎暮らしがしてみたくなる。

 

7月6日(木)
高山へ
翌朝は7時前に起きたが、Tさんは既に近くの神社にお参りに出てしまっていた。台所では朝飯の準備をしてくれるKさんの姿がある。古民家のゆったりとした廊下の椅子にもたれると、何だか、ザ・日本の朝、という雰囲気が漂う。そして朝ご飯、美味しそうな地元の食材が並んでおり、幸せな気分になる。特にわかめの味噌汁!地元の海岸で採られ、干された自然な食材は絶品だった。これは忘れられない。Kさん、有難う。食後にはこれまた地元産のはと麦茶を飲む。Kさんは実にさりげなくPRがうまい。

 

名残惜しい朝日町と別れ、Yさんの車で富山駅まで送ってもらう。やはり途中は天気が良くなかったが、駅前で降りるといい天気だった。これから飛騨高山に向かう。特急に乗ろうと切符を買いに行くと、何とたった今発車したばかりだという。そうだ、私は貧乏旅行なので鈍行で行くつもりだったことを忘れていた。

 

富山駅の高山本線のホームは変わっていた。2番ホームは1,3番ホームの向こうにあるのだ。危うく乗り間違える所だった。乗客は少ない。平坦な畑の中を50分ほど行くと猪谷(いのたに)駅で終点となり、また斜め向かいに停まっている電車に移動する。猪谷は谷を普通に『たに』と読むらしい。

 

ここから先はかなりの山沿いをとことこ走る。いつの間にか富山県から岐阜県になっている。1時間ばかり走って、ついに高山駅に辿り着く。まずは荷物をコインロッカーに入れて、それから観光案内所で地図をもらい、大体の観光スポットを聞く。平日なので人は多くないが、それでも外国人を少し見掛けた。

 

3. 高山
高山散歩

駅前を見渡して適当な食堂に入り、飛騨牛のどんぶりを食べる。まあこんなものだろうという代物。ちゃんとしたステーキでも食べればよかったと後悔するも、既に富山で食べ過ぎなので、良しとする。それから伝統的建造物が立ち並ぶ保存区へ足を進める。この辺まで来ると中国人を含めた外国人がかなり目に付く。

 

確かにその街並は見事に残っている、という感じだった。町役場や陣屋などが残り、お茶屋やしょうゆ屋などの商家にも歴史が感じられる。ちょっと暑いのだが、ふらふら歩いて回る。アイスクリームが飛ぶように売れている。如何にも観光地、と言った雰囲気である。ただこれといった目玉はない。ただただ街を歩き、博物館などを眺め、この街の発展の歴史、地理的重要性を確認するだけだった。

 

ほぼ端から端まで、少し上った丘の上まで歩いてしまうと、最後はかなりへばってしまう。駅近くの三重塔のある国分寺でしばし休む。それから駅前でお土産物を買い、3時過ぎの特急に乗り込む。高山は有名な場所だったので、もう少し、おーと思うものがあるかと思っていたが、今回は発見できず残念。

 

この列車、名古屋まで直通なので、もう鈍行は止めてこれに乗った。勿論自由席、ガラガラだ。途中、白川茶と書かれた看板を見て、岐阜の白川に行きたかったな、と後悔。自然頂いた白川茶が美味しかったのを今頃思い出しても仕方がない。下呂温泉もよさそうだな、後の祭り。列車は特急なのでどんどん進んでいってしまう。

 

名古屋には3時間かからずに着いた。上出来だ。駅で駅弁を2個買い込み、名鉄に乗ろうと歩いていると、何とボヤ騒ぎに遭遇。それから新安城までどの電車に乗ればよいかわからず、右往左往したが、何とか辿り着く。今晩は、以前も泊めて頂いたIさんの家へ行くことになっていた。前回は場所が分からず、大いに迷ったが今回は問題なく到着。

 

Iさんは昨年体調を崩し、外出が難しくなっていたので、この機会にお訪ねしようと連絡したのだ。まあ、こちらに集まって来たお茶を淹れてもらい、買ってきた駅弁を広げ、お茶談義などをして時間はすぐに過ぎてしまい、疲れ果てて寝入る。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です