広大な茶畑を眺める貴州茶旅2017(5)遵義会議記念館

最後に街の近くまで戻って来た。ここに茶業博物館があった。見るからに歴史を感じさせる建物が見える。ここが1939年、張天福氏が選定した茶畑から採れた茶葉を加工した場所だったのだ。驚くほど当時の様子を留め、いい感じに保存されている。参加者も皆興奮気味に工場内に入っていく。中には当時の製茶機械が多く残されており、まさに博物館だった。外は緑に囲まれており、環境は抜群。ずっとここにいたいような衝動にかられたが、団体行動では仕方がない。

 

宿泊しているホテルの近く、別のホテルで降ろされてツアーは解散した。茶博参会者の人数も減ってきたので、1つのホテルでまとめて夕飯を提供するようだ。まあ、ホテルが変わっても食事の内容はさほど変わらず、さすがに毎食ビュッフェが続くと飽きてくるが、提供してもらえるだけ有り難いと思って食べる。

 

夕飯後、ホテルへ帰らず、林さんと街歩きに出た。街に中心に川が流れているので、その付近を散策する。川では釣りをする人などもおり、のどかな感じだ。林さんは、例の街のシンボルである、大きな急須をよい角度から写真を撮ろうと必死になっており、ついには川辺まで降りていく。そこに電話が鳴り、車の迎えが来た。

 

ちょうど暗くなった頃、車はホテル?に着いた。ここは芸香茶業というお茶屋さんだったが、ホテルがメインかと思ってしまう作りだった。向かいのショップに入る。ここでお茶を飲むのだが、お茶以外にも当地の特産品が沢山売られている。聞けば、『当地の商品を売ることを条件に政府から補助が出ている』という。茶葉を売るだけでなく、このような形で産業を推進していく、やはり貴州は観光業だ。

 

釜炒りの実演なども行われており、お茶の香りがよい。先ほどツアー中に会った人はここのオーナーの親戚で製茶指導をしているという。元は国営工場に勤めていたらしい。お茶の話になると非常に熱が入る人だ。紅茶はやはりこれから、という感じだろうか。宿泊客が次々とショップでお茶を飲み、お土産を買っていく。

 

夜も10時になったのでそろそろホテルへ戻るかと思っていると、何と『どうしても宵夜に連れて行きたい。この街の夜は賑やかだ』と言われ、もう拉致同然?に連れていかれる。この辺が中国的情熱の表現だとは分ってはいるが、個々人の体調などは考慮しないのだろうか。まあ、若者は夜中も食べたいのだろう。

 

確かに川沿いに煌々と電気が点いている場所がある。立派な建物があり、お客も結構いるのでビックリ。昨日訪問した会社の人も他の客を連れてきている。ここで簡単に、と言いながら、また一食分の食べ物が出てきて、酒を飲み、酔っぱらうのだから恐ろしい。まあ日本のおじさんも似たようなものかもしれないが、体力的にはもたないだろう。解放されたのは12時を過ぎてからだった。酒も飲まない身としては本当につらい。

 

4月30日(日)
遵義へ

翌朝は何となく頭が痛い。二日酔いはないから疲れだろう。林さんは別行動で重慶へ向かった。我々は昼のフライトまで時間があるので、遵義へ向かうことになる。7時過ぎにはチェックアウトして、車に乗る。1時間以上かかって遵義の街に入る。ここでも魏さんの知り合いが待っていてくれ、案内が始まった。遵義会議の場所へ行くと、まだ開門していないが、既に大勢の人が並んでいた。今日は日曜日、しかも五一の連休だから、混んでいるのだろう。

 

取り敢えず近所の麺屋に入り、朝ご飯の麺を食う。案内人はどこかへ電話をかけている。まもなく開門となったが、地元民の口利きで並ぶことなく入ることができた。遵義会議記念館、すぐ横には古めかしい立派な建物が建っていた。ここが会議の行われた場所らしい。中に入ることができたので覗いてみると、宿泊施設などもある。ここは元々国民党の師団長の私邸だったらしいが、なぜここに来ることになったのだろうか。因みに毛沢東はこの時主要メンバーではなかったので、別の場所に宿泊し、歩いて会議に来ていたらしい。

 

正面には記念館があり、中は当然ながら偉大なる共産党の歴史が語られ、当時共産党への勧誘をする看板などが飾られていた。参観者が多くてごった返している。ガイドさんが色々と説明してくれるのだが、人が多くてよく聞き取れない。仕方なく勝手に見始める。こんな田舎でも戦闘はあったようで負傷者の写真が飾られていたが、その中に若き日の胡耀邦もいたのは驚きだ。

 

あまりの人に押し出されて早々に参観を切り上げ外に出た。周辺を少しぶらつき、その後車で空港へ向かった。1時間ほどで空港に着くと、小さな空港なのでチェックインもスムーズで、フライトもオンタイムだった。行きは長沙経由だったが、帰りは桂林経由。桂林にも30年行っていないので降りたかったが、降りたのは空港までだった。

 

3. 福州2
福州に帰り着くと車で各人の住居まで送ってもらったが、張夫人は病院に直行していた。この貴州の旅がどのような意味を持つのかをちょっと垣間見る思いだった。私は先日の宿にまたチェックインし、疲れたので、魏さんの誘いも断り、一人で過す。夜は肉まんと肉団子汁で済ませる。部屋に戻ると、やはり一人は楽だ。早々にぐっすりと寝入る。

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