広大な茶畑を眺める貴州茶旅2017(1)まずは福州へ行って

《広大な茶畑を眺める貴州茶旅2017》 2017年4月26日-5月2日

 

中国から東京を経て台湾の拠点に戻ろうと思っていた時のことだ。突然福州の魏さんから『一緒に貴州に行かないか』と誘われ驚く。魏さんとは僅か2週間前、一緒に宜興・無錫へ行ったばかり。どうして突然行くことになったのだろうかと詮索する暇もなく、台湾から行くことを決めてしまった。それは貴州の茶畑に行ってみたいという強い衝動があったからだ。何故だろうか。

 

4月26日(水)
1. 福州

午前9時には福州空港に降り立った。もう慣れているので、そのまま空港バスに乗り1時間で市内に到着。今回は時間があるので、敢えてバスで魏さんの店、元泰紅茶屋を目指してみる。これまで何度も福州に来ているのに、その地理は殆どわかっていなかった。いつも魏さんたちに連れられて行くか、タクシーで動いていたので、何もわからないのだと思い、バスに乗ったが、これは正解だった。空港バスの下車場から一直線なのだ。

 

魏さんには連絡を入れたが彼も忙しい。取り敢えず店で待っていると、先日も一緒に旅に出た若い羅さんがやって来た。小柄で可愛らしい彼女は会社の広報担当で、紅茶の歴史などを集めて微信で公開している。いわば同業なのだ。うちの次男と同い年だが実に堂々とやっている。

 

魏さんもやってきて、明日の打ち合わせをして、ここでパスタとワッフルをご馳走になる。中国に来るとこのようなものを食べる機会はあまりないのだが、さすが紅茶屋さん。勿論中国各地の紅茶を幾つも淹れてくれ、それを飲みながら歓談する。ここの茶器も女性好みで可愛らしい。中国紅茶をヨーロッパ風茶器で淹れる、というのもよい。

 

次に私の今晩の宿だが、実は毎回ここに来てから相談している。ただ今回はネットで向かいのチェーンホテルを安く取ってもらったので、そのまま荷物を持って向かいに行き、部屋で少し休む。五一の連休前だが、それほど混んでいる様子はない。朝が早かったので長めの昼寝をする。

 

ちょっと荷物を整理していて驚いた。何とパンツをすべて忘れてきてしまったのだ。こんなことは初めてだが、さすがにこれから1週間の旅、困った。仕方なく外へ出ると雨が降っている。それでもパンツは必要なので、傘を差して探し始めたが、この付近はブランドショップばかりで手頃な店はない。バス停3つぐらい歩いてようやくショッピングモールに入り、何とかパンツを手に入れた時にはかなりホッとした。私の普段使うものとはだいぶん違うが、それも仕方がない。雨を避け、バスに乗って帰った。

 

夕方紅茶屋に戻ると、魏さんはお客さんと一緒にお茶を飲んでいた。この店はいつも誰か、お客が来ている感じだ。中国人は寂しがり屋だなと思うことがある。そして夕飯は、何と店の隣のすし屋から買ってきた寿司を食べることになる。福州では日本へ留学、または仕事に行った人が多く、日本料理にも詳しい人が多いのだが、甘いマヨネーズをかける等、やはり自分たちに合った形にアレンジしている。でも思ったよりずっと美味しい。その夜は明日に備えて早く寝る。

 

4月27日(木)
貴州へ

翌朝雨は上がっていた。5時半にホテルチェックアウト、そして迎えの車に乗り、集合場所である魏さんの会社のビル前で参加者と合流した。何と驚いたことに、今回このグループにはあの中国茶業界の泰斗、張天福氏の夫人が参加している。張夫人には過去2度、ご自宅を訪ねた際に会ってはいるが、張氏が入院中(107歳)の中、なぜ彼女が貴州へ行くのかは、ちょっと不思議だった。

 

約1時間かけて空港に到着。中国人は皆身分証を使い、自動チェックインするが、私と魏さんは、パスポートをカウンターに提示しないとチェックインできない。何とも不便だが、致し方ない。夫人の荷物も合わせて預けた。昨日も台北で朝7時台のフライトだったが、今日も8時過ぎの出発だ。さすがに眠い。

 

フライトは順調だったが、途中長沙で一度降りて、それから目的地、遵義へ向かう。昼には到着だから、まあそれほどの負担でもない。それにしても貴州に行くというから、貴陽に行くものだとばかり思っていたが、なんと遵義に飛行場があるとは驚きだ。遵義と言えば、あの共産党史に残る?長征の中で、毛沢東が指導権を確立したとされる歴史的な遵義会議が行われた場所として、中国人なら誰でも知っている場所である。当然長征の通過地だから、相当の山かと思っていたが、どうやら平地だ。

 

私が貴州に来るのはこれが2度目。2008年に当時の仕事で一度来たことがあるが、行ったのは貴陽と有名な滝ぐらい。当時中国でもっとも貧しい省だと言われており、その変貌ぶりを見たいと思っていたが、残念ながら今回省都には行かないようだ。代わりに前回は見ることができなかった茶畑を存分に見られそうで楽しみ。

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