雲南から江蘇、湖北の茶旅2017(13)武漢→成田は近い?!

私は明日のフライトで東京へ行くので、漢口滞在時間はかなり少ない。会いたい人などもいたが、今日行くべきところは平さんのところだと思い、出掛けていく。何と言っても今回恩施でのピンチを救ってくれたのだからお礼を言わないわけには行かない。彼の店は漢陽にあったが、前回行っているので地下鉄で問題なく着けた。

 

30代なのに常に落ち着いている平さんのところには必ず誰かお客がいる。そして居心地の良い空間が用意されている。そして人柄が温かい。ゆるゆるとお茶を飲む。今は私も今回訪ねた宜興の茶壺に力を入れており、工房と合作して、宜興でのイベントを増やしていた。これから茶葉を売るのではなく、文化を売る、ということだろうか。宜興は遠いが、今回も乗ったように高鉄で5時間あれば行けるので苦はならないらしい。

 

そのまま夕飯に向かう。茶荘の3階で私的にレストランが出来ており、そこで食べた。当然内部の人しか知らない場所だ。確かにこの市場の中には食事をするところがなく不便であったが、そこに目をつけて商売をする人がいる、というのは中国的だ。帰りは平さんと一緒に地下鉄に乗り、帰る。彼の家は空港に近いところだそうだ。既に家も確保している。元は雑誌の編集などもしていたようだが、なかなか才覚がある。

 

4月14日(金)
東京へ

翌朝は8時過ぎのフライトのため、相当早く起きて、支度をした。残念ながらホテルの朝食は6時からなので、食べることができない。更には地下鉄で空港へ行けるようにはなっているのだが、こちらも始発が6時半となぜか遅く、乗ることは出来ない。結局タクシーを探して空港へ向かう。小雨が降っていたが、ちょうど客を下ろしたタクシーがあり、何とか滑り込む。

 

車は30分ほどで空港に到着。それにしても武漢の国際線ターミナルは何とも小さい。南方航空のチェックインカウンターはちょうど2時間前で開いていたが、何とカウンターは1つしか開いておらず長蛇の列。何となくボーっと並んでいると、その内に次々とカウンターが開くのだが、前に待っている人が優先などという考えはなく、後から来た人がそこへ並んでしまうので、私はほぼ最後尾でチェックインする羽目になった。

 

因みにほぼ同時刻にANA便もあるのだが、こちらはちゃんとレーンが決まっており、スムーズにチェックインしているのが羨ましい。あちらは日本人客も多く、こちらはほぼ中国人のアウエー状態で如何ともし難い。更にANA機は目の前に停まっており、搭乗も楽だったが、私の南方航空は機体がどこにあるのかも見えず、バスに乗って遠くの国内線ターミナルまで運ばれていった。何だかとても不思議な感じだった。

 

そもそもなぜ南方航空を選んだのかというと、まずは武漢から帰るのが便利だったからであり、同時に頭にあったのは『格安の春秋航空が飛んでいるから大丈夫』だと思ったこと。片道でも格安料金で利用できるので、これに乗ろうとしたのだが、何と武漢‐成田は週3便しか飛んでおらず、もし明日のフライトにしてしまうと、ノービザ規定の15日を越えてしまうというジレンマがあったのだ。しかしANAの片道は高い。そこへ南方航空がそこそこの料金で出していたので飛びついたわけだ。

 

飛行機は順調に飛び立った、と思う。余程疲れていたのか、機内に入るとすぐに眠り込んでしまい、機内食も置きざれにされていた。2時間ぐらい経った頃、アナウンスで目が覚めた。もうすぐ高度を落とすというのだ。だが東京までそんなに早く着く訳はない。あれ、もしやしてどこかを経由していく便だったのかと不安になる。チケット購入時点の到着予定時刻も13時となっており、まだ2時間もあるのだ。一体どこへ降りるんだ。2時間半では上海ぐらいまでしか行けそうにない。

 

しかし何と成田空港に着いたのだ。フライト時間僅か2時間50分。定刻より約1時間早かった。風などの要因もあると思うが、なにより早く着くことは嬉しかった。今回の旅は昆明から鳳慶までのバスの旅が往復18時間だったし、無錫から恩施の高鉄の旅も約9時間、そろそろ腰が痛くなりそうだったのだ。そんな中、武漢から東京が3時間かからないというのは、奇跡だ。

 

既に散ってしまったと思っていた桜もごく一部残っており、さくらは散り際が美しいという言葉を思い出す。昨年『もう激しい旅は卒業だ』と決意したのにも関わらず、今回も又大旅行をしてしまった。懲りないと言えばそれまでだが、もう少し考えないといけないと、桜を見ながら思った。

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