雲南から江蘇、湖北の茶旅2017(6)雲南から30年ぶりの宜興へ

また4時間ほどかけて、来た時の山道を通り、祥雲で休息をとる。もう慣れたものなので、気楽に過ごす。バスの車内ではほとんど寝ていた。午後にもう一つ楚雄というサービスエリアにも停まったが、何も食べずに過ごす。そして午後5時半頃、昆明西ターミナルにバスは戻った。先日の路線バスに乗ろうと思ったが、降りたところに、ちょうど昆明駅行のバスが停まっており、お客引きが行われていた。すぐに出発して、路線バスよりはるかに早いというが、料金は10元と高い。まあ試しに乗ってみる。

 

お客をぎゅうぎゅうに詰め込んで何とか出発。確かにそのバスは近道を行き、かなり早かったが、最終的に昆明駅の裏側で降ろされてしまう。駅行には違いないのだが、ここから改修中の駅の表に回り、ホテルに歩いて行くのは結構な時間が掛かるのだ。何だかちょっと騙された気分だ。先日のホテルに戻り、また同じ値段でチェックインした。今回はスイートルームではなく、普通の部屋だった。

 

腹が減ったので外へ出る。午後7時近くても明るい昆明。土鶏米線という麺があったので食べてみた。そこにいた女性は東北から出てきた出稼ぎで、私が日本人だと聞くと『お互い、遠くから来たんだね』としみじみ言うので、ちょっとホロっと来てしまった。結構苦労しているのだろう。そういう意味では出稼ぎ者は皆苦労しているはずだ。苦労なしの私は何となく恥ずかしくなってしまう。

 

4月6日(木)
宜興へ

翌朝は宿を出て空港バス乗り場へ。9時半のバスがあると聞いていたので、9時15分に行くと『そのバスは満席でもう出てしまった』というではないか。結局9時40分に次のバスが出た。それならはじめから、満員になったら出るよ、と言ってもらわないと困る。急いでいる時にもし出なかったら、フライトに乗り遅れる危険もあるのだが、そこは中国的柔軟せいだろう。ただこのバスは空港から乗ったものとは会社が異なり、料金は半額だった。おまけに空港までは僅か30分ちょっとで着いてしまった。

 

空港内のカートは、手元に広告用の液晶が付けられていた。こんなのは初めてだ。フライトは少し遅れたが、それほど待った気もしないうちにコールが掛かる。今日はエアチャイナに乗る。北京に行くわけでもない、昆明-杭州線にエアチャイナが飛んでいるのが不思議だが、料金も手ごろだったので使ってみた。いつもの国際線より、機内食がましだったような気がする。

 

約3時間のフライトで杭州空港に着く。このまま杭州東駅に行こうと思いバスを探す。バスは見付かったが、チケットは自販機で買うようになっている。そして何とアリペイなどの電子決済になっており、おまけに身分証まで入れることになっている。私は何とか銀聯カードで決済ができたが、普通の外国人旅行者はかなり遠くにある切符売り場まで行って並ばなければならない。中国人優先で、なんとも不便。

 

バスに乗り込むと満員となり、定刻前に出発した。どうやら乗り遅れた人がいたようだがお構いなし。かなりの雨が降って来た。それから40分ぐらいで、東駅に着く。今度は高鉄の切符を買うために窓口に並ぶ。ここには珍しく外国人優先窓口があったので、それほど待たずに買えた。これは有り難い。というか、並んでいる人の数も少ない。ほとんどの人が自販機購入だ。

 

20分後の高鉄に乗ることができ、50分で今日の目的地、宜興駅に着く。宜興は30年ぶりだが、まさか高鉄が通っているとは思わなかった。世の中便利になったものだ。だが見る限り宜興の街は30年前とそれほど大きく変わっているようには見えなかった。駅からタクシーで予約されているホテルに向かった。道は広くてきれいにはなっていたが、高層ビルがあるわけでもなく、何となく田舎道を走っているようにしか見えなかった。道が間違っているのかと思ったほどだ。江蘇省の無錫からほど近い場所だから、当然発展していると思い込んでいたのだ。

 

5.宜興
古いホテルで

予約されていたホテル、かなり古い。その昔、街の郊外に建てられた立派なホテルだったのだろうが、特に改修などもされている様子がなく、寂れていた。部屋は広いが、何となくなくうすら寒い。その分部屋代はかなり安い。雨のせいだろうか。結構強く降っているので、外に出ることも出来ず、例え外に出られたとしても車でもなければ飯にあり付くことは出来ない。周囲はそんな状況だった。

 

仕方なく、ホテルのレストランに行ったが、やはり客はいない。スタッフに『簡単に食べられるものはないか』と聞くと『50元で定食を作ってやる。部屋で待っていろ』と言われたので、50元は高いなと思いながらもノーチョイス、部屋で待つ。やって来た料理を見て唖然。肉料理、卵料理とスープがいずれも大皿に盛られてきた。これは2-3人前の量である。まあ大食漢の中国人なら食べ切れるかもしれないが、半分も食べるのがやっと。味は悪くないが、残してしまう。その皿を部屋の外に出しておいたが、1日経っても誰も取りに来なかったのは、いかにもこのホテルの現状だ。何だか80年代の中国旅を思い出す。あの頃はずっと安かったが。雨音を聞きながら寝入る。

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