雲南から江蘇、湖北の茶旅2017(1)台湾から昆明へ行ってみる

【雲南から江蘇、湖北の茶旅2017】

 

今年の中国茶旅が始まった。『中国紅茶の旅』という月1連載の関係で、2か月に1度、紅茶の産地を2つ回る必要が出てきた。今回は雲南省の鳳慶と急須の街、江蘇省の宜興に行くことになる。その距離はかなり遠い。更には湖北省恩施の玉露を訪ねる旅まで加わってしまい、中国中を駆け回る、という雰囲気になった。かなり疲れる旅、もうしないはずだったのに。懲りない性格だ。

 

3月31日(金)
1.深圳経由で昆明まで

 

台湾桃園空港を飛び立った飛行機は深圳に向かっていた。今回の旅、台北-昆明の片道フライトで一番安かったのが、南方航空の深圳経由だったので、迷わずそれにした。台北から昆明までのフライトもあったが、高い。台湾と中国、近いようで意外と遠い。むしろ東京でチケットを買った方が余程安い。これは需給の関係か、政策の関係か。

 

機内食で出た角煮が意外とうまかった。南方航空に乗るのは久しぶりだが、国航と比べれば、サービスも機内食もこちらの方がよいと感じる。ほぼ定刻に深圳に着いた。実はここでは2つのポイントがあった。1つ目は、桃園で預けた荷物はどうなるのか、ということ。中国では普通国内線に乗り換える時はバッゲージスルーとはならず、一旦荷物をピックアップして、再度国内線カウンターで預ける必要があるのだが、桃園の南方航空カウンターの女性は『昆明まで荷物は直接行くので、ピックアップの必要はない』と説明していた。もしこれが本当なら画期的だが。

 

もう一つは国際線から国内線への乗り継ぎ専用通路があるかどうか。これまた桃園では、『専用通路を通って入国審査を行い、そのまま国内線ターミナルへ』と言われたが、よく利用する北京空港でも、国際線間の乗り継ぎはそうなるが、国内線への移動は、荷物を取った後、申し訳程度の通路があるだけだ。果たしてどうか。

 

空港に着いて、国内線専用通路を探したが、そんなものはなかった。すぐに入国審査場についてしまい、まずは入国することになる。そこで驚いたのが、指紋を取る機械が設置されており、窓口へ行く前に指紋を取れという。中国で初めて見た、こんなの。係員がいて、指紋のとり方を教えてくれたので、ついでに聞いてみると『この空港で試験的に行われているだけで全土には広がっていない』というので一安心。だが数人しかいない外国人はかなり混乱していた。今後こんなことが行われると益々不便になりそうな予感。

 

入国審査を通ると、やはりバッゲージクレームで荷物を取る。何となく通路があったので、そちらへ歩いて見たが、そこにあったのは特定国際路線から国内線への専用通路で、今は開いてもいなかった。結局ごく普通に出口を出て、国内線のチェックインカウンターを探し、荷物を預けることになる。既に昆明行きのチケットだけは発券されているので、何とも面倒な話だ。

 

カウンターで『フライトは遅れています』と言われる。ボードを見ると、軒並みフライトが遅延している。深圳でも雨が降っているが、このせいだろうか。フライトはいつ出発できるかすごく心配になる。それにしても深圳空港は明るい。華為などの企業ブースもデザインが斬新でよい。

 

2.昆明
昆明の悪評ホテル

 

結局フライトは1時間半遅れて出発し、夜の10時半過ぎに昆明空港に到着した。この空港、規模が大きすぎて、毎回出口まで歩くのに難儀する。10分以上歩いて何とか荷物を取り、ようやく出口を出ると、まだ空港バスがあったのでそれに乗り込む。バスの車内に変なおじさんが乗り込んできて、無料で道案内をすると言っている。このホテルへ行くのはどこで降りるのがよいかなど、丁寧に答えている。ようは旅行会社の人で、ホテルの決まっていない人などお客を探しているだけなのだが、このスマホの時代にこんなサービスが必要なのが中国のギャップだろうか。

 

バスは昆明駅近くまで行く。今晩はその近くのホテルを予約していたので、真っすぐそこへ向かった。ちょっと入り口が分かり難かったが、駅に近く便利で料金も高くない。私がこのホテルに決めたのは、何より予約サイトに日本人のコメントが数件あり、パスポートでも確実に泊まれると思ったからだ。夜中にホテルを捜し歩くのは正直勘弁してほしい。

 

もう一つはその日本人のコメントのほとんどが『フロントの対応が悪い、サービスの概念がない』など、ひどい内容だったことだ。なんでこんなにひどいことを書かれているのか、怖いもの見たさで行ってみたのだ。フロントへ行くと、確かに若い女性に全く愛想はなく、また予約も見つからないという。何しろ要領が悪い。そこで気が付いたのは、こちらが中国語で教えてあげれば対応できるということ。ようは日本語しかできない日本人がここに来ても『怒ってしまうだけ』なのである。

 

最終的に予約はあったが、私の予約した部屋はもう一杯だと言い、このホテルのスイートルームに通してくれた。そんな広い部屋は必要ないのだが、こんな対応があるのも旅としては面白い。勿論このレベルのホテルのサービスがよいとは言えない。だが意思疎通ができないと混乱が生じるのは、当然のことだろう。フロントの子も田舎から出てきてサービスなど知らないだけなのだ。

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