極寒の湖南湖北茶旅2016(11)武漢で空港行地下鉄が開通したが

夜はどこか初めてのところで食べようと思い、夜の街をふらついたが、付近にはなかなか手頃なところがなかった。行き着いたのは、香港式の店。たまには味の薄い広東系が食べたかったのでちょうどよかった。白切鶏。店の女性からどこの人かと聞かれ、日本人だと答えると、目が輝いた。今や日本を見る中国の若者の雰囲気に反日などはなく、実に好意的で、好ましい。

 

1227日(火)
武漢散策

 

明日日本へ行くのだが、今日は予備日としており、1日予定はなかった。朝ご飯は初めて回転レストランではなく、1階のKさんの店で食べてみる。ここの和食屋で朝食を出していると知ったのは最近だった。行ってみると、味噌汁や納豆、焼き魚など、和食が並んでいた。これは偶には有り難い。ここで朝ご飯を食べている人は基本的に、日本人のようだ。このホテルには仕事で長期滞在している人もおり、既に名簿が出来ていた。

 

休んでいるのでもよかったのだが、天気が良かったので、外へ出てみることにした。こういう時は博物館を目指せばよい。検索するといくつか出てきたが、取り敢えず一番大きそうな湖北省博物館へ行ってみる。ここは前回訪ねた劉先生の家の近くにあることが分かり、地下鉄で向かう。駅から歩いて10分以上はかかる。この付近は武昌の政府機関、研究機関などが集まっていた。

 

博物館は予想通り大きく立派だった。だが私が欲しかった万里茶路に繋がるような展示は殆どなかった。やはり清末の貿易については、漢口に行かなければならないのだろう。ロシアに関する特別展もあったが、これはというは展示品は見付からない。博物館の屋上から周囲を眺めると、湖が少し見えた。

 

歩いてその湖に行ってみた。東湖、たしかここには30年前に来た記憶がある。勿論今はきれいになっているのだが、その面影は確かにある。天気の良い冬の湖は絵になる。気持ちがよいので、思わずずっと歩いて行く。そしてもう一つの出口から道路に出た。少し行くとバス停があったので、ここからバスに乗る。地下鉄駅まで歩く必要もなく、漢口まで1本で帰れるので有り難い。途中、武漢大学のキャンパスや繁華街を抜け、1時間ほどかかった。

 

漢口駅でバスを降り、腹が減ったので、ショッピングモール内の食堂で食べる。量は多いが味も大味。そこから今度は漢口の博物館へ行く。何だかセキュリティーチェックが厳しい。展示品は想像通り、漢口に貿易関連や、ここから留学に行った人々などがあり、参考となる。そう、ここ武漢から日本へ留学に行った人はかなりの数にのぼったようだ。革命の原動力、ということだろう。

 

地下鉄で宿に戻ると、もうぐったりしてしまう。さすがに博物館を2つ見るとそれなりに疲れものだ。夜までベッドでゴロゴロして休み、最後の夜はいい感じで湯気が出ていた湯包と麺でしめた。昼間は日差しがあり暖かかったが、夜はやはり寒く、温かい食べ物に人気が集まっている。

 

1228日(水)
武漢で空港行地下鉄が開通したが

 

翌朝はゆっくりと起き、回転レストランで最後の朝食を取り、そしてホテルをチェックアウトして、地下鉄駅に向かう。これから空港へ向かうのだが、何と本日、空港までの地下鉄が開通するというのだ。正直、開通初日だから、何かトラブルがあるかもしれないと警戒しつつも、折角だからトライしてみようという気になっている自分がいた。

 

地下鉄は順調に動いており、表示もきちんと出ていたので安心して乗った。だが、乗った電車は空港まで行かず途中駅止まり。仕方なく、そこで降り、空港行を待つが、次が来てもその次が来ても、全てその駅止まりになっており、ホームには人が溜まるばかりで皆の不満が募って来た。どうやら空港まで行く電車は4-5本に1本の割らしい。

 

そこへようやく空港行がやってきたので、大きな荷物を持った人々がドアに殺到し、ただでさえ物騒な武漢の地下鉄が修羅場となってしまった。それでも何とか乗り込む。途中から地上を走り、一応景色も見えた。だが、空港駅に着いてもそれで終わりではなかった。長いエスカレーターに乗り、皆の後ろをついていくと、何とバスが待っていた。ここからシャトルバスで空港まで送ると言われ、えー、と思ってしまった。

 

そのバスがまた滅茶混み。重い荷物を持つ身としては辛い。すぐに発車していくが、皆が慣れていないため混乱する。それに何とか乗り込み、空港に着いた頃には、もうかなりの疲労感があった。確かに料金的には安いのだが、こんなことならタクシーかバスで来るんだった、と後悔する。まずはここで国内線に乗り、北京へ向かう。その機内で亀田のお煎餅が出てきて驚く。そこまでポピュラーになったのか。

 

 

北京に順調に着き、夕暮れの空港から東京へ向かって更に便を乗り継いでいく。今日は北京も快晴で、スモッグは感じられなかった。思えば前年末も北京にいたのだが、その時は黄色注意報が出ていたな。フライトは順調に羽田に着き、私の2016年の旅はようやく終わった。

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