豊原・台中・鹿谷散歩2016(5)鹿谷から南投へ

4. 鹿谷
鹿谷茶散歩

 

バスを降りると、そこには包装屋さんがあった。Uさんはそこで茶を飲みながら待っていてくれた。そこへ元鹿谷農会長の林さんが散歩で通りかかり合流した。いきなりここでこの秋のお茶談義が始まるのが流石鹿谷。包装屋のご主人は、わざわざ自分で焙煎したという茶を飲ませてくれたが、これが実に濃厚?で、味わい深く、私の好みだった。余程分けて欲しいと言いたかったが、そのチャンスに恵まれずに、ここを去る。鹿谷は誰がどんなお茶を持っているか分らないから、侮れない。

 

次に連れて行ってもらったのは、張さんのところ。ちょうど焙煎中で、忙しそうだったが、相手をしてくれた。私はよく知らなかったが、彼は元改良場にも勤務し、茶作りのプロとしても有名な人だった。日本では10年ぐらい前に今生無悔、という名のブランドのお茶を出していたらしい。確かにここのお茶も味わいが深くて好みだ。昔風の味がする。彼に質問をすると色々と紙に書いてくれたのだが、実はよくわからなかった。茶業はやはり奥が深い。

 

昼ご飯を食べようとバイクを進めたが、これはというところがなかった。折角だから新しいところにトライしようと、新しくできたラーメン屋さんに入ったが、味はよく覚えていない。鹿谷も少しずつきれいなお店が増えてきたことは事実だ。もう少しバリエーションがあると嬉しいところだろう。

 

午後はバイクで山の方へ向かう。何でも台湾大学の管理している茶畑があるというので行ってみた。そこは今宿泊可能な施設となっており、週末は観光客で賑わうのだという。今日は土曜日なので、ぼちぼちマイカーで上がってきたお客が来始めていた。製茶室があるようだったが立ち入り禁止だと止められた。

 

山の斜面に沢山の茶樹が植わっていた。ここは台湾大学の実験場なのだろうが、ある意味でもう役割は終わっているのかもしれない。この茶樹園の脇の道の奥に、日本統治時代に植えられたアッサム種の茶樹があると聞いたので、見に行ってみた。確かにかなり高くなっている喬木である。ただ全体的に入場料を払ってまで見る価値はなさそうだった。

 

帰りにもう一軒お茶屋さんに寄ってみたが、ここは珍しいお茶が集まる場所だという。茶葉は単純に製茶するだけでなく、焙煎を掛ける等、色々と加工が必要な場合がある。その辺がよくわかっていれば非常に勉強になるのだろうが、どうも関心が薄いのでうろ覚えである。折角行くのだから、勉強する姿勢を見せるべきだな。いや姿勢ではなく、実際に勉強しなければ。

 

今回はUさんが泊まっているところに転がり込んだ。その辺に茶葉が無造作に置かれており、茶の味見をすることもできる。夕飯に出掛けるのも一緒なので楽だ。有り難い。魯肉飯とおかずを食べて、満足する。夜は昨今のお茶談義で過ぎていく。これもまた贅沢な時間というべきだろう。

 

116日(日)
南投へ

 

朝起きると爽快だった。天気も良い。朝ご飯はハンバーガーと豆乳を買いに出る。こういう朝飯が好ましい。近所のお客で賑わっている。今日は特にやることもないので、南投市へ行ってみることになった。時間はたっぷりあるので、何とここで洗濯させてもらう。旅の間に1度でも洗濯できると随分と違うものだ。ちゃんと干すところもあるので、雨でも降らない限り、これで大丈夫だ。ちょっとお茶を飲んで出掛けることに。

 

そこへ昨日の張さんがやって来た。何か届け物があったようだが、何と私にもお茶を頂いた。これはサプライズだった。是非日本に帰って皆さんで飲みますと伝えた。その後エコ茶会でこの茶を飲んでみてびっくり。すごい果実の香りがあり、飲んだ人から大好評となる。是非売って欲しいとも言われたが、私はお茶屋ではないのでそれができないのは残念だった。

 

Uさんのバイクの後ろに乗り、一路坂を駆け下った。結構怖いと思うところもあったが、バイクはどんどん進んでいく。南投の街に行くのはこれが初めてではないかと思う。前回日月潭から埔里へはいったが、それも車だった。街を抜けて橋を渡ると、南投の農業博覧会の会場が見えてきた。嘉義や新竹など台湾各地区がブースを出している大掛かりなイベントだった。

 

我々は取り敢えず、南投のブースに入る。農業博覧会というだけあって、農産品の展示が多い。後で他のブースを回っても、台湾にはこんなに農産物が豊富だったかと驚くほどに、様々な物があった。牧畜業などもあり、フレッシュなミルクも牛肉も作られている、フルーツもどんどん甘くなり、以前は日本に来て買っていたリンゴなども本格的にこちらで栽培されている。

 

この博覧会は、特に今日のような週末は家族連れが遊びに来るのに絶好のイベントとなっている。ちょっとした遊ぶスペースがあり、美味しいものがあり、子供向けの飾りも多いのがそれを物語っている。日本でも各地区で行われているとは思うが、このように大規模に、そしてたくさんの地域が連携して参加するイベントこそが必要ではないだろうか。

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