中国鉄道縦断の旅2015(1)雪の昆明で混迷?

【中国鉄道縦断の旅2015】 20151215-28

 

7月に練習のつもりで参加したミャンマー縦断鉄道の旅。そのすごさ、しんどさ、半端なかった。最後はリタイアの憂き目にあい、数日は立つことも出来なかった。そんな経験をバネに本番、『万里茶路』のルートに挑む。今回は中国の雲南省から内モンゴルまで。南国から極寒の地まで、しかもやはり鉄道縛りだ。

 

既に異変は出発前から起こっていた。予約していた羽田北京線。朝便はなぜか欠航になり、午後に。しかもエアチャイナのWEBチェックインはどこかおかしく、結局できない。何かが起こっていた。しかしサイは投げられてしまった。もう後戻りはできない。思い出したくもない地獄の旅の始まりだった。

 

1215日(火)
1. 北京経由で昆明へ
昆明まで

まずはこの旅の掟である前回終了地点からスタート、に沿って、前回の最後、ミャンマーと中国の国境へ向かう。もうこれだけでも普通の人にとっては大変な旅だと思うが、中国側の国境瑞麗まで行くのは、本番ではなく、ただの移動なのだ。そのためにエアチャイナで昆明を目指す。

 

爆買いの中国人がいた。北京行午後便、我々が乗り込んだ頃は空席がかなりあったが、後から後から中国人観光客が大きな袋やバッグを抱えて入って来た。それを収納場所へ押し込むのだが、どう見ても無理だと分かるほどすごかった。CAさんも普段はサービスと言う概念を知らないのかと思っていたが、この時ばかりは総出で場所を探し、荷物を収納していく。これもまた呆気にとられるサービス対応だった。

 

だがそれも限界がくる。私の横に乗客が来た時、全てのスペースは埋まっていた。すると彼女、ブランド品の袋を足の下へ押し込んでいく。そしてついに、私の足の下にまで突っ込んできた。さすがに拒否した。恐ろしいまでの執念が感じられた。爆買いは日本を潤しているのだろうか、中国が黙っている訳はないと感じた。

 

飛行機が何とか飛び立つと、数人が通路に荷物を投げ出す。そうか、足の下は一時的な対応だったか。トイレに行くにも荷物が邪魔で動けない。機内サービスが来るとまたひっこめる。対応は機敏だった。食欲もないほど圧倒された。横の女性は寝ていたのだが、起き上がって機内食の蕎麦だけもらっている。中国人も慣れたものだ。私も真似してしまう。

 

 

何とかほぼ定刻に北京空港に到着。入国して荷物を受け取り、トランスファーカウンターを通る。だが国内線の荷物検査は長蛇の列。どうして国際線からのトランスファー組を別の通路にしてくれないのと思ってみても仕方がない。結構消耗する。北京空港は人が多過ぎる。

 

北京昆明間は順調だったが、それでも到着は夜中の1時。昆明空港はきれいになっていたが、広くなりすぎて、いくら歩いても到着ロビーに着かない。驚く。南国雲南省に来たつもりだったが、なんと東京を出る時に着ていたダウンジャケットがそのまま必要だった。寒いのだ。

 

この時間は空港バスもないので、タクシーに乗る。以前なら白タクしかいなかったのに、今や夜中でも、ちゃんとメータータクシーが走っている。素晴らしい。ところで行先は?S氏は到着地のホテルを決めない主義だ。それが例えば夜中到着であってもだ。どこへ行くんだ。

 

取り敢えず鉄道駅まで、と告げる。夜中2時前、駅に着いたが、何と駅は閉まっていて入れない。夜行便すら終わっている。どうするんだ、この寒い中。『宿でも探すか』となったが、駅前ホテルの2軒に断られる。パスポートでは泊まれないというのだ。満員だと言ったところもある。そしてついに立派そうなホテルで、3人部屋、320元の広い部屋を確保して入ったのは、3時前。何はともあれ、ベッドに潜り込んだ。それにしても夜中は本当に寒かった。暖房もなく、何と窓が開いているのに気が付かなかった。

 

1216日(水)
2. 瑞麗へ
瑞麗行きのバスに乗るも

8時、起きてたまげた。何と雪がパラパラと降っている。えー、12月とは言え南だろう、と言っても始まらない。ホテルの朝食も何となく冷えている。すでに心が萎えている。こんな日はどうするんだろうか。それでも外に出た。そしてどうやったら瑞麗に行けるのかの調査が始まった。普通はそれを調べて上で来ると思うのだが、この旅にはそんなものはない。全てが現地対応だ。

 

駅前を歩いていると、バスターミナルのようなものがあった。チケット売り場があるのかと覗き込むと、カメラマンのNさんが『ここから瑞麗まで直行バスがあるようだ』と言い、一人の切符売りと話し始める。9時には出るから、乗るならすぐ来い、と言われ、ホテルに戻って荷物をまとめ、慌てて取って返した。

 

そこは商店の前だった。男達がたき火をしている。それほどに寒い。そこで待っていると、ミニバスがやってきて、乗客が乗り込む。ぎゅうぎゅう詰めだ。中国人のおばさんは『これはバスターミナルへ行くのか』と叫び、納得できずに降りて行った。そう、今や中国人でも騙される危険があり、誰を信じてよいか分らない。だが我々にとってはこんな旅が欲しいので、そのまま揺られていく。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です