福建・広東 大茶旅2016(17)ずぶ濡れの香港からエチオピア航空

7. 香港
上環へ

819分、雨の中を列車はホームを離れた。席はほぼ満員。1時間ちょっとで深圳を通過した。そのままホンハムまで一直線。ちょうど2時間で到着。イミグレもスムーズですぐに外に出たが、バス乗り場の位置を忘れて建物を一周回り、時間をロスする。香港も大雨だった。まずは上環へ向かう。今日の目的は茶縁坊だけだった。先日安渓で手に入れられなかった鉄観音の秋茶があれば、ここで買って帰ろうと考えたのだ。

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だが乗り込むバスも間違えて、遠回りのものに乗ってしまう。10年も住んだ香港がもう分らなくなってしまっているのが悲しい。バス代は安い。トンネルを通り、銅鑼湾からハッピーバレー、そして金鐘を走っていくが、雨のせいもあり、渋滞が厳しい。更には乗り降りする人も多く、なかなか進まない。

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ようやく1時間かけて上環に着いた。私は午後のフライトで東京へ行く予定だったので、時間は殆どなくなっていた。雨が激しく降る中、大きな荷物を持っていては、傘は役には立たなかった。ずぶ濡れになりながら、茶縁坊を目指した。だがなんということか、店は閉まっており、灯りはなかった。これまで一度もない光景だった。しかもここでSさんと待ち合わせをしていたのだが、彼女の姿もなかった(後で聞くと彼女も店に行ったが閉まっていたのでメッセージをくれていた)。私は香港のシムカードを持っておらず、電話を掛けることもネットを見ることもできない。途方に暮れるがどうしようもない。

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フライトは午後2時半。濡れた服も気持ちが悪い。ここはもう空港へ向かうしかなかった。また雨に濡れながら、空港バスのバス停が遠い。ちょうどバスが来たので乗り込んだが、こんな時でもクーラーガンガンだから、風邪ひきそうになる。このバスも安いが時間のかかるタイプであり、1時間後、空港に着いたときは服がきれいに乾いていたが、かなりくしゃみが出た。

 

エチオピア航空で成田へ

今回はどのルートで東京に行こうか迷っていたが、広州でネットを見ていると、広州→東京の便が意外と高いことに気が付いた。そこで香港からの便を探してみると、なんとあのエチオピア航空が、香港→成田に就航しているではないか。しかも片道の運賃はLCCより少し高い程度。これは乗ってみるしかない、と予約する。この航空会社にはかつてバンコック→香港線に乗ったことがあり、そのバスのような運行が面白かったのだ。

 

今回の広州でも見たように、減ったとはいえ、アフリカから香港経由で広州に買付に来るバイヤーは沢山いた。彼らのニーズを満たすために、この香港線があるのは何となく理解できるが、以前はなかった成田行きが出来た理由は何であろうか。因みにこのフライトはアジスアベバ→香港→成田で、バンコックには寄らない。一体どんな人が乗っているのか、興味津々だった。

 

チェックインカウンターへ行くと、前回のバンコックと同様、乗客の姿は殆どなく、また『フライトは少し早めに到着します』と言われた。僅かに見たお客は、香港人の若者。日本へ行くのに安いフライトを選んだ、という感じだろうか。今や毎月日本へ行く香港人も多いと聞く。そんなニーズに合わせて路線を延長したのだろう。これに広東省あたりの中国人観光客が加われば、それなりに採算が取れるのかもしれない。

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滑走路の方を見ると、雨は既に上がっていた。さっきの雨は何だったのだろうか。あまりにも歓迎されていない。搭乗口に行ったが、案の定、乗客の姿はなかった。前回のバンコックでは8人しか搭乗しなかったが、今回は恐らく10数人だっただろう。乗って来たのはほぼ香港人かな。機内も当たり前だが空いている。乗って来た人間は前の方に集められているが、後ろの方はガラガラに見える。だが行ってみると、エチオピアから乗って来た人々が3列の席で横になって寝ている。確かに十数時間も乗っているのだから当然だろう。

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機内食はアフリカの料理が出る訳ではなく、香港から積み込んだ食べ物で普通に美味しい。機体も比較的新しく、映画なども見ることができる。私は音楽を聞こうと楽曲を探すと、サイモンとガーファンクルがあったので、聞いてみる。何とも懐かしい。こういう音楽には国境がないな、と思う。

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飛行機は定刻前に成田に着いた。何事もなかったように電車に乗って帰路に就く。今回の旅、よく考えてみれば、台北、福州、安渓、厦門、マカオ、広州と訪ね歩く大旅行だったな。今年はミャンマー・ラオス・スリランカとか、ロシア行などがあり、大旅行が多い。いっぺんに色々と行けるのは良いが、体力的にも限界が近づいている。このような旅は徐々に減らさないといけないな、痛感する旅となる。

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