苦難の台北散歩2016(1)遅れに遅れて午前4時

【苦難の台北散歩2016】 2016928-102

 

10月に福建省に行くことになった。厦門集合ということで、今回はどこから入ろうかと悩んだが、やはり台北行が安い。そして福州まで飛び、高速鉄道で厦門へ。こんなルートで厦門へ行く日本人などいないだろう。だが、その前には大きな壁が立ちはだかった。

 

928日(水)
1. 台北まで
遅れに遅れて

先週熊本で台風直撃の中、辛くも脱出したばかりだったが、何と昨日は台風が台湾を直撃した。心底思った。『今日ではなくてよかった』と。だが台風の余波はさすがに今日のフライトにも影響を及ぼしていた。桃園空港が混乱しているらしい。確かに前日全便欠航したのであれば、多少の遅れはやむを得ない。

 

今回は安さでシンガポール系のタイガーエアーを選んだ。前回は同じシンガポール系LCCで大失敗しているので、ちょっと不安もあったが、前日夜遅く、翌日のフライト時間変更の連絡があった。11:40発が17:50発と、実に6時間遅れていたが、それでも連絡があれば空港で待たなくてよい。

 

そして当日15時に成田空港に着いてチェックインカウンターへ行くと、ちゃんとチェックインが開始されていたのでホッとした。かなり長い行列が出てきているのも悪くない。カウンターのスタッフを見ていると、実に多彩な顔が見えた。日本人もいるが、韓国人、シンガポール人などが、日本語、英語などを駆使して対応している。一瞬ここは成田か、と疑いたくなるほど。

 

だが、その説明を聞いて驚いた。17:50発の予定が、20:40に変更になったというのだ。都合6時間近く、空港で待たなければならない。彼女らはかなり上手に乗客に説明し、特に文句を言う人もいなかった。LCCだから、台風だから、多少の不便は仕方がない、と皆割り切っているのだ。私も右に倣って大人しくチェックインしたが、何と17時過ぎまでは出国審査も受けられないというから、ビックリだ。これがLCCというものだろう。

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仕方なく、展望デッキへ向かう。これまで何十回と成田空港には来たが、デッキに行くのは初めてだった。飛行機を見ようとしたが、金網が遮っており、あまりよく見えない。ネットの繋がりもここは今一つ。そして何と雨がぱらつく。踏んだり蹴ったりとはこのことだ。本当に仕方なく、2階の土産物屋を覗く。本屋でも時間をつぶす。

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そして17時過ぎに出国し、席を探して座る。テレビが設置されており、娯楽番組を放送している。くだらないとは思いながら、こういう時はこのような番組をダラダラ見ているのが一番良い。何と3時間も見ていたと思う。そして20時過ぎに、ボードを見に行くと、何と何と、またディレーしている。出発は21:20。桃園空港の混乱は想像以上のようだ。

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ついにコールがあり、飛行機に乗り込んだのは、21時前。疲れ切り、諦めきって乗る。フライトは満員だ。台湾人の方が多い。中にはシンガポールまで乗り継ぐ人もいるのだろうか。私は席に着くと目をつぶる。起き上がるともう着陸態勢にあった。一体今は何時だろうか。果たして台北市内までどうやって行くのだろうか。

 

市内まで

飛行機を降りたのは午前0時半だった。この時間でも結構人がいるのは空港混乱の余波だろう。入国は簡単に済んだが、荷物が出てくるのに時間が掛かった。これも仕方がないだろう。いつもなら両替して、それからSIMカードを買って。だが、もう開いている時間ではない。

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まずは台北市内までのルートを確保する必要がある。いつものバス乗り場へ行くと、簡単にチケットは買えた。深夜でもバスは動いているのだと安心したが、その列の長さに唖然とした。どこが最後尾か分らない。並んでいた台湾人に聞いたら、彼も分らないながら並んでいるという。ちょっと面白くなってしまった。疲れすぎて頭がボーっとしていたからかもしれない。普通ならタクシーを探すだろうに、なぜか列に並んだ。

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当然これだけの列だから、すぐにバスは来ると思った。確かにバスは来たが、乗車人数が限られている。高速走行なので立っていくことはできない。2台目が来ても列は少ししか動かない。3台目が来るま45分はかかった。だが誰一人列を見限るでもなく、勿論不平もない。空港はWi-Fiが完備しているので、皆スマホに目を落としている。どうやら日本の野球、パリーグは日本ハムが優勝したらしい。ハムには台湾のスター、陽岱鋼が所属しており、台湾でも人気があるチームだったので、皆喜んでいるようだ。

 

私がバスに乗れたのは6台目、何と午前250分だった。ずっと立ったままで約2時間、よくも待っていたものだ。それでも私の後ろにはさらに大勢の人が待っている。バス職員が『昨日から2晩徹夜だよ』という声を聴いて、大変なのは我々だけでないと分かる。このターミナルに降りるお客はLCCで来た人が多いから、タクシーには乗らず、安いバスを待っていたのだろうか。何しろバス代は125元だが、タクシー代はその10倍はする。

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午前340分、台北駅に到着。荷物を受け取り、それを引いて、夜明け前の車も殆ど走っていない通りを歩いて行く。午前4時前、ついに予約していた定宿に着いた。ドアは閉まっていたが、中のソファーにおじさんが寝ており、鍵をくれた。何だか目がさえてなかなか眠れなかった。

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